そのコスプレ、萌えるよ
「さて、私が一緒に来れるのはここまでじゃ」
国際会議場の前で、ばあちゃんと僕らは別れの儀式をする。
「私は家で命懸けで2人の武運を神仏に祈願する」
「おばあちゃん、ありがとうございます」
ばあちゃんが志成を見て笑顔でうなずく。
「志成ちゃん、よくここまで大志を助けてきてくれた。あつかましくも、改めて頼むわいね。大志と志成ちゃんと2人して、志を成し遂げてくだされ」
「はい」
そうしてばあちゃんに別れの言葉を2人で告げた。
「行ってきます」
「おー、見違えたよ」
向井さんが僕と志成の所に駆け寄って来た。
「向井さん、図面って?」
「これだよ」
A3一枚の大きな図面。ついさっき向井さんから図面を渡すから待ってて、というメールが入ったのだ。
「PDFだと見づらくて役に立たないから紙で渡すね。国際会議場、3Fのセッティング図だ」
「え? でも、3階は使わないって」
「さっき、アメリカの同業者からメールで届いた。そいつは Natural Ageの社員に知り合いが居て、ディナーを驕るって言ったらホイホイくれたらしい」
情報を扱うのは、結局、人間ってことか。
「もしかしたらガセかもしれないし、罠かもしれない。でも、3Fであいつらが何かしようとしてるのは間違いない」
「ありがとうございます」
「2人とも気を付けて」
「はい。行ってきます」
「志成ちゃん」
「はい」
「そのコスプレ、萌えるよ」
「・・・やめてください」




