FRIDAY THE 13th番外Ⅱ 夏希ジェ〇ソン
これは、13日の金曜日を記念とした番外編です。本編とは全く関係ないです。それと、残虐な描写が使用されているので苦手な方はブラウザバックを推奨いたします。それと、今回短くてすみません!
「お~い夏希ぃ! ……ったく、何処に行ったんだよ」
夜は夏希の名前を叫びながら歩いていた。先程まで近くにいたはずなのに気が付いたらいなかったのだ。何かしらの理由があるのではとも思うのだが、もしもという可能性がある。
「あかり、夏希いたか?」
「いないよ」
一緒にいたあかりも見ていないという。今、夜達がいるのは暗い森の中。二次元部のみんなでキャンプ場へと遊びに来ており、あかり、夏希、夜の三人は火を付けるために木の枝を集めていたのだ。時刻は昼間くらいだが、鬱蒼と木々が生い茂っているこの森の中では太陽の光は差し込まず、昼でもまるで夜のように暗いのだ。
しかも、この森には所々に急な斜面がある。もしも、夏希が足を滑らせ転んでしまったのなら大ケガをしているかもしれない。
「遅すぎると梨花たちが心配するだろうしな……。あかり、夏希は俺が探すから木の枝を集めといてくれ!」
「うん、わかった。おにいちゃんも気を付けてね?」
「あぁ、そっちも足元には気を付けろよ?」
お互いに足元に注意しながら夜は夏希を、あかりは木の枝を探すことにした。二人で夏希を探した方が効率はいいだろうが、夜達は木の枝を集めるようにも言われている。木の枝よりも夏希の方が大事ではあるが、同時に梨花達に心配をさせる訳にはいかないのだ。
「夏希! いたら返事してくれ! クソッ! 何処に行ったんだよ夏希……!」
虫に刺されようが肌を葉に切られようが夜は夏希の名を叫んだ。唯一無二の相棒が、盟友が突然姿を消したのだ。痛みなど気にしていられない。焦らずにはいられない。今も、夏希は助けを求めているかもしれないのだ。夜が探すのを止める訳にはいかないのだ。
「ナイト、僕はここだよ?」
「夏希! 一体何処にい……たん……だよ?」
後ろから夏希の声が聞こえ、夜は名前を叫びながら振り向いた。そして、目の前の光景に我を疑った。いやいや、ありえない、と。きっと全員が自分に仕掛けたドッキリなんだ、と。でなければ、目の前の光景が真実であることを証明することになってしまう。
血に濡れた頬、返り血がベットリと付着している服、ポタリポタリと血液が滴っているナイフ、そして、左手には生気がまったく感じられないあかりの髪を握って引き摺っていた。
「あ、かり? なぁ、夏希、その血、どうしたんだよ?」
「え、見たらわかるでしょ?」
「いや、でも血糊って可能性も……」
「ないよ。本物の、正真正銘のあかり達の血だから」
「あかり、達? ま、さか……」
夜の脳裏に嫌な予感が過る。しかし、すぐに否定した。きっと、あかりのあれも演技なのだ。そうに違いない。
「ナイトの考えている通り、梨花先輩達も殺っちゃったよ? ナイトと僕のために」
「俺と、夏希のため?」
「うん、そうだよ? 僕達は中学生の頃から一緒に戦ってきた。楽しい時も、辛い時も、哀しい時も、どんな時でも一緒に戦ってきた。僕にとっては、ナイトが僕のすべてだったんだよ? なのに、高校生になってからナイトは変わった。周りには色々な人が集まってた。気付いてた? ナイトが高校生になってからSaMのログイン時間が減ってるんだよ? それって、二次元部の所為でしょ?」
夏希の言う通り、確かに夜がSaMにログインしている時間は中学生の頃に比べると減っていた。それは、二次元部という自分の居場所があったからだ。SaM以外にも、自分の居場所が出来たのだ。
「確かに、SaMはあまりやってなかった。けど! それがあかり達を殺す理由になるのか!?」
「なるよ?」
夏希は当たり前だとでも言わんばかりに真剣な声で言った。
「あの時、ナイトが僕を助けてくれた時から、ナイトの隣は僕のものだったのに。それなのに、ナイトは僕を見てくれない。だから、邪魔な四人を消したんだよ。全部、ナイトのためにやったことなんだよ?」
「夏希、お前そこまでして俺に見てもらいたかったのか?」
「うん、ナイトが僕のすべてなんだもん。ナイトの隣には僕がいないといけないんだよ」
どうやら、夏希がこうなってしまったのも、その所為であかり達が死んでしまったのも、夜が原因のようだった。
「やっと二人きりだね、ナイト♪」
「……め……な」
「え?」
「あかり、梨花、瑠璃、レイ、ごめんな。俺の所為で、こんなことに……」
「ナイト? どうしてあかり達の名前を呼ぶの? ナイトには僕がいればいいんだよ? なのに、どうして呼ぶの?」
「ごめんな、ごめんな……」
「そっか、もう手遅れだったんだね。……ナイト、ずっと一緒にいようね」
その言葉を最後に、夜の意識は永遠の闇に……。
「っ!? はぁ、はぁ……。ここは?」
「あ、ナイト、おはよう」
「もう、おにいちゃん、折角キャンプに来たのにすぐに寝ちゃうなんて」
夜は少しの頭痛に眩暈を感じつつ、周りを一瞥した。そこは、二次元部のみんなで来たキャンプ地のある森の中だった。
「あれ? 俺何を……、! あかり、何ともないか!?」
「お、おにいちゃん!? その、こんな場所でそんなことを……」
「いや、しねぇから。よかったぁ、さっきのが夢で……」
「? どんな夢を見てたの?」
「いや、気にしないでくれ、こっちの話だ。よし、それじゃあ準備を始めようか」
夜は気付かなかっただろう。夏希がまだ、血のような赤い液体が付着したナイフを握っているということを。そして、あかりが来た時とは別の服を着ているということを。
ども、詩和です。お読みいただきありがとうございます。
さて、いかがでしたでしょう。楽しんでいただけたなら幸いです。
何て言えるわけねぇだろうが!
ラブコメで、番外編とは言えヒロイン殺す(夢の中)作品とか何処にあんだよ! ここにあるけど!
いやぁ、書きはじめたら滅茶苦茶になりましたね。本当にすいません。
いやぁ、本当はあかり、夏希、梨花と一人ずつやっていって最後にあかりにみんなを殺してもらう予定でしたのに狂いましたねw おかしいなぁw
まぁ、お気づきの通りね? 彼女たちは素晴らしいところ(?)へと旅立たれてはいませんので。
というか、ジェイ〇ン関係なかったですね。ホッケーマスクとか何処行ったし。まぁ、猛暑が続いているのでホラーもいいのではないでしょうか。因みに、俺は怖いのはダメです。お化け屋敷入ったことありません。
まぁ、そんなことはどうでもいいですね、はい。
さて、今回はこの辺で。
それでは次回お会いしましょう。ではまた。
次回の13日の金曜日はいつなんでしょうねぇ……。




