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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイと勇者たち

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156話

「まずは預けた場所に行くしかないな」

「そうですね」

「おい、わらわはそろそろ疲れたのじゃ」

「そういうことを言われてもな、馬車がないと一生歩くことになるぞ」

「なんなのじゃ、おぬしはわらわをおんぶするとか、年上を敬う気はないのか?」

「あるわけないだろ、そんな減らず口をたたくくらいなら、さっさと行くしかないぞ」

「なんなのじゃ、わららに対してもう少し優しさというものを持つべきだとは思わないのか?」

「いや、全然」

「なんじゃ、いざとなったらわらわを頼りにしているって言っておったじゃないのか?」

「いざとなればな…魔力もほとんど回復していないやつにできることはちょっと空飛ぶくらいだろ?」

「そうじゃ、そうじゃけど、もう少し言い方というものを考えることができないのかじゃ」

「無理だな」


俺とヤミはそんな軽口をたたきながらも、三人で馬車がある近くまでこれた。

ただ、予想通りではあった。


「やっぱりこうだよな」

「見張りがいますね」

「なんじゃ、あれくらいの人数パパっとやってしまえばよいのじゃないのか?」

「あのな、それができないからな」

「どうしてじゃ?」

「それは、ボクたちが馬車に置いていた持ち物についても回収しないといけないということですよね」

「そうなんだよな。必要なものがたくさんあるからな」


そう…

俺の武器になる、下着とか下着とか、ブラジャーとかね!


「おぬし、絶対よからなぬことを考えておるじゃろ」

「そんなことないぞ」

「そうなのか?それじゃあ、わらわにおぬしが必要だと思ったものを言ってみればよいのじゃ」

「いや、それはな。女性がいるし、さすがに大っぴらにじゃ言えないことっていうかな」

「なんで荷物を取りに行くという話しだけで、女性には言えないことになるのじゃ?」

「く…それはな。俺のスキルがヘンタイだからだろ」

「おぬし、もうヘンタイスキルを言い訳にしか使わないのじゃな」

「そんなことはない。俺は本当に仕方なくやっているだけだ」

「ふーむ、ほれ、あっちで女性のスカートが…」

「まじで!」

「おぬし、最後まで言わせるのじゃ…というか、わかっておるなら、もうむっつりというべきか、そういうキャラでいきたいのか、正直者でいたいのかすらも怪しいと思ってしまうのじゃ」


く…

この年増幼女、なかなか俺というヘンタイの扱いを慣れていやがる。

最初のうちは、かなりやばいと思っていたのに、今では俺の方がヤバいやつじゃないか。

俺はただ、仕方なくヘンタイになるための努力をしているのにな。


「また何かバカなことを考えていたじゃろ」

「いや、ちょっとだけな。それよりも、そろそろどうするのかを話し合わないとな」

「なんじゃ、おぬしならそういうことを簡単に思いつくのじゃないのかの?」

「いや、俺の考えることは敵を倒すことの有効打ばかりで、ああいう細々したことは苦手なんだよな」

「なんじゃ?それではダメではないのか?」

「大丈夫だ。俺がダメなら、シバルがいい案を出してくれるからな」

「え、ボクですか?」

「ああ。だから観察しているときに、あの集団を目で追っていたのだろ?」

「そうですが…」


そう、一応ヤミと変なことを話してはいたが、それとは別にシバルのことも少しは見ていた。

そこでシバルが見ていたのが、ある集団だった。

その集団は他の警備している人たちとは違いずっと動いている。

いや、言い方が悪いのだけれど、あれだ、歩き回っている。

怪しさがかなり出ているメンバーという感じだ。

あんなに動いていれば怪しいと言っているようなものだけれど、シバルの確信を持った目を見ていると、何か俺が気づかなかった何かがあったのだろう。


「実は、ああやって回るのには理由があるのです」

「そうなのか?」

「はい。ボクたちも騎士として守るものがあるときはどっしりと構えるものと、それ以外に巡回するものがいます」

「ああ、それはなんとなくわかるけどな」

「それをすることによって警備の質を高めることができるのですが、実は巡回している方が、当たり前なのかはしれませんが能力が高い。強い人たちになるのです」

「ほうほう、なんとなく重要なものを守っている人の方が強いイメージがあったがな」

「それでは、多数の場所から攻められれば意味をなくしませんか?」

「たしかに、それはあるな」

「はい、だから強い方たちは巡回をするのですが、あれを見てください」


そう言って、シバルの指さす方向を見ると、巡回している人たちはある一部の止まっている人に向かって何か目配せをしているように見える。


「なるほどな」

「わかりますか?」

「ああ…あれだろ、うまく隠そうとランダムに目配せをしているように見えて、何度も見ているもんな」

「はい!そうなんですよ。あれをしているということは、あの中に何か重要なものがあると考えるのが普通ですね」

「そういうことだな。だったらやるか」

「はい。それをやる作戦ですが、一番いいのは見つからないというものですが…」

「見つからないっていうのは、さすがに無理だよな」

「そうですよね」

「だったら一つだけは面白いというか、あれはあるな」

「どういうものですか?」


そこで俺はいつものあれを使った作戦を伝える。

すぐにそれを話すと、シバルはうなずいているが、ヤミはというと…


「なんじゃ、その古典的な内容の作戦は…」

「いや、普通の作戦だと思うぞ」

「そういうものなんじゃな」

「ああ、それにやってみないとわからないだろ?」

「確かに、そうじゃな」


そして、俺はいつものようにその辺に落ちている小石を手にとった。

さあ、やるか!

俺はそれをある位置に投げることによって戦闘が開始した。


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