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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第5章 3人目の敵
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第84話 脱サラ反社

 僕のコーヒー代を出そうとしたけれども、断って別々に注文した。


「おい、俺の茶が飲めねえってか?」


 冗談ぽく言う男に、


「反社からの利益供与は受けません」


と答える。


「よく勉強してんな」


 テーブル席に向き合って座る。


「で、お前は誰なんだ」

「先代大志です」

「・・・それ、本名か」

「はい・・・どうして?」

「賢いのかバカなのか分からんな。暴力団相手に個人情報さらして」

「自分の名前ぐらい堂々と名乗りたいです」

「おもしろいな。俺はお前の素性を訊いたつもりだったんだが」

「高校生です。休学中ですけど」

「休学? 何か悪い事でもしたか?」

「停学じゃなく、休学です。ごく個人的な事情で」

「ふうん。俺は山田。一応多田組の若頭だ」

「若頭って・・・」

「ふっ。まあ、会社で言えば取締役みたいなもんだな」

「偉いんですね」

「偉い・・・か。学校とか仕事とかで褒められたこと無いけどな」

「仕事?」

「ああ。笑われるかもしれんが、色々あって、”脱サラ” してヤクザになったんだよ。まあ、個人的な事情でな」

「そうなんですか・・・」


 そんなことより、暴力団の若頭がファストフードの100円コーヒーを飲んでいる姿がなんだか新鮮だった。

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