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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第5章 3人目の敵
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第90話 言葉のあや

「志成ちゃん、夕飯の用意も大変じゃ。今日は外で何か食べんまい」

「はい・・・」


 さすがに色々とショックだったのだろう。志成はかすれた声で返事した。

 

 そば屋に入った。ばあちゃんは志成を絶賛する。


「志成ちゃん、さすがじゃ。志成ちゃんがおらなんだら私も大志も死んどった」

「そんな・・・おばあちゃんこそすごいです。堂々と銃の前に立って。大志もすごい。度胸もあって冷静だし、木刀の使い方もほんとの武士みたい」

「いや、はったりだよ。暴発の話、嘘だし。大体相手は親ぐらいの年の女の人だし、やりすぎだったよ」

「いや。ああするしかなかったんじゃ。3人の言動のどれ一つ欠けても誰かが死んどった」

「でも、ばあちゃんが、”殺すぞ” って言ったのが一番怖かった」

「言葉のあやじゃ」


 あやの訳ない。本当に祈り殺すつもりだ。


・・・



「あ、出てるよ」


 あの日から4日目の朝刊に、武田さとりと、弟の水田悟さとるが警察に出頭したという記事が載っている。


「お疲れ様」


 志成が僕の肩越しに、ぴょっ、と顔を出して新聞を覗き込む。顔が触れそうだ。

 銃よりこっちの方が、ドキドキする。

 

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