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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第5章 3人目の敵
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第87話 だいじょーぶ、死なばもろとも!

志成とバイトのスケジュール調整をして日取りを決めた。


「来週木曜15:00に相談の予約を入れる」

「お金は?」

「一応、初回無料って感じだけど、つまりは言い値になるんだろうね」


 ”さとり会”の諸事相談の時間は武田さとり本人が行う。


「”さとり”、って自分の名前だったんだね。わたしてっきり”悟りを開く会”って意味だと思ってた」

「まあ水田家のおとだから、それらしい名前にしたんだよ、きっと」


 台所で打合せしてている所へばあちゃんが来てテーブルに座った。


「私も行くぞいね」

「え?」

「おばあちゃん、無理しないでください。大志とわたしで大丈夫です」

「志成ちゃん、そうじゃないんじゃ」

「え?」

「戦いのことは心配しとらん。大志もヤクザと堂々と渡り合うぐらいだからの」

「相手が思いがけず常識的だっただけだよ」

「私がやるのは武田さとりの性根を叩き直すことじゃ。仮にもお姑様と縁のあった水田の孫だからの」

「でも」

「大志、いくら中年女とはいえ、霊感のある相手の先が読めるか」

「それは・・・」

「中年とはいえ、物事を先読みできる人間が銃を手にしとるんだぞ。仮に撃つ気が無くても銃を向けられたらさすがに辛いぞ」

「・・・うん」

「じゃあ、おばあちゃん、お願いします!」


 志成が力いっぱい元気な声を出したので驚いた。


「志成ちゃん、この年寄り、連れてってくれるか」

「もちろんです。おばあちゃんがいて下されば百人力です」

「よう言うてくれた。これで冥途の土産ができたわい」

「縁起でもない・・・」

「大志、だいじょーぶ。死なばもろとも!」


 不思議だ。

 志成は最初、陰が目立つキャラだったのに、今じゃこんな能天気な台詞もやけにしっくりくる。志成が変わったんじゃなく、長い間押さえつけられていた本質がほとばしっているんだろう。


「わかった、やる! やってやるよ!」


 僕もやけくそで声を上げた。


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