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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイと剣術大会

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204話

「それで?」

「それでとは?」

「結局は、俺の狙われている理由とか、わかってないことあるんだが…」

「最初に言ったことね」

「ああ…」

「それについては、さっきも言ったことが理由になってくるわね。あたしを手に入れるために、手っ取り早いのは勇者が魔王を倒すことなんだけど、魔王を倒さなくても、あたしがこの世界に送り込んだ転生者を倒すことができれば…なんていう条件をだしちゃったからね…」

「なんだよ、その理由は…」


そんなことで、俺はこの世界で狙われないといけないのか?

俺があきれている、そのことにスターも気づいたのだろう。

すぐに謝られる。


「ごめんなさい。ただしを生き返らせるには、この方法しかなかったの…」

「どういうことだ?」

「前の世界で死んだあなたを、生き返らせるためには、この世界で転生させるしか、あたしには方法がなかったということよ」

「まじかよ。それなら、この世界で転生しなかったら、俺は元の世界で死んで終わりだったのか?」

「そうね…」


ということはだ。

魔法使いにもなれずに、ただの童貞社畜のまま死んだということになるのか…

確かに、それだけは嫌だな。

この世界で、その未練が少しでも解消されたというわけではないが、その点は転生してきてよかったと思う。

まあ、だからといって、この世界でパンツを被らされて戦わされるとは思わなかったが…

せめてもう少し、いいものがよかった。

女性といろいろすると強化されるとかがよかった…

いや、童貞の俺にそんなスキルが備わったところで、全く使わなくて終わりとなるのが目に見えているかもしれないが…

一応、これである程度聞きたいことが聞けたな。


「それで、この後はどうするのがいいんだ?」

「そうね、どうするのが正解なのか、あたしにはわからないわね」

「ということだ、ヤミ…」

「なんじゃ?」

「俺に倒されてくれるか?」

「よかろうなのじゃ!っていうと思うのかおぬしは!」

「いや、もしかすればいうかもしれないだろ?」

「いやじゃいやじゃ、痛いことは嫌なのじゃ」

「急にわがままだな」

「わがままなのは仕方ないのじゃ!じゃなければ、封印などされておらんのじゃ」

「そうだな…というか、それについての疑問なんだが、いつ封印されたんだ?」

「うーむ、それについては、わらわもよくからないのじゃ…」

「なるほどな、年を重ねすぎてわからないと…」

「確かにそうなのじゃろうけれど。見た目がぴちぴちの若い子なのでよいじゃろ!」

「若いというか、若すぎるけどな」

「それなら、よいじゃろ。わらわじゃって覚えているのは、魔王だということと、わらわの力を取り戻すのに、黒い魔力の塊が必要なことくらいしかわからないのじゃ」

「そういう原理ね…」


話を聞いている限りだと、完全に用意された魔王という感じだ。

うーん、嫌な感じがするな。

何か裏がありそうな感じのな。

今は考えても仕方ないか…

でも、なんとなくやるべきことは決まった気がする。


「まずは、ヤミ…」

「なんじゃ?」

「魔王として、覚醒させるのがいいか?」

「それをするのがいいと思うのじゃな?」

「そうだな。その方が倒される確率が低くなるからな」

「確かにそうじゃな…ってわらわは戦うことが嫌じゃ」

「仕方ないだろ、俺だって嫌だけどな、やらないといけないときがあるからな。それに、強くなったら痛い思いもしなくなるかもするだろ?」

「そうなのかもじゃけど、わらわが魔王となってしまうと狙われる確率が増えると思うのじゃ」

「それはあるだろうな。でも、結局は魔王ってことがばれてしまったから、狙われるんだぞ?それなら強くなっていたほうがいいとは思わないか?」

「うう…その通りのことを言われるとは思わなかったのじゃ」

「まあな」

「じゃあ、当面の目標はそれでいいよな」

「そうじゃな」

「あとは…」


あの勇者のことだ。

クロ。

黒い炎を使うあいつだけは、会って戦わないといけない。

そのことだけはわかる。

後はだ。


「少し話すぎたわね」

「そうだな」

「そろそろあの子たちがくるわよ」

「だな」

「またあとで話をしましょう」

「それはいいけどな。一つ聞いていいか?」

「なに?」

「さっきの話のことで気になったことだけどな。どうして、前の勇者にスターだけは連れていかれなかったんだ?」

「答えは簡単よ。あたしが、その場にいなかっただけね」

「そうか…」


その言葉のあとに、遠くに見慣れたみんなが見える。


「「ただし!」」

「ちょっと、そんなに走るのは、わたくしは苦手なのに…」


元気に走ってくるのは、アイラとシバルの二人だ。

その後ろには、少し疲れた表情でバーバルが続いている。


「話はいったんここまでだな」

「そうみたいじゃな」

「ああ」

「ちなみにじゃが…」

「なんだ?」

「いつまでそれをつけておるのじゃ?」

「なんだと…」


俺は、その言葉でようやく頭に下着をつけていたことを思い出し慌ててとる。

ヘンタイに慣れすぎるとよくないな。

そんなことを思いながらも、俺は下着を脱いだ。

そんな俺に一番最初にシバルが抱き着く。


「ただし、ボクやりました!」

「みたいだな、よかったな」

「はい、これからも頑張りますから!」


その言葉とともに、シバルは頬にキスをしてくる。


「お、おい…」

「へへへ…」


キスをした後の顔はどこか照れていて、そして緩んでいて、あまり言ってはダメなのかもしれないが、どことなくキモイような…

まあ、ドエムなシバルなら喜びそうなことを考えながらも、俺はこの剣術大会が終わったのだと思ったのだった。



私たちの戦いが終わった。

シバルの兄であるツインはパンツでおとなしくなり、首謀者として何か薬をうたれたジンバはというと、叶によってボコボコにされていた。

私たちが見たときには、かなりの傷がついており、隣にいたザンと呼ばれたおじさんがとめに入っていたくらいだった。

そのザンも、私のホーリージャベリンで貫いたあとに、パンツを被せられるという、もう何がなんだかわからない状況になりながらも、戦いは終息した。

あとは、モンスターとただしだけということもあり、私たちは先にただしたちと合流するべく進み始めていたときだった。

どことなく、シバルがそわそわとしているのがわかった。


「どうしたのよ、シバル?」

「あの、アイラ様…」

「なに?」

「ボクはその…」


言いにくそうにしている。

それだけで、なんとなくシバルが私に何を言いたいのかわかった。


「ねえ、私にそんなに遠慮しなくてもいいのよ」

「それは、でも…」

「そんな遠慮をしていては、私の騎士になれないでしょ?」

「そうですね…」

「うん」


そして、私たちはただしたちにあった。

予想はしていたシバルの行為。

それをほほえましく見ながらも、私たちは気づいていなかった、バーバルのこと、ヤミがどうなってしまうのかすらも…


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