プロローグ~1日目
『なんじゃ~~、こりゃ~~~』
私、相原千里は今、大変困っています。
今日、仕事帰りにコンビニにより、帰宅後、夕食をとり、風呂に入って、寝たはずですが。
『ここはいったい、どこでしょうか』
いつの間にか、よくわからない場所にいます。
「あの~、何かお困りでしょうか?」
(ん? イケメンがいますね? なるほど、夢ですね)
『いえ、何でもないです』
「そうですか、何かお困りなら私はあそこらへんに住んでいますので訪ねてくださいね」
『ありがとうございます』
男の人は去りました。
『さて、とりあえず、寝たら夢も終わるかな』
楽観的に考えながら、どこか寝れる場所を探して歩き回ったのですが、、、
『・・・・寝れる場所がない』
『ん~~~。しょうがない。あのイケメンに図々しいけど寝床を借りよう。どうせ、寝たら覚めるはず』
と思い、教えてもらった場所を探しに行きますが、
(大きい家しかないな~、んんっ!?、いたよ。大きい家に。流石に入れないし、野宿するかな)
私は、外に向かって歩き始めました。
歩いて、1時間後・・・・
(街、広かったな~。ようやく外だわ。ん~、あの木あたりに行ってみるか)
『ここなら、寝れるかな』
と悩んでいたら。
トントンと肩をたたかれます。
(ん~。何か集めないと痛いかな)
トントントンと肩をたたかれています。
(木の葉でいいかな)
トントントントンと肩をたたかれ・・・
『うるさい。誰?』と振り向いたら
「また、会いましたね。こんなところで何を?」
と先程のイケメ・・・男の人が立っていました。
(なんか、コワイな~。ニコニコしているけどなぜか震えが・・・)
『いえ、寝床を探していまして、ちょうどよく、ここに快適な場所が・・・!?』
「なるほど、でも女性の野宿は危ないですよ。わが家へどうぞ」
と首ねっこをつかまれ、引きずられていきます。
(ちょっ。やめて。誰か助けて)
心の悲痛な叫びを上げていますが、誰もかれもがニコニコしながら、
目線を合わせてくれません。
(ちょっ。そこの兵士さん、助けて~)
目線があった者もいましたが、一瞬にして目を背けられて、およそ1時間・・・
いまは、肩に背負われながら、ながら屠殺場に行く家畜の気持ち・・・。
「ここが、我が家です。さぁ。行きましょうね」
おろしてくれるはずもなく、そのまま、豪邸に入らされました。
『あの~、おろしてもらえませんか?』
「ん~、おお!、セバス!」
「何か御用でしょうか。ご主人様。」
「あぁ、この娘を湯あみさせて、ドレスを着せて我が部屋に連れてきてほしい」
「了解いたしました。」
『ちょっと!? セバスさんとやら、助けてもらえませんか?』
「主の命令です。おとなしくしていてくださいね?」
コワイコワイコワイコワイコワイ、イケメン強面執事に連れられて、
途中、メイドに風呂に入れられ、ドレスを着せられました。(途中の逃亡むなしく・・・悲)
「ご主人様、お嬢様をお連れしました。」
なぜか、肩に背負われ(逃亡防止)、あの、イケメンのもとに・・・
「あぁ。ありがとう。ちょっとこの娘と話すから下がってくれ」
「了解しました」
イケメン強面執事は去っていきます。助けて~。
「さて、困りごとがあったら訪ねてきてほしいといったはずだけど、どうして訪ねてこない?」
『いや~。寝床がないことに気づいて探したのですが、流石に豪邸に図々しく入っていけなくて・・・』
ひやあせ。だらだら~
「なるほどね。隣の部屋、つかっていいから。今日はこの家で寝なさい」
『いえいえ~、流石にそこまでは~』
ひやあせ。だらだらだら~
「寝なさい」
殺気!? コワイコワイコワ・・・。
『・・・・・・あい』
「さて、もうひとつ聞きたいことがある」
『なんでしょうか?』
「君、なんで寝床がないの?いや、それよりもいつこの街に来たの?」
冷や汗。ふたたび。
『いえ、寝たらわかるので今はノーコメントで・・・』
「ふ~ん。起きたら教えてくれるよね」
『・・・・・・・』
「教えてくれるよね」
笑顔がこわいな~。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗)』
「教えろ」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あい』
「じゃあ、この話は一旦止めて、ゆっくりお休み」
『あい、おやすみなさい』
「おやすみ」
イケメンにニッコリ笑顔で見送られながら、私は隣の部屋に行きました。
(ちょっと、あのイケメン、怖過ぎ、明日になったら夢から覚めるはず、覚めるよね・・・覚めて(涙))