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第67話 反対の事をしよう
「敵ではなかった」
ばあちゃんが仏壇の前でお告げを受け、ゆっくりと僕らに向き直る。
「だが、許しておけん」
ばあちゃんは僕と志成の、”私闘”、を黙認してくれた。
「常に相手と反対の事をしよう」
僕の提案に志成は意思をもって頷く。
「相手がこそこそするようならこちらは正々堂々と。敵意を示したならこちらは誠意を。口先だけならこちらは行動を」
その通りにした。
僕はユウの自宅に電話した。ユウの母親が出た。
「先日お世話になった先代です。一度娘さんとお会いして話したいんですが、ご都合はいかがですか?」
「あなた、警告文出てるでしょう? 警察に言いますよ」
「構いません。それより僕は井上可奈美さんの身の安全が心配です。僕の家に彼女に関する残酷な写真が届けられました」
「娘は関係ありません」
「関係ないということをあなたと娘さんに証明していただきたいんです」
「こちらにそんな義務はありません」
「ならば僕はこの写真を持って警察に行きます」
「脅すんですか」
「脅しじゃないです。単に事実を淡々と伝えるだけです」
「ちょっと待ってください」
1分ほど待たされた。保留音が切れ、再び出た母親の声は自身に満ちていた」
「NANホテルは知ってますね?」
「はい」
「今日の夕方5時にそこのロビーで会いましょう」




