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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第6章 4人目の敵
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第91話 大学図書館

 純喫茶の王道を行くアラン。僕はアメリカンを飲みながら、スポーツ新聞を読みふける。


「面白い・・・」


 野球、ボクシング、ゴルフ、競馬はもちろん、政治・経済・下世話な芸能記事、何でも載ってる。一般誌やテレビ、ネットニュース。それらのどれとも違う独特の視点。


「あ、パラリンピックまで載ってる」


 ”日本、金メダルゼロの危機”


「? テレビじゃメダルラッシュって言ってたけどな・・・」


 ”テニス、競泳・・・各種競技のトップ選手がそろって惨敗。気が付けば銀1個、銅7個と、”金” 以外のメダルを量産。このままでは金0の屈辱の結果に終わりそうだ。テニス界で世界ランク1位の田辺はこの1年、障害の原因となった骨肉腫の再発と治療を行い、闘病の中での挑戦だったが、銀メダルという結果に対し、一言の言い訳もしなかった。「相手より力が足りなかったということです。事実を受け止め、再起に全力を尽くします」”


 僕はこの記者にスポーツへの愛情を感じる。マイナー・メジャー、障害者・健常者を区別せず、”スポーツ・勝負”、という一括りで平等に扱っている。その場しのぎの賛辞よりはるかに勇気が必要だ。


「大志」


 アランの制服を着た志成が声を掛けて来た。


「今日はトレーニング、休養日でしょ」

「うん」

「なら、午後からちょっと付き合って欲しいんだけど」

「何?」

「図書館」

「へえ・・・どこの?」

「薬科大の」

「え? 薬科大?」

「うん」


 薬科大は、この県にある2つの国立大学の内のひとつだ。医学部も併設されているが、薬学メインの国立大学として全国でも珍しい。


「何か調べ物?」

「うん。おばあちゃんがね、残り2人の敵と戦う時に、薬の知識があった方がいいって教えてくれたから」

「薬? 毒で敵を倒す?」

「分からないけど、わたしも漢方薬とか興味あるから」

「ふーん。じゃあ、行こう」

「よかった」

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