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兄が好きな妹なんてラブコメ展開はありえない。  作者: 詩和翔太
5章 ヤンデレ妹たちはひと夏の思い出を作るそうです。
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娘の困った趣味

 梨花が寝込んでしまった“G大量発生事件”が幕を閉じてから数日後のこと。瑠璃はというと、カーテンを閉め切った薄暗い部屋の中でパソコンの画面を見つめながらそれはもうニヤニヤしていた。一体、何をしているのか。


 イヤホンから女の子の喘ぎ声が漏れていて、パソコンの画面ではイチャイチャしている男女が映っていると言えばお察し出来るだろう。そう、瑠璃は白昼堂々大音量でエロゲをしていたのだ。女の子としてどうかと思うが、まぁ、趣味は人それぞれだろうし、気にするほどのことじゃないだろう、うん。


「え、えへへ……」


 それはもう、ニヤニヤしながらだらしない顔をして……。もはや、女の子が浮かべていい表情なのかさえ疑わしい。見せられないよの看板を持った彼が来てもおかしくはないだろう。というか来てほしい。来てください、お願いします。


 そうして、画面の中で女の子が……というところで、それを邪魔するかのようにインターホンが鳴り響いた。


「むぅ……、今いいとこだったのに……」


 瑠璃は鬱陶しいほど鳴るインターホンに悪態を吐きながらドアを開けた。そこには……、


「久し振りね、瑠璃」

「急に悪いな」


 瑠璃の母親である真璃と父親である平藏だった。あの結婚騒動以来会っていなかったので、久し振りの再開である。


 二人の顔を見て、瑠璃は顔を引き攣らせた。いきなり両親が来て驚いたというのもあるが、今の瑠璃の姿は色々とマズイ状況なのである。流石に、下着姿なんてことはないが、言ってしまえばネグリジェ姿である。あまり、外に出ていい姿ではないし、そもそも人に見せることすら躊躇われる姿である。それなら、どうしてそんな姿で外に出た? と言われるだろうが、答えてやろう! 忘れていたからだ!


「お母さん? お父さん? どうしてここに……?」

「瑠璃、とりあえず着替えてきたら?」

「っ~~~~! い、言われなくてもぉ!」


 瑠璃は顔をかあぁっと赤らめ、家の中へと逃げ帰った。家族に恥ずかしい姿を見られたことが相当恥ずかしかったのだろう。


「……あなた?」

「はっ!? す、すまん、瑠璃が成長しているんだと思ったらな……」

「娘のネグリジェ姿を見て成長したんだなと思わないでください……」

「あ、あぁ、すまん……」


 真璃は少し涙ぐんでいる平藏を冷めた目で見つつ、二人は瑠璃の後を追うように中へと入って行った。


 瑠璃が着替えている間、平藏と真璃は初めて入った娘の部屋の中を散策していた。部屋の中に飾られてある数多のフィギュアに興味津々のようだ。まぁ、ちょっとあれな姿の女の子のフィギュアもあるが、二人は気付かないフリをした。


 そうして、フィギュアなど飾られているものを見て回っていると、平藏はとあるものを蹴飛ばしてしまった。平藏はその蹴飛ばしてしまった()を拾い、その箱に書かれている()を見て唖然とした。


「お、お待たせ……。それで、どうしてここに来たの?」


 着替え終わった瑠璃がここんとこ徹夜でゲーム(エロゲ)をしていたためにボサボサになっている髪を櫛で梳きながら疑問を述べた。しかし、平藏が持っている箱を見て、瑠璃は顔を青褪めさせた。というか、青を通り越して真っ白である。まるで、燃え尽きた誰かさんのように、それはもう真っ白である。


 平藏が持っていた箱、それは……、


「おい、瑠璃……。この……、じ、女性の裸体が描かれた箱は、その……なんだ?」


 瑠璃のコレクション――エロゲの空箱だった。


 部屋の中を静寂(絶対零度)が満たす。瑠璃の顔が引き攣りに引き攣ってピクピクと痙攣し始めている! 平藏の目が鷹のように鋭く、冷え切っている! 真璃はあらあらうふふしている!


「えっと、それは……、その……」


 瑠璃はバツが悪そうな表情になる。はぐらかそうにも、平藏の眼差しがそれを許さない。


 今、平藏が持っている箱が実はエロゲで、他にも色々たくさん持っている。その上、ついさっきまでやっていたなんて言えるわけもなく……。


だが、ここで逃げ出したところで後に追及されるだけだし、それならこのまますべてを打ち明けてもいいのではないか? とも思う。例え! 平藏の目が鋭くもはや人殺してるよね!? と言いたくなるように冷え切っていたとしても! 逃げずに戦えば(話せば)何とかなるはずである! しかし、瑠璃は……、


「逃げちゃダメ? そんなの知らない!」


 紫色を基調とした汎用人型決戦兵器に搭乗し戦った彼の決意を知らない! と一蹴し、瑠璃は部屋を飛び出した。平藏が瑠璃を追いかけようとドアに手をかけると、驚いたことに瑠璃が戻ってきたため、額をドアに打ち付けてしまった。なんとタイミングの悪いことか……。


 瑠璃は自分の部屋へ入り、一つの箱を手に持つと再び部屋を出ていった。どうやら、エロゲを取りに帰ってきたらしい。何というか……、実に瑠璃らしい……のか?


「……あなた、いつまでそうしているの?」

「っ~、瑠璃は? 瑠璃は何処に行ったんだ?」

「さぁ、何処に行ったのでしょうね?」


 あらあらうふふする真璃に対し、平藏は大分お怒りのようだった。別に、卑猥な箱(エロゲ)はいいのだ。いや、よくはないのだが、この際それは放っておく。平藏が瑠璃に怒っているのは、逃げ出したことについてだ。


 まぁ、人それぞれ趣味もあるだろうし、それを咎めるのは少しおかしいだろう。だから、エロゲについて追及するようなことは……しない、うん、しない。


 だが、何も言わずに逃亡を選んだことが平藏は許せなかったのだ。ほんと、咎める気はなかったのに……、なかった……のに?


「はぁ、まったく、瑠璃は……」

「まぁ、いいじゃない。瑠璃が趣味を持っていたことがわかって」

「その趣味の内容があれなんだが……?」

「い、いいじゃない……、うん……」


 二人は(瑠璃)の困った趣味に、渇いた笑みを浮かべるしかなかった……。


ども、詩和です。お読みいただきありがとうございます。

さて、今回はいかがでしたでしょう。楽しんでいただけましたでしょうか?

シ〇ジ君のあのセリフは、使い方間違っていますが、あまり気にしないでいただけると助かります。

して、あの卑猥な表現ですが、詳しく追及しないでください。あれは俺〇とかで得た知識ですので……。

今回、ネグリジュじゃなくてネグリジェなんだと初めて知りました……。

それと、この場で謝罪をさせてください。先日の「リカフォーマーズ」ですが、大変申し訳ありませんでした! あれ不憫どころじゃないですね、本当、梨花には申し訳ないことをしました。そして、不快にさせた読者の方々にも謝罪を。すみませんでした。

お詫びになるかはわかりませんが、何処かの章では梨花主体でやって行こうと思います。

一章があかりと夏希、二章が夏希、三章が瑠璃、四章が玲奈、と来たので、五章は梨花です、と言いたいとこですが、夏休みなものですから……。あかり……はいつか主体でやりましょう。

謝罪はこの辺にしましょう。いや、したらダメな気もしますが、この辺にします、させてください。

今回から瑠璃編です。やっぱり、梨花が短過ぎた……。これは本当謝罪します。

少々長めになるかもしれませんが、SaM編よりは短いはずです。お付き合いいただけるとありがたいです。

さて、今回はこの辺で。

それでは次回お会いしましょう。ではまた。


追記

知り合いに指摘されて気付いたのですが、五章のSaM編と番外編のSaMと宿泊研修の一部で書いたナイトとアリスの描写がすべてバラバラですw これは完璧私のミスです。本当に申し訳ございません。

宿泊研修の時は何故か細剣使いになってます。これは完璧キ〇トとア〇ナをモチーフにしてますね、すみません。

番外編の時は右に杖、左に短剣とかいう何その戦い方とツッコミたいものとなっています。

正しくは五章のアリスですので、皆様申し訳ありませんでした。

因みに、改稿は順を追ってやっていくので、正しく直るまで時間が掛かりますが、ご了承のほどお願いいたします。

紛らわしいことをしたことを謝罪いたします、すみませんでした。


※2019/03/09に少し改稿致しました。

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