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「おっ、惑星をつぐ者じゃん」

たいていの古本屋はレーベルごと作者順に並べられている。

冨樫義博と鳥山明の間に置かれるジャンプコミックスは数えるほどしかない。

惑星をつぐ者の裏を見るとシールの色はやはり青。

棚に並べられたばかりだ。じゃなきゃこんなレアな本残ってるはずがない。

ついでに後ろに書いてある発行年数を確認。

「1995年発行か」

ジャンプコミックスの惑星をつぐ者は1995年と2003年に発行された事がある。

初版にこだわる人は漫画界では多いが、この本に関してこだわる人は少ないのでそんなに気にする事でもないか。

惑星をつぐ者なら800円から2000円で取引される。儲けもんだ。

本には付加価値が付けられた物がある。

そのような本を巡って取引する連中はここら一帯にも数多く存在する。

今、惑星をつぐ者をレジにて精算してる彼、芥橋幸太郎もそうである。

幸太郎のような人たちは他人と手を組んで取引に使える本を集めている。

この古本チェーン店の周りにも幸太郎の他6グループほどが存在している。

惑星をつぐ者のような上物を他のグループを出し抜いて入手できた・・・!

これはグループ内でも評価が上がる!

そうウキウキして、ふと隣のレジをみやると・・・・

「あっ・・・!!!」

袋に入れられる一瞬しか見えなかったが、アレは間違いない。

K1ダイナマイトの7巻と8巻だ・・・!

惑星をつぐ者よりも入手難易度が高く、高額で取引される本だ。

そして、その本を購入した奴は・・・・

「よォ・・・」

幸太郎のグループとは別の組織に属する男、梶土稔。年齢28歳。幸太郎と同い年。

稔は幸太郎の本を見て勝ち誇ったような表情をする。

「そんな本に満足したのか。入り口から近いからってジャンプコミックスコーナーにすぐ行っては駄目だ」

この店に入ってすぐ右に行くと少年誌の108円コーナーが有る。

「確かに少年誌コミックは売れる物が多い。しかし俺は児童誌のコミックを狙った。100円少年誌のブロックよりもひとつ奥のな!」

勝利の余韻に浸りながら稔は店を後にした。

やられた・・・・K1ダイナマイト7と8は10000円前後はいく。平日の昼間だからって油断してしまった・・・!

しかし、幸太郎が知る由も無い所で彼は稔に勝っていた。

稔が家に帰ってK1ダイナマイトの単行本を開いてみると・・・・!

「な・・・・なんだこりゃあ!!!カバーはK1ダイナマイトだが・・・中身はスーパービーダマンじゃねえか!」

児童書にありがちなトラップ。カバーのつけ間違い。中身とカバーが別物・・・・!

幸太郎のように中身を確認していれば、こんな事にならなかったはずである。

しかし、稔はK1ダイナマイトを見つけた嬉しさでいっぱいで確認を怠った。

そこに隙が生まれたのだ。

「くっそぉぉぉおお、スーパービーダマンの5巻と6巻とか大した価値ねえじゃねえか!」

稔には良い教訓になっただろう。

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