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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイの敗北?

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115話

さすがに怒っているダークエルフに声をかけるということはできず。俺はピエロに質問する。


「よくわからないが、どういうことなんだこれ?」

「あー、わたくしめたちはゲートを破壊、もしくはもらうために来ましたので…」

「ゲートの回収ということか?」

「はい、わたくしめたちに必要なものでございますから」

「いや、確かにゲートが自分で使えるなら、俺もほしいがな…でも、どうやって回収するんだ?俺たちは、どうすることもできないんだぞ」

「そうですねえ。それについては、こちらの特異なエルフ様に聞いていただきましょうかねえ」

「だそうだぞ」

「ああ?」


どうやら、回収するためには、このダークエルフの力が必要らしい。

まあ、そこまで言われたら、ある程度の察しはつくが…

俺は思いついたことを口にする。


「ということは、ゲートを毎回使っていたのって、このダークエルフの人だったんだな」

「ふむ、やはりすぐにわかりますよねえ」

「まあ、さっきの会話だけでもヒントはたくさんあったしな。それに、ゲートを回収するなら同じようなものを作り出せる人じゃないといけない気がするからな。さっきのやつも似ていたよな」

「さすがですねえ」


俺の意見を聞いたピエロはそう言いながらも、手をゆっくり叩きながら嬉しそうに笑っている。

まあ、見た目のせいで本当に笑っているかがわかるかといえば微妙ではあるが…

そんなピエロとは違い、ダークエルフの女性は驚いたように俺のことを見ていた。


「なんで、わかるんだよ」

「ふ…長年の勘だ」

「いや、胸を見て残念がるやつに、そんなことを言われても信用できねえんだよ」

「ふ…そんな嬉しいことを言われるとはな」

「完全にバカにしてるんだけど、わかんないのかな?」

「何を言ってるんだ?男の謎にある特殊スキルは誇ってもいいことだと言われているからな」

「意味のわからないことで誇るのは、かなり恥ずかしいことだということに、いい加減に気づけよ」

「そんなバカな!」


俺はそう言いながら、地面に崩れ落ちるように膝をつく。

ちなみに間に、ダークエルフの女性をチラチラと見るのは当たり前のことだ。

それに対して、ダークエルフの女性はわなわなと震えているようだ。


「お前、絶対あたいのことバカにしているだろ」

「そんなことはない。なかなかいいメンバーがそちらにもいるなって思ってな」

「それがバカにしているって言っているのがわからないのか?」

「ふっ…わからないな」

「お前絶対にぶっ飛ばすからな」

「おー、ゲートの体験ができるってことだな。助かる」

「くう、何を言っても無駄だってことがよくわかった」


そう言葉にしながらも、プンプンとしている女性には悪いが…


「なあ、このゲートって、中に入るとどうなるんだ?」

「おお、それを行う気ですか?」

「いや、どうなるのかが気になっただけだ」

「そうですねえ、どうなるのかというのは正直なところわからないのですねえ」

「どういうことだ?」

「誰も入ろうと思わないからということですねえ」


そこで、俺は疑問に思った。

ラグナロクは、この世界を滅ぼすだったか…

そんなことを目標にしているのだったら、このゲートの中からはモンスターが定期的に出てきている。

だからゲートの中にはモンスターが大量にいる可能性が高い。

それをどうにかして自分のものにできることができれば、最強の軍隊を作るということもできるだろう。

そんな最強スキルがあるのかはわからないが…

結局のところ、モンスターを使役できるスキルがなければ死地に飛び込むようなものなので、誰もやらないのだろう。


「こういうものって、このゲートから先が見えたりはしないのか?」

「というのは?」

「いや、ゲートの先が見えたら、ある程度安全なのかわかるだろ?」


俺が何気なく口にした言葉にピエロと女性は驚く。


「さすがですねえ、わたくしめたちが考えなかったことをさらっと考えられる慧眼は…」

「本当になんなのお前…この胡散臭いピエロが褒めるやつだから、どうなのかと思ったけど、あたいが考えもしなかったことをさらっと考えてしまうなんて、何者なのよ」

「そうですねえ、わたくしめも気になってしまいますねえ」

「一般人に決まっているだろ」


そこまで言ったところで、ヤミに頭をはたかれる。


「急に誰と話をしておるのじゃ、説明をせい」

「おお、そうだったな。ヤミは初めてだったな」

「俺たちの敵になっているラグナロクの皆さんだな」

「なんじゃと…」

「まあ、悪い奴じゃないぜ」

「確かにの、攻撃してこんものな」

「そういう問題ではないと思いますけどね」


ヤミが納得したところで、シバルが会話に入ってくる。

その中でバーバルはというと…


「ちょっと、あなたがた、いい加減になんとかするのかしないのかを決めないとまとめて焼くわよ」


そう言葉にしながら、風の魔法で会話中にもでてきたウルフを細切れにしていた。

今更ながらに、まだゲートをどうにかしないで放置していたことをこのとき思い出した。


「とりあえず、ゲートをなんとかするんだろ、頼むな」

「そうでしたねえ、頼めますか?」

「見られながらするのは、癪だが…仕方ねえな」


そう言葉にすると、ダークエルフの女性は手を前にする。


「閉じよ」


その言葉により、隣にあったピエロたちが出てきたゲートがなくなる。

次に、手の平を広げる。

それによって、ゲートの周りに黒い円が出来上がる。


「黒き力よ、そのゲートを閉じよ」


その口にしながら、手を閉じる。

それによって、黒い円が小さくなり、ゲートをのみこんで消えた。

これが、ゲートを消すってことか…

俺は感心しながら、それを見ていたが、終わると同時に女性が倒れる。


「ふむ、やはりこうなりますかねえ」


ピエロがそう口にしながら、ダークエルフの女性を支える。

俺はそれをみながら言う。


「森から出るか」

「よいのですか?」

「ああ、こういうときは手伝う。なんとなくな」


どっちにしても、森からでないといけない俺たちは、行動をともにするのだった。


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