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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイが異世界にやってきた
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戦闘が始まったようだ

「くそ、腐っても騎士ということか」

「それでも、わたしたちが引導をわたせると考えればいいのですよ」

「そうですね、俺様たちの正義の行いのためにも、あいつらには犠牲になってもらう。いけ!」


その言葉とともに、ゴブリンたちが隊列を組んで突撃する。


「くう、あやつらが裏切ったせいで、こうも苦戦するとはな。こっちも隊列を組むぞ」

「は!」


そうして騎士たちも隊列を組む。

槍と盾を構えた騎士たちは、隊列を整えて、そのまま突っ込む。


「ギャギャギャアアアアア」

「突撃」

「うおおおお」


これぞ戦争という音がする。

ゴブリンたちはこん棒を持っているので、騎士の槍の方が、リーチが長い。

最初の一撃で多数のゴブリンを突き刺すが、それでもゴブリンの勢いが止まるということはない。

ひるむことなく突っ込んだゴブリンたちが、幾人かの騎士にこん棒を振りかざす。


「くそ!」

「ギャギャギャ」


そんな声とともに、一人のゴブリンが騎士を一人倒すことで、嬉しそうにはねる。

それによって、倒れていないゴブリンたちがそれを見て活気づく。

ゴブリンたちの士気が上がるのがわかる。


「よし、お前らもいけ」


その言葉とともに、ゴブリンソルジャーらしいモンスターが後ろから出てくる。

その数、ざっと五体はいるだろうか?

それに続いて、さらにはゴブリンウィザードたちが杖を構えている。


「我慢できません、ボクは行きます」

「ダメよ。ここはもう少し我慢するのよ」

「ああ、俺たちはばれていない、これを利用しない手はない。」


実は俺たちはまだゴブリン部隊に突っ込んではいない。

それは森から出るときに存在がばれなかったというのが一番大きい。

だからこそ、戦っている人やモンスターを後目に、俺たちは突っ込むタイミングを計っていた。

というのも、やはり戦うとなれば、確実に倒さないと意味がない。

あと、俺の目的としてもイケメンな騎士どもの顔を一発殴りたいというのもある。

そう思っていたときだった。


「そろそろ、俺様も出ていいですか?」

「ああ、わたしは少しこの場を離れないといけないので、後処理はお願いしますね」

「了解っす。それじゃ後で」


その言葉とともに、聖騎士長の方がこの場所から立ち去るために右手を前に出して、何かを唱える。

黒い穴のようなものが出来上がる。


「くそ、あいつを逃がすな」

「ですが、あれは転移スキルですよ、今からでは間に合いません」

「どうしようもないのか!」


ここだ。


「行くぞ」


ここにいるやつらの注意が完全にそれた。

このタイミングを狙うしかない。

シバルとアイラはうなずくと、飛び出す。

作戦はいたってシンプルだった。

俺がストッキング鈍器を投げる。

そして、アイラがシバルを防御しながら、突っ込むというものだ。

急に飛来した物体があのジークという男に向かって飛んでいく。

完全な不意打ちだったが、それをジークは簡単によける。


「不意打ちを狙ったつもりかな?無駄だよ」

「それはどうかな?」

「どういうことだ?」


ジークはそう言ってくるが、俺はそもそもジークに当たると思って投げていない。

狙っているのはそう…


「ぐは…」


そんな声が黒い穴のほうから聞こえてくる。

そして黒い穴がなくなる。


「な、転移ホールが…」

「ふん、どーだ!」

「ただし、ナイス」

「くそ、お前らは、生きていたのか!わたしの計画を邪魔するとは…仕方ありませんね。わたしの正義を邪魔することは許されるはずがないということを教えよましょう」


それを見ていたジークは剣を抜く。

前に行こうとしていたドーレも俺たちに気づいて、こちらを見てくる。


「なんだ、生きていたのか!ジーク、俺様にやらせてくれ」

「仕方ないですね。わたしも今のままではここを離れられなくなりましたから、相手をしてあげてください」

「おらよー」


そして一目散に、ドーレはこっちに向かってくる。


「まずは、お前からだ、変な恰好のやつ」

「ふ…お前に俺が倒せるかな」

「は!そんな挑発の言葉を言っていられるのは今のうちだけだぞ」

「ただし!」

「大丈夫だ、アイラたちはそこにいる優男の相手を任せた」


そして、俺は森の中に誘い込むように入っていく。

俺はポケットに入っていたものの感触をしっかりと確かめたのだった。


「何を考えているのかは知らないが、周りに仲間がいない状況で、お前は俺様に勝てないということを教えてやるよ」

「ふ、そっちこそ、俺のテリトリーに誘い込まれたとは考えないのか?」

「なに?」


そして俺はその場に立ち止まる。

ドーレも距離を少しあけながらも立ち止まる。


「ようやく逃げ惑うのをやめたのか?」

「はい、ようやく俺も本気を出せますからね」

「は…何を言ってやがる?」

「見ればわかりますよ」


そして、俺はポケットから黒いものを取り出した。

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