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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第1章 1人目の敵
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第3話 僕の学校

大志たいし、これ弁当な」

「ありがと」


 ばあちゃんはその後珍しく質問してきた。


大志たいし今日は何時ぐらいに帰って来る?」

「え・・・と。始業式の後、新しいクラスのHRとオリエンテーションを午前中やって。弁当食べた後は学祭の実行委員の集まりがあるから・・・・3時過ぎぐらいかな」

「分かった。ちょっと話があるから」

「何?」

「帰って来てからな」

 ふーん、と特に気に留めず自転車で高校に向かった。


「よ、大志。同じクラスだったぞ」

「ああ。また一年間よろしくな」

「受験だな」

「まあね」


 新クラスは3年2組だった。結局、相棒ともいえるいつきとは3年間同じクラスだ。

 教室の座席に荷物を置いて、始業式のために体育館へぞろぞろと向かう。


 僕はこの高校が、まあ好きだ。志望校だったし、部活はやっていないけれども1年の頃から学祭の実行委員会に入り、友達付き合いの範囲もそれなりに広い。

 それにうちの高校は荒れてる訳でもなく、ごく平和だ。誰かの悪口を言ったり派閥ができたりはあるけれども、総じてみんな、”善人”、だと思う。

 でも、今日は2年間で一度も見なかった光景を目にした。


「大志、5組にかわいい子がいるの知ってるか?」

「知らない」

広田沙耶ヒロタサヤ

「フルネームか」

「ほら、あの辺にいるはずだよ」


 いつきが視線を向ける3年5組の方を見ると、けらけら笑ってる女子が何人かいる。


「あ、今ちょっと横向いて笑ったこだよ」

「ふーん」


 遠くて、かわいいのかどうかよく分からなかったけれども、その広田さんは強烈に印象に残った。

”パン”、と前の女子の後頭部をはたいたのだ。


いつき

「う・・・ん」

「今、なぐったぞ」

「いや・・ふざけて軽くはたいただけだろ?」

 はたかれた女子は振り返りもしない。そのまま動かずに前を見ている。僕らにはその子の髪を背中辺りまで伸ばした後ろ姿しか見えない。広田さんがまたはたいた。

”バン!”


「おい」

「うーん」


 叩かれた女子はやっぱり微動だにしない。広田さんは周囲にくるっと顔を向けて笑っている。周りの女子たちも声を潜めて笑っている。


「ちょっとヤな感じじゃないか」

「確かに・・・・」

「広田ってほんとにかわいいのか」

「顔は、ね」


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