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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイと異世界のこと

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211話

「やっぱり、注目を受けるよな」

「それは、だってね…でも、こんなに簡単に中に入れてよかったのかな?」

「それについては、さっき話ただろ?」


そう、俺たちは自然体でエルフの里と思われる村に入った。

エルフの里ということで、異世界情緒あふれる街並みを期待していたが、そういうわけでもなかったらしい。

よくある、森に囲まれてというのはこの世界でも同じだったのだけれど、街並みがかなり近代的だった。

あれじゃないのか、木の上に家があるとかそういうのじゃないのか?

これじゃあ、普通の街並みと変わらないな。

違うところは、みんな髪の色が銀髪か金髪であり、さらには耳が長いくらいか…

もしかすれば、ヘンタイ眼で視れば、魔力が多いということもわかるかもしれない。

お決まりで、エルフ族といえば、魔力が高いということがあるあるだしな。

そんなことを考えながらも、俺たちは里の中を見て回る。

このときに変な行動をしないというのは、入る前に決めたことだった。

それはなぜか?

エルフの里に入ることができるというのは、普通であれば今さっき行ったような動きをしないといけない。

普通では知るはずもない動きといえばいえるだろう。

そんな動きをして入ってくる人といえば、この里に用事があって入ってくる人と考えるのが普通だ。

町の中でも、ほとんどの人が先ほどのように異国情緒あふれる耳が長い人が多いのだが、その中でも数人は俺たちと同じような普通の人も混ざっている。

たぶん、商人だったりはするのだろうけれど、そういう人がいるということを考えると、普通にしていれば疑われることはないだろう。

だからといって、俺たちが変な動きをすれば、すぐにおかしいと取り囲まれてしまう。

そんな気がする、視線を浴びている。


【さっさと歩きなさいよ】

「(わかってるけど、緊張するんだよ)」

【まあ、普通であれば、これだけの注目されることはないものね】

「(そうなんだよな。まずは、言ってたように、族長の家に行くのが最初だよな)」

【ええ、あんまりちんたらしてると、おかしい人と周りにもばれるわよ】

「(はあ?俺は別におかしい人じゃないんだけどな)」

【そうだったらいいわね】


確かにパンツを被ればヘンタイだったり、おかしな人だとは思われるのかもしれないが、それはそのときであって、普段からおかしい人ではないということを考えてほしい。

まあ、ぼろが出る前に行くべき場所にいかないといけないというのは確かにそうなのだろうけれど…

そうして、俺たちは神様たちに教えてもらった場所であるエルフの里の長がいる場所へと向かう。


「よし、ここでいいんだよな」

「だけど、入れるのかしら?」

「迷ってても仕方ないだろ?」

「大丈夫だよお兄ちゃん、お兄ちゃんの邪魔するやつは叶が滅多滅多にしてあげるから…」

「いや、怖いからな。普通に待ってくれ。なるようになるしかないだろ。いざとなったらシバル、みんなを止めるのを手伝ってくれ」

「はい…いつの間にか血の気が多くなってしまいましたからね」


俺の苦労をわかってくれるのは、シバルくらいだ。

叶が加わったせいで、アイラが張り合っていろいろまずいことになったし、ヤミは俺をからかって楽しんでいる。

バーバルは、まともはまともなんだろうけれど、ドエスがどこで発動するのかわからないからな。

何かがあったら怖いというのが正直なところだ。

長の家の近くに到着したのは、確かに簡単だった。

でも、長の家を守る人といえばいいのだろうか、監視の人が多すぎる。

家の前にいるのは十人くらい。

えーい、当たって砕けろだな。

俺たちは前に進んだ。


「止まりなさい」


当たり前だが、俺たちは呼び止められる。

呼び止めた相手は…

ああ、イケメンだ。

隣には、しっかりと美女もいる。

さすがはエルフの里だ。

こういうところを守る人ですら、強面の男という感じではなく顔がいい人しかいないというのはさすがはエルフの里って感じだろう。

俺たちが止まると、止まれといった男も、まずは話の通じる相手だとわかったのだろう。

持っている武器である槍については突きつけるということはなく話をする。


「ここは長の家だということをわかってきているのか?」

「ああ、それはわかっている」

「そうか、それなら話は早い。書状は持っているか?」

「書状…」


書状なんかは持っていない。

でも、こういうときに書状を持っていないと、どういう状況になるのか?

そんなのはわかっている。

捕まるとか、後は何か最低でもイベントが起こるという感じだ。

役に立ちそうなものと考えれば、あれか…

俺はあるものを取り出す。


「書状はないが、これならあるんだが…」

「そ、それは!」


見せたものはこの国、リベルタスの検問では最強の一品である、国のトップがくれた例のものだ。

一応、このエルフの里もリベルタスの国内にあるので、もしかすればと思ったが、いい反応のようだ。

よし、このままいけばいけるな。

よしよしよし…

そして、俺は牢屋に収容されたのだった。


「いや、なんで!」


その声だけが、牢屋の中にこだましたのだった。


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