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兄が好きな妹なんてラブコメ展開はありえない。  作者: 詩和翔太
3章 ヤンデレ妹の兄は先輩の彼氏を演じるようです。
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勘違い

 あかりは勘違いしていて、本当は瑠璃とは付き合っていない、という夜の打ち明けた到底信じることの出来ない新事実に。


「……え? ど、どういうこと?」


 あかりは傍からでも一目でわかるほど戸惑っていた。慌てふためいていた。狼狽えていた。


 二人は付き合っていない? 否、そんなわけがない。


 何度も何度も聞いたのだ。心が苦しくなっても、叫びたくなっても泣きたくなっても。


 夜は自分のことを瑠璃の彼氏だと言っていた。それは、紛れもない真実だ。


 だというのに、二人は付き合っていないのだという。そんなの、おかしいではないか。


 つまり、付き合っていないという夜の言葉は。


「ねぇ、おにいちゃん。どうして嘘吐くの?」


 嘘としか思えない。


 夜が自分に嘘を吐くなんて信じたくない。けど、そうとしか思えないのだ。


「嘘じゃないって。盗聴して録音までしてたんなら聞いてるはずだろ?」

「うん、聞いてたよ。部長がおにいちゃんに告白したのも、おにいちゃんが部長の彼氏って言ったのも」


 そう、聞いていたのだ。


 瑠璃が夜に告白しているところも。夜が瑠璃の彼氏だと言ったところも。あかりは聞いていた。


「その告白された後の会話だよ。録音してあるんじゃないのか?」

「録音したのはおにいちゃんが部長のお父さんと電話してるところからで、告白の後は……」


 そこでふと気づく。


 そういえば、告白された後の会話を聞いていないのでは? と。


 正確には聞いていた。聞いてはいたのだが、瑠璃が夜に告白したという事実に頭が真っ白になり、どんな会話を交わしたのかはわからないのだ。


 だから、夜の告白の返事が“Yes”なのか“No”なのかはわからなかった。


 しかし、夜が自ら彼氏と言ったことで二人は付き合ったのだと、返事は“Yes”だったのだと、そう思ったのだが……。


「だからか……」


 未だにわけがわからないといった様子のあかりを横目に、夜は一人納得したようにため息を吐いた。


「どういうことなの? おにいちゃん」

「話聞いてたんだったら瑠璃先輩の抱えてる事情も知ってるんだろ?」

「結婚させられるって。それで、おにいちゃんに告白を……」

「勘違いしてるのはそこなんだよ。俺は瑠璃先輩に告白されたんじゃなくて彼氏役を頼まれたんだって」

「彼氏役……?」


 彼氏役? と小首を傾げるあかり。だって、そんな単語聞いてないし。


「ほんとに? 誤魔化そうとしてない?」


 未だに疑っているあかり。一度芽生えた疑惑なんてそんな簡単に消えるわけがないからそれも仕方ないだろう。色恋沙汰となればなおさらだ。


 夜は瑠璃に告白された後、どんな会話を交わしたのか搔い摘んで説明することにした。


久し振りです、詩和でございます。お読みいただきありがとうございます。

さて、今回は瑠璃の父母どちらも出てきましたが、いかがでしたでしょう。平藏は何か知らんけどムカつくキャラに、真璃は謎多き人物というように印象付けられたらこれ幸いです。

次回には、きっと見合い相手が出てきます。こちらも、かなりウザイキャラに書いていく予定ですのでお楽しみください。夜に殴らせてみようかな……。

さて、今日はエイプリルフールということで番外編も書いてありますのでこの辺で。

感想・意見・批判・誤字脱字報告コメお待ちしております。

それでは次回お会いしましょう。ではまた。


※2020/10/26にちょっと改稿しました。

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