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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイと異世界のこと

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207話

レックスはツインがこれからよくしていくということでまとまった。

ちなみに、ミライとセコパンツはことが終わると帰っていった。

セイクリッドでやることがあるし、また未来で俺たちのピンチが視えることがあれば助けてくれるらしい。

あとは…


「ふへへ、うちのこと呼んだ?」

「呼んではないけど、来てくれたらうれしいとは思ってたな」

「ふへへ、うちはこう見えても好きな相手のことはわかるからね」

「それは助かるな」

「それで?うちに言いたいことがあった?」

「そうだな。これからについて、意見を聞きたいと思ってな」

「ふへへ、言いたいことはわかるけど、うちもただしが聞きたいことについては知らないかな」

「そうか…それでも、俺よりも知っていることが多いだろ?」

「ふへへ、それなら少し話をしないといけないね。どうせなら、そこにいる妹さんと幼女さんもつれてね」

「そうだな」


さすがというべきか、強さという意味では、一番底が見えていないネクラは、簡単に俺たちが何かおかしいということに気づいた。

まあ、スキルから考えて、かなりのチートなものを持っているので、普通であれば見えないものも、二つのものを組み合わせることで俺たちが知らないことですらわかるのだろう。

バーバルとアイラ、シバルは、気づけば三人でどこかにいってしまったので、ここにいるのはツインたちのパンツ三人とそれ以外だ。

ツインについては、これからのレックスのことをなんとかするためにと、他の人たちとの話があるので、少しして会釈して出て行った。

叶はというと、何かをしている。

その叶に声をかけた。


「叶、少しいいか?」

「うん、お兄ちゃんのお願いなら、叶がどんなことをしてても優先されるからね」

「そ、そうか…」


本当に大丈夫かと思われる発言に、さすがに少し話をすることに躊躇を覚えそうになるが…

実の妹なのだ。

かなりヤンデレ気味だとしても、こういうときには仕方ないことだろう。

俺は自分に言い聞かせて、四人で集まる。

そして、開口一番に声をあげたのは、以外にも叶だった。


「ねえ、お兄ちゃん。どういう理由かはわからないけど、叶と叶の神様だけは、お兄ちゃんたちの味方だからね」

「どういうことだ?」


俺は、その言葉に驚いた。

そんなときに、戦いの後もらった通信石から声が聞こえる。


「それは、あたしと…」

「私が一緒にいるからになるわねえ」


その声は、いつものスターと、もう一人は喋り方だけで、わかる。

おネエだった。

驚いている俺たちに向かって、おネエはさらに話す。


「あらやだ、驚いちゃったのね。いいわね。男の子の驚く顔と、その顔を見て少しむっとするスターちゃんも、可愛いわ」

「むっとなんてしていません」

「えーっと、ちょっと待ってくれ…俺たちには状況がわからないんだが…」

「簡単なことよ。私がスターちゃんのことを匿ってあげてて、あとは勇者としてあなたの仲間になりそうな妹ちゃんを送り込んだのよ」

「…それは、理解できるんだがな…」


そう、話を聞く前から、戦い終わりのタイミングで、スターと話をしたときに、狙われているのは自分だと教えてもらっていた。

だから、俺があのとき勇者と戦うことによって、隠れていて、その場所がわかって追われていたというのをさっき聞いたりした。

そのあとを考えると、匿われているとは予想していたが、まさか叶を召喚した神と一緒にいるとは思わなかったが、少し予想できたこともあった。

というのも、叶以外の勇者については、今のところにはなるが、仲間になる人たちではないことがわかっているからだ。

まあ、気になるところは、叶の性格がさらにヤンデレに加速をかけているところくらいだ。

そんなことをのんきに考えていると、一人だけ部外者と言っていいが、すぐに状況を理解したらしいネクラは言う。


「ふへへ、なるほどね。うちらはこの神様たちのために戦っているのね」


そう、ネクラが言っていることは正しい。

でも、俺はそれだけじゃないのではないのかと思った。

その予想が当たるかのように、おネエが話をする。


「確かに、私たちが勇者を送り込んだのは、魔王を倒させるためよん。でも、それだけじゃないことは、この世界にいるあなたたちであれば、わかるはずなのよねえ」

「そうですね、ふへへ…」

「まあ、なんとなく、俺もわかるな」

「どういうことなの、お兄ちゃん?」

「そうねえ。この世界に長くいるわけじゃない、あなたがわかるというのであれば、私たちにも教えてほしいわ」

「仮説にすぎないけどな。俺は、この世界事態に問題があると思う」

「どういうことなのじゃ?」

「あれだな、レックスもそうだけどセイクリッドも、前のオンスフルも含めて、国として、いろいろおかしいと思ってるな」

「確かに、国によって閉鎖的といえば聞こえはよいのじゃろうけど、もしここで魔王がせめてくることがあれば、一つの国ごとでしか対処ができなくなってくるじゃろうしの」

「そうなんだよな…」


さすがに、勇者がいる場合であれば勇者に対処してもらえばと思うが、もし魔王軍がしっかりと徒党を組んで襲ってくれば?

ほかの国同士がなんの纏まりもなければ、一つずつ、確実に滅ぼされてしまうことになる可能性もある。

まあ、魔王がここにいるので、そうはならないのだろうけれど、可能性はゼロじゃないからな。

そんな、異世界といえ、協力も何もできなさそうな国たちなので、勇者が出てくる場所もかなりまちまちだし、魔王であるヤミの力の源である黒い塊も各国にあるというのは神たちが狙ってやっていることなのだろうか?

まあ、いえることは…


「この世界は、いろいろと閉鎖的すぎるよな」

「ふへへ、そうだね。うちもそれは思ってた」

「だから、世界を変えるためにもこの世界に勇者が送り込まれたと、考えるのが普通なのか?」

「さすがじゃない。スターちゃんが見込んだだけのことはあるわね。その通りで間違いないわよ」

「でも、そこで疑問なんだが、この世界にいる人たちを勇者とするのはダメだったのか?」

「いい質問だけど、それじゃあダメなのよ。だって、この世界にいる人たちは、それが普通だと思っているから、たとえ強力な力を授かったとしても、勇者ちゃんたちのように冒険に出かけようとする気は起きないわね」

「なるほどな、確かにそうなったら、結局は何か起きたときには一緒だよな」

「そうなるわね。私たちが世界に干渉してもいいのだけど、それは勇者として干渉するだけになるもの、それに、勇者がもうダメだって思わないことには私たちも勇者を乗っ取ることなんかできないもの」

「そういうものなのか…」

「ええ、だから察しがいい男の子は、本当に好きよ」

「そ、そうか…」


相手はおネエとはいえ、さすがにストレートにほめられると照れるな。

そんな俺のことをこの場にいる三人はジト目で見ている。


「なんだ?」

「なんで、叶がお兄ちゃんのことをほめてもそんな顔をしないのに、今はそんな顔をするの?」

「ほんとなのじゃ、わらわもほめておったことはあったのに」

「ふへへ、本当にね」

「いや、違うぞ…よく考えてみろ、この世界にきて、まともに男に褒められたことがなかったってだけだ」


俺はそう言い訳するが、その発言に叶は驚く。


「え、お兄ちゃんは男に褒めてほしいの?」

「だから、童貞なのじゃな」

「なるほど、納得。ふへへ」

「いや、だからちがーう」


まともな話し合いにならなくなってしまったことに俺はため息をつくのだった。


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