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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第5章 3人目の敵
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第73話 口つけてないペット

「あ!」


 失礼します、と横から追い越そうと並んだ途端、その女の人が、ふうっ、と倒れた。


「大丈夫ですか?」


 5mほど慣性で走ってしまった後、急いで駆け寄った。


「すみません、ちょっとクラクラして」


 一応大丈夫そうだ。咄嗟に態勢を立て直し、地面への直撃は避けたらしい。でも、ぼうっとしてしゃがみ込んでいる。


「あの、これ、口つけてないんで、よかったら」


 腰のペットボトルフォルダからスポーツドリンクを差し出す。夏のランの必需品だ。

 余程喉が渇いていたのだろう。


「ありがとうございます」


と一言だけ言って、ごくごくと半分近く飲み干した。

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