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第25話 友情にかけて・・・
「樹、田中さん、ほんとに大丈夫?」
残る2人がクラスで浮き、いたぶりの標的にされる確率は高い。
「そうなったら俺も休学するよ。その時はよろしく」
こんな時にでも冗談を言えるのが樹の強みだ。樹と共に過ごした2年間で僕の心がでどれだけ和らかくなったか知れない。
「樹、田中さんを護ってあげてくれよな」
「・・・分かった。大志との友情にかけて田中さんを護る」
田中さんが微笑して志成に語り掛ける。
「加ノ上さんって、強いね」
「ううん、強くないよ」
確かに、強い、というのともまた違う。おそらく一週間の志成の様子を見て周囲は畏怖している。
「認めたくないけど、わたしじゃ加ノ上さんには絶対勝てない・・・・大志くん」
「うん」
「命に関わるようなことだけはしないでね」
「・・・分かった」
田中さんは、僕と志成がやろうとしていることの本質を、ぼんやりと感じ取っている。
「加ノ上さん」
「はい」
「大志くんを守ってあげてね」
「うん、わかった。え・・・と」
何だ?
「田中さんとの友情にかけて!」
おそらく、初めてであろう、志成の冗談に4人して笑った。




