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プロローグ
ごうごうとむらがやけているのがみえる
きょうはまつりなんてやっていないし、むらのひとのさけびがきこえる
いそがなきゃいけない、おかあさんをさがさないといけない
ねつとけむりでくらくらする
「……レイ……………ア…………」
おかあさんのこえ、おかあさんはどこだ
みつけた
でもおかあさんいえにはさまれてる
でもたすけなきゃ
「レイア………逃げ……て……」
いやだ、おかあさんもいなくならないで
「お願い………レイア………」
てをとってよ、にげようよおかあさん
あついのも、くさいのもいやだ
おかあさんがいないのはもっといやだ
だからおかあさん
「まだ生き残りがいたのか」
きいたことないこえ、しろいひとがいる
なにかちがうなにかが
このひとはおこっている、にげなきゃいけないんだ
「キミに罪はないけど、ここで死んでもらうよ」
けんをもってる、しぬ?にげなきゃ、しぬ?
おかあさんもしぬ?いやだ、いやだいやだいやだいやだい──────