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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第3章 夏休み
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第49話 友達以上〇〇未満

 志成の希望により、スーパーと同じ1Fにあるレストラン街ではなく、2Fのフードコートで”ブランチ”にすることにした。少しでも節約するためだという。さすが主婦。

 志成はちょっとおしゃれなベーカリーのピタブレッドとアイスコーヒー、僕は讃岐うどん専門店の、”仲良しうどん”(きつねとたぬきの両方乗せ)を持ち寄ってテーブルに着いた。

 さすがに夏休み。制服・私服の中高生カップルが山ほどいる。


「この中で、”家族連れ”、って僕らぐらいだろうね」


 照れ隠しに言ってみた。志成は嬉しそうだ。


「そっか。わたしと大志は、”家族”、だもんね。ねえ、これって・・・」

「これって?」

「友達以上○○未満”だとしたら、○○の中はなんだろね?」


 七味もかけてないのにうどんをすすって咳き込んだ。水を飲み、熟考の上、答える。


「”家族構成”によるよ。志成が僕の妹相当だとしたら、”兄妹未満”で確定」

「”夫婦”だったら?」

「・・・・」


 僕は固まり、そのまま俯く。


「・・・なーんてね。大志っておもしろい」


 ああ、こんな風に冗談言うなんて。これが本当の志成の姿なんだろうな。

 やっぱり、かわいいな。


「リバ!」


 突然掛けられた声に、志成がびくっとする。

 テーブルの脇を見ると、南高の制服を着た女子が3人立っていた。


「やっぱり、リバだ。私らのこと覚えてるよな?」

「・・・うん、覚えてるよ。こんにちは」


 志成がそう言った途端、3人が爆笑する。見た目は普通だけど、笑い方が下品だ。


「元田からメールでお前の写真貰ってさー、”使用前・使用後”、みたいになってるから超ウケて。でも、結局まだいじめられてんだろ。中退したんだろ」

「休学だよ」


 また3人が笑う。


「誰?」

「ん。中学の時の友達」


 僕の問いに志成が小さく答えると、3人の笑いがますます下品になる。


「”友達”、じゃないよねえ。リバごときが」


 僕はできるだけ怒りを抑えて3人のうちの1人に話す。


「少し、静かな声で話して貰えませんか」

「あんた、誰?」

「志成の友達」

「リバの?もしかして、リバと一緒に”中退”したキモい男ってあんた?」


 ぷっ、と3人とも吹き出す。


「”休学”だけど、だから?」

「あんた、リバの中学の時の容姿、知ってんの?」

「知ってる」

「ああ・・・知ってて、まあ今は”まとも”な見た目だから妥協してんだ。でも、こいつは何も変わんないから。リバは一生リバだから」

「君が女じゃなかったら殴ってるところだ」

「何!?」

「女じゃなかったらぶん殴りたい、って言ったんだ」

「お前、それセクハラだぞ」

「日本語も分かんないのか。”セクハラ”じゃなくて、僕は君を純粋に脅しているんだ」

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