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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイが異世界にやってきた

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助けに行こう

「イテテテテ…」

「急に抱き着いてくるから、自業自得ってやつよ」

「いや、あの攻撃を俺が防げると思うか?俺のこれは正当防衛ってやつだ」

「セクハラをしないでできれば満点だったのにな。」

「シバル…それはできないって言っただろ?」

「それをしないのならさっきのは今後も褒めることはできないからな」

「くそ、褒められると思ったのにけなされただと」

「仕方ないな」


そう言いながら、シバルは俺がアイラに殴られた頬を治療してくれた。

ちなみにだが、引っ叩かれたとき、俺はピンボールのように吹っ飛んだ。

ケッペキスキル恐るべしと思ったのは言うまでもない。

ただ、今一応体と首が繋がっているのは、俺の体もヘンタイスキルを発動していたおかげだろう。

じゃないと五体満足でいられなかったんじゃないかと思う。

それくらいには俺の体は勢いよく吹き飛んでいったからだ。


「まあ、なんとかなったことに違いはないからいいとは思うけどな」

「それをいうのは私なんだけど」

「そうかもしれないけどさ、これでも一応俺だってドーレだっけか?あれを頑張って抑えてたんだからそれでいいということにできないか?」

「そうだね、確かに頑張ってたけど…それで、あのとき言ってたことが本当のことなの?」

「というと?」

「部分的記憶喪失っていうやつ」

「それは…確かにそうなんだ。というか、記憶喪失で喋れる時点でそういうものだと思っていたが、違ったのか?」

「そんなことを私たちに聞かれても、記憶喪失になったことがないからね」

「確かにそうだな」


納得していないというのが、ひしひしと伝わってきた。

これは俺が記憶喪失じゃなくて、違う世界から来た住人だということを近い未来に言わないといけないときがくるんだろうな。

そんなことを考えながらも、ようやくというべきか、俺たちは考えないようにしていたことを考える。


「それで、これからどうするんだ?」


俺の質問に、二人は顔を見合わせる。

普通に考えれば、町にいる人たちを助けに行くというのが、当たり前にことだろう。

でも、正直なところ冷たいことを言うと、元々この世界の住人ではない俺にはこの状況も関係ないのだ。

それに、聞いた話だけでいくと、死にに行くだけということなのだ。

ただ、それでも町に向かっていくというのは、特に俺以外は言いにくいようだ。

理由はわかっている、俺がパーティーのリーダーであり、さらにはあの町に一番関わりががいからだ。

だから俺が行くのというのであれば二人も踏ん切りがついていくのではということを…

仕方ない。

俺は口を開く。


「よし、町に行くか」

「いいんですか?」


驚いた二人に、俺はおどけるようにして、肩をすくめていう。


「だって行かないと、依頼の件が解決しないだろ?」

「それはそうかもしれないけど、ただしが行く必要はないでしょ」

「確かにな。でも、もうジルやほかの人にかかわったしな」

「そうですね」

「あと、あの弱い勇者の顔と、できればあの優男の顔を一発殴っておきたいからな」

「確かに、それはあるかもしれませんね」


こうして納得した二人を含めた俺たちは町に向かって進み始めた。

敵は多いだろう。

でも、ここで死ぬわけにもいかない。

俺はポケットの中に納まった布の感触を確かめる。


【それの感触を確かめるってことは被る気なのね】

「(時がくればな)」

【ふふ、すぐに来ることになるわ】

「(どうかな、俺も少しは強くなったからな)」

【普通の人よりかはってところでしょ、そんなのスキルを使うときの半分…ほんの少しくらいの強さしかないってことはあなた自身もわかっているはずよ】

「(言い直すなよ。そうなんだからさ)」


それでも願ってもいいじゃないか…

俺がヘンタイスキルを発動しないという未来があるということを願ってもな。

そんなことを思いながらも、町に近づいてくる。

音…

いや、声か!

唯一の救いは、聞こえてくる声が悲鳴ではないというところだろう。

そんなことを思いながらも、俺たちは森を出た

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