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第98話 彼は、彼氏?
「君、1年生?」
授業が終わり、ぞろぞろと学生が出ていく中、種田の方から近付いて来た。結果オーライだ。本当は読み込んだ知識を足掛かりに種田に質問して接近する段取りだったんだけれども。
「いえ、高校生です。モグリです」
「高校生?」
この大学を第一志望にしており、先生の論文を見つけた。高校をさぼって自主的な、”オープンキャンパス” にやって来た・・・・という設定を説明した。
「先ほどは大変無礼なことを言ってすみませんでした。でも、”大学生”って、先生とも議論する大人っぽいものだと憧れてたのでつい・・・」
「いや、分かるよ。自説を堂々と主張するのは素晴らしいことだ。今日は日帰り?」
「いえ、1泊2日です」
「なら、これから2年生対象の ”プレゼミ” があるんだけど、出ないかな? なんならその打ち上げにも」
僕は志成に、うん、と合図する。
「え、いいんですか? 是非。あ、彼も一緒にいいですか?」
僕はぺこっと頭を下げる。
「もちろん、歓迎するよ。え・・・と、彼は、彼氏?」
「はい」
一応、そういう設定にしてある。




