決勝トーナメント
投稿遅れてしまいすみません!
長い休憩時間を終えた後、遂に決勝トーナメントが始まった。やはり、決勝ということもあってか、観客も、司会も、大いに盛り上がっているようだった。予選からハイテンションだったのに、まだ盛り上がるとかある意味凄い人たちである。後日、声が枯れていないことを願うばかりだ。
観客もそうだが、戦闘の方も大いに盛り上がりを見せた。一回戦は、最強の一人の大魔導士であるアリスと、魔獣使いであるベールの戦いだった。召喚する魔獣の強さに苦戦したものの、危なげなくアリスが勝った。
二回戦は予選でナイトと戦った死霊使いのクロと、ナイトとアリスが強いと称賛した魔法騎士のクライヴの戦闘で、やはり戦い方がワンパターンだったのか、クロのリビングデッドは対策がされていて、クライヴの勝利となった。
三回戦は、もう一人の最強剣王のナイトと、狂戦士のキリシアの戦いで、夜は余裕綽々と言った様子で決勝へと勝ち上がった。ズルだなんだの言われたが、決して不正などしていない。歴戦の差である。最強たる所以を見せただけで、ズルと言われるのだから、この世界は全くもって優しくないものである……。
そうして、白熱した決勝戦を、運営側が危惧したのか、休憩時間となった。運営さん、ナイスタイミングである。あれ以上、続けていたら、きっと観客の中でぶっ倒れる人が続出していたことだろう。ほんと、ナイスタイミングである。
ナイトとアリスは二人談笑していた。
「もう準決勝か……」
「あぁ、そうだな。次勝った奴が俺の対戦相手だからな」
次の準決勝で戦うのは、大魔導士のアリスと、魔法騎士のクライヴだ。そして、その勝者とナイトは戦う。つまり、次の戦いでアリスが勝てば、二人の宣言通り、決勝で対決となる。
「……アリス、あのな……」
「ん、どうかしたの?」
「いや、なんでもない」
夜は夏希に声を掛けようとして、踏みとどまった。今の夏希は、ただ対戦相手を屠ることだけを考えている。勝って、ナイトと戦うために、目の前にしか集中していないのだ。そこに、頑張れと言ったところで意味はないだろう。頑張るのは夏希にとって当然のことで、勝つことが目標なのだ。つまり、応援の言葉は不要である。
「アリス、勝てよ」
「え?」
「これは、相棒としての言葉じゃない。盟友としての言葉だ。勝て」
だが、ナイトではなく、夜としてなら応援できる。今の夏希に言葉は不要かもしれないが、応援したいのだ。何度でも、何度でも応援してやりたいのだ。
「うん、勝ってくるよ。そして、ナイトと戦うのは僕だからね?」
「あぁ、待ってる」
ナイトとアリスが、否、夜と夏希がお互いを励まし合っている中……。
「おい、準備は出来てるか?」
一方で、怪しげな会話をしている者がいた。ガタイのいい男――クライヴである。
「えぇ、それはもう準備万端ですよ」
「それならいい」
少し痩せ気味の男の言葉に、クライヴは満足げに頷いた。
「俺が合図したらやってくれ。ひひひ、これで俺の勝ちは確定だ。アリス、あいつを負かすのは俺だぜ……」
クライヴは下卑た笑みを浮かべ、勝利を宣言するのだった。
ども、詩和です。お読みいただきありがとうございます。
さて、投稿が遅れてしまい本当に申し訳ありませんでした。それと、短くてすみません。本来は、こんくらい短く済ませる予定だったのに、長くなっただけです。いつもが長いだけなんです。
今回はいかがでしたでしょう。楽しんで、はい無理ですね、短いですもんね。
それと、そろそろ毎日投稿がきつくなってまいりました。なので、もしかしたら予告なしに毎日投稿が終了してしまうかもしれませんが、ご了承ください。
それと、ナイトに負けたクロが何で決勝いるの? と思う方がいるかもしれないので補足を。
クロがいるのは、ナイトがいることを恐れた他の参加者が辞退したからで、言ってしまえばクロは運がよくて決勝に上がったという訳です。
さて、今回はこの辺で。
それでは次回お会いしましょう。ではまた。




