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兄が好きな妹なんてラブコメ展開はありえない。  作者: 詩和翔太
4章 ヤンデレ妹の兄は新入部員の夢を応援するそうです。
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二次元部を辞めます。

 遊園地デート(仮)から数日、玲奈が二次元部の部室に来ることは無かった。あかりと夏希曰く、家の用事で部活に行けない、とのことらしい。しかし、玲奈が少し怯えていたのだという。一体、何に怯えているというのか。それはわからないが、少なくとも二次元部が嫌いになったということはなさそうだ。


 だが、それとこれは関係ないだろう。数日も家の用事で休みというのは、流石におかしい。だが、行きたくないというのも間違っている気がする。玲奈は楽しかったと言った。そして、また一緒に取材をして欲しいとも。だから、行きたいと思っているはずだ。


 ならば、どうして部活動に来ないのか。もしくは、来れない理由が何かあるのか。


 しかし、これは夜の憶測にすぎない。瑠璃の時もそうだったが、夜は考えすぎる癖がある。だが、夜の考えを決定的に出来る証拠がない上に、もしかしたら、本当に家の用事なのかもしれないのだ。


 だが、玲奈が一週間部活を休んだ理由は全て、家の用事だった。


 考え過ぎなのはわかっている。証拠がないというのもわかっている。だが、流石におかしいではないか。一週間も休むなど、何かがあったのではないか? と思っても仕方が無いだろう。


 夜は休日なのにもかかわらず早速玲奈に電話をすることにした。本当の理由は? なんて聞くつもりはない。聞いても教えてはくれないだろう。だが、これだけは聞かせて欲しかったのだ。二次元部を辞めないかどうか。


 二次元部に何か不満があるから、玲奈は休んでいるのではないだろうか、と不安になったのだ。そして、


『ルナ先輩、私……、二次元部を辞めさせてもらいたいです』


 そんな不安が的中してしまった。しかも、最悪な形で。


「……理由を聞いてもいいか?」


 電話に出てくれたと思ったら、第一声がこれである。


 夜は驚いたものの、取り乱すようなことはしなかった。ここで、どうしてなんだ!? 辞めないでくれ! とか言ったところで、玲奈の考えが変わることは無いだろう。だから、せめて理由だけでも聞きたかったのだ。悪かったところを改善したところでもう意味はないかもしれないが。


『……』

「言えないか? 別に無理にとは言わない。けどさ、もし俺が悪かったんなら謝る、悪かった。レイが決めたことだし、俺は何も言わないし、言えない。でも、でも辞めるのと休んでたのって関係してるんだろ?」

『やっぱり、ルナ先輩に隠し事は出来ませんね……。本当のことをお話します』


 玲奈曰く、ラノベを書いているということが親にバレたらしい。


 玲奈の父親――智哉は、アニメやマンガなどが嫌いらしい。その為か、娘である玲奈にもそういったものは見せてこなかったようだ。子供なら必ずと言っていいほど見ているであろうア〇パ〇マ〇やドラ〇もんも見せてくれなかったらしい。一体、玲奈は何を見て育ったというのか。それはそれで少し気になる。


 勿論、玲奈がアニメやマンガが好きどころかラノベを書いているなんて知らなかった智哉は、遊園地デート(仮)の日に、玲奈が落としたネタをかき集めたメモ帳を見てそれはもう激怒したらしい。何だこれは? と。部活動じゃなかったのか? と。智哉の説教は母親である玲香(れいか)が止めるまで続いたらしい。


 玲奈がアニメやマンガが好きで、ラノベ作家を目指しているということ。二次元部という部活に入って同じ趣味を持っている人同士で楽しんでいるということ。その他もろもろを知った智哉は、まず部活を辞めるように言ったらしい。勿論、最初の頃は辞めたくない! と智哉の説得を試みたようだが、それも不発に終わったという。


 そして、現在に至る。


「なるほどな……。それでここ一週間は休んでたのか」

「はい。それで、二次元部を辞めないといけなくなってしまって……」

「まぁ、そういうことなら俺は止めない」

「そう、ですか……」


 どうして直接自分の言葉ではなく、電話で言ったのか。それは、電話の方が言いやすいという理由もあるし、悩んでいた丁度のタイミングで夜が電話をかけて来てくれたというのもある。だが、本当の理由はもしかしたら辞めないでと言ってくれるかもと思ったのだ。本心では、止めてほしかったのだ。でも、それは無理だったようだ。


「なんて言うと思ったか?」

「え?」


 夜の言葉に玲奈は驚きを露わにする。今、ルナ先輩は何て言ったの? と。


「まぁ、他人の家の事情に踏み込むつもりはないけどさ、それって俺にとっては今更なんだよ。瑠璃の家の事情に踏み込んで、荒らして、婚約破棄させたからな……」

「何をやってるんですか、ルナ先輩は……」

「ほんと、その通りです……」


 あの時は、感情の赴くままに動いてしまったがための過ちだ。だとしても、あの時夜が言ったことは本心だし、家の事情に踏み込むのも悪いとは思ったが、それでも瑠璃の悲しむ顔を見たくなかった。何処の気障なラブコメ主人公だよ、と自分でツッコんだが、それでも、先輩の、部長の、友達の幸せを願って何が悪い。


 だから、後輩の、部員の、友達である玲奈の幸せを願うのだ。


「レイはさ、それでいいのか? このまま、辞めていいのか? レイの言う辞めるの中にさ、ラノベ作家も入ってるんだろ?」

「あはは、よくわかりましたね。ルナ先輩の言う通り、ラノベ作家も辞めるよう言われました……」

「だろうなぁ……」


 アニメや漫画を嫌う人だ。二次元部を辞めるように言ってラノベ作家を目指すことを許すなんてことはありえないだろう。


「もう一度聞くぞ? レイ。お前は辞めていいのか?」

「よく、ないです……」


 玲奈の声は、少し震えていた。それは、玲奈の言葉が本心であるということを証明するには十分だった。


「それが聞けてよかった。レイ、今からナギ高に集合。レイの父親を、説得しに行く」

ども、詩和です。お読みいただきありがとうございます。

さて、二章連続似たような話ですみません! まさか、まさかこうなるとは……。

でも、これだけは譲れません。一度瑠璃の家で大暴れしてんのに今更控えめに出来るわけがないじゃないですか。夜がイタイ感じの人になりかけてますが、そこは気にしない方向で……。

まぁ、この先の展開は読める人は読めるでしょうか。行きつく展開が瑠璃の時と同じになるかもしれないから悩んでるんですよぉ……!

まぁ、俺の執筆スキルと語彙力がないせいでこうなってるので、今に言えたことじゃないんですけどね……。

展開が同じ? んなもん知るか! ああいう展開が好きなの! おk?

因みに、北海道では今日が七夕なんですよねぇ……。ろうそくだせって言ってお菓子を貰いに歩き回る日なんですよ。ハロウィンと同じですね。まぁ、高2な俺にとっては関係ないんですけどね。

まぁ、読者の方からしてみれば次回からはつまらないかもしれませんが、お付き合いお願いします。

さて、今回はこの辺で。

最近、投稿頻度上げなきゃ! でも、やる気が……、って感じで短いですすみません。

それでは次回お会いしましょう。ではまた。

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