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ネズッチ視点~惚れてまうやろー!~

シンデレラの座右の銘は『転んでもタダでは起きない』ことらしい。

義母に屋敷の外へ行くことを禁じられた時も、それならばと交渉し、16歳まで使用人として働けば、17歳からは外で働いて良いと約束を取り付けたとの話だ。

またある日、屋根裏部屋に紅茶の匂いが充満していたので聞いてみたら、義姉に「紅茶が不味い」と言われて頭から紅茶をかけられたという。そしてその汚れてしまったブラウスの染みが取れなかったので、いっその事ブラウス全体を紅茶染めしようと漬け込んでいるとの事だった。紅茶染めのブラウスにはネズミの刺繍もする予定だという。


「義母や義姉達にイジメられて、辛くないのか?」


俺の問いかけにシンデレラは、綺麗なスカイブルーの瞳で俺を見つめて、真摯に答えてくれた。


「はじめは辛くて泣いてばかりでした。でも、悲劇のヒロインぶっていても、何も変わらないと気づいたのです。相手が変えられないなら、私が変わればいいのだと気づいたのです」


「自分が変わる·····どう変わったんだ?」


「どんな事でも、自分の糧にできるように変わりました。例えば、紅茶の入れ方です。義母や義姉の好みを完璧に再現できれば文句を言われないのです。彼女達のおかげで紅茶の入れ方はとても上手になったと自負しています」


「すげぇな、シンデレラを尊敬するよ」


「まぁ、先日はボーッとしていて、紅茶の入れ方を失敗してしまいまして、頭から紅茶をかけられてしまいましたけど·····これも仕事中はボーッとしないという教訓にします」


そう言って微笑むシンデレラに見とれてしまった。

俺はシンデレラと同じ年だが、もし俺が同じ状況になったとしても、彼女のように前向きに行動できるとは思えない。

俺はシンデレラと会う回数が増えるにつれ、彼女に惹かれていった。

シンデレラを惚れさせるために会いに来てるのに、彼女の芯の強さ、優しさ、可愛さに触れる度に『惚れてまうやろー!』と俺は内心で悶え叫んだ。

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