表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第1章 1人目の敵
24/142

第24話 彼女の、人生

 昼をスーパーで食べながら、5組の様子を田中さんから聞く。

 志成は今朝、カフェラテを頭から浴びせられた。

 広田さんと仲のいい女子が、


「あ、ごめん!」


と言ってコンビニで買って来たカップのカフェラテを、志成の頭頂部からかぶせた。


「手がすべった!ごめん、ごめん」


 そんな手のすべり方をする訳がない。ホットだったが、志成は、熱い、とも何とも言わず、そのままの姿勢で座ってたそうだ。


「謝ってるんだけど!・・・」


 ハンカチで拭こうともしない志成を見て怖くなったのだろう。その子は逆ギレするような雰囲気だった。


「いいよ。手がすべったんでしょ」


 テキストを出し始めた。

 制服の胸元からスカートの裾まで濡れているが、志成はほったらかしだ。そのまま1限目が始まった。

 古典教師は志成を見て、


「拭いて来なさい」


と言ったけれども、


「いえ、いいです」


 志成は何の問題も無いように答える。


「周囲が不快だと言ってるんだ。体育のジャージがあるだろう。着替えて来なさい」

「じゃあ、ここで着替えさせてください」

「何!?」

「わたしはもう日数が無いので、せめてきちんと全部授業を受けたいんです。聞きながら着替えます」


 そう言って志成はがたっ、立ち上がり、制服の上着を脱いだ。

 その下は下着ではなくTシャツだったけれども、居合わせたクラスの人間には衝撃的な光景だった。ジャージのズボンを穿き、濡れたスカートを下ろした。

 カフェラテをぶっかけた子は真っ青な顔で俯いていたそうだ。


 こんなことを1週間繰り返して、もう金曜の昼だ。今日の午後の授業が終わったら僕と志成は学校を去る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ