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兄が好きな妹なんてラブコメ展開はありえない。  作者: 詩和翔太
1章 ヤンデレ妹は兄を追いかけて入学して来たようです。
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夜の憂鬱

 桜がひらひらと舞い落ちる並木道。


 新しい生活に、新しい環境に不安を覚えつつも希望を抱く新入生。


 そんな輝かしく、それでいて尊い光景が、賑やかな喧噪が響く校舎内。


 生徒皆が皆浮足立っているし、教室も騒々しいことこの上ないが、それを咎める人など誰もいない。 


 今日は新たな門出を祝う入学式である。おめでたい一日である。故に、そんな無粋な真似をする人は誰もいないのだ。


 しかし、そんなおめでたい日なのにもかかわらず、机に顔を突っ伏して見るからに元気がない少年がここに一人。


「……どうしたらいいんだ、俺は……」


 ここ最近だけで十回以上はしているというのに「まだだ、まだ足りんよ」と言わんばかりに出てくるため息を吐きながら、夜はぼそりと呟いた。


 ちらっと教室中を見回してみれば、きゃっきゃうふふと和気あいあいなご様子。その中には、というか教室内にいる全員が見知った顔である。


 しかし、それもそのはず。夜達の通う高校――柳ヶ丘高校は良くか悪くか、クラス替えというものがない。


 つまり、一年生から三年生まで、クラスのメンバーが変わることはないというわけだ。


 そのことに不満を持つ生徒や挙句の果てには抗議する生徒までいたのだとか。


 だが、仲がいい友人と離れずに済むからだとか、自己紹介の自己PRを考えるのが面倒だからとか、行事やイベントごとのメンバー決めがスムーズに決まるからなどの理由でおおむね好評らしい。 


 まさか、夜のため息の理由はクラス替えがなくてガッカリしたから……なんてことはない。


 正直なことを言ってしまえばクラス替えがあろうとなかろうと夜にとってはどうでもいいことなのである。一喜一憂する一大イベントというわけでもないのだ。


 では、いったい何だというのか。


 ストレスの原因は多岐にわたるが、多くの場合はストレスや心配事、悩み事を抱えている時だという。


 となれば、考えられる理由なんて一つしかないだろう。


 あかりのことである。


 別に、あかりのことが嫌いだから憂鬱だなんてわけではなく。


 その逆で、好きだからこそ二人屋根の下だなんて我慢できないなんてことでもない。というか、我慢できないってなんだよ妹に手を出すとか二次元だけだろリアルで見たことねぇぞ探したらあるかもだけど。


 ただ単純に、純粋に、あかりが不安の種なのである。


 何を隠そう、あかりは重度なブラコンである。それはもう、超が何個付けばいいのかわからないほどの。


 しかも、それに加えてヤンデレまでセットで付いているのだ。こんなにも嬉しくないハッピーセットは後にも先にもないだろう。ないと信じたい。


 そんなあかりのブラコンとヤンデレを少しでも矯正するために、言うなれば兄離れをさせるために、母親である夜月あおいと父親である夜月浩星、そして夜の三人で考えた。


 その結果が実家からは少し離れた高校へと入学し、一人暮らしを始めることだった。


 だからこそ、夜は知り合いが理事長を務めている柳ヶ丘高校に入学を決め、一人暮らしをすることになったのだ。……なんだろう、少しとある名探偵の冒頭の一文に似てる気がする。


 それから一年が経過し、二年生に進級するといったタイミングでのあかりの登場である。


 一年も経ったのだ。少しくらいはあかりも兄離れをしただろう……とそう思っていた時期がありました。


 さて、成果はあったのか。


「……跡見えてないよな?」


 それは、首元に残るわずかな痣がすべてを物語っている。


 兄離れなんてしていない。むしろ、悪化している! 彼女の存在を疑って問い詰めるために首を絞めるって普通じゃない!


 どうして、どうしてこんなことになってしまったのか。


 それは、一週間ほど前、あかりと一年ぶりに再会を果たした日のこと……――

ども、詩和です。しわじゃなくうたわです。

さて、昨日の短いプロローグ同様短くなっておりますが……、すみません。

そのかわりになるかはわかりませんが一日ごとに投稿しますので……。

さて、今回はいかがだったでしょう?

なんで俺の書く妹はヤンデレなのでしょうか……。好きだからなんでしょうかね?

まぁそんなことはいいんです。

明日はにどきみを投稿しますので楽しみにしていてください。

誤字脱字等ありましたらコメントにて教えていただけるとこれ幸いです。

それではまた。

【そろそろ書くことがなくなってきてしまった……】



※2023/01/29に改稿しました。

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