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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
最終章 最後の敵~決戦
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イメージに合わない2人

「餌に食いついて来た」


という短いメールが向井さんから入った。


”とりあえず話だけ聞く”


と、Natural Ageの法人事業部長にコンタクトを取ったそうだ。Anti Bullyingとはもう話すらできないと思っていたところを面談可となったので、飛びついて来たようだ。面談は向井さんの条件を相手が全部受け入れた。僕は電話で向井さんに訊いてみた。


「条件って?」


 電話から向井さんのにこにこした顔が伝わってくる。


「まず、法人事業部長を呼びつけた。アメリカからね。しまって男だよ。それから、まず話を聞くだけで、具体的な契約等はこちらが判断するまで待つこと。それから、これがおもしろいんだけどね」

「なんですか?」

「君らの双輪市を面談場所に指定した。県民会館の会議室を押さえといたから」

「え? こっちに来るんですか!?」

「うん。どうせ君らも接触したいだろうから手間が省けていいでしょ」

「それはありがたいですけど・・・って、僕らも同席していいんですか?」

「もちろん」

「よく相手がOKしましたね」

「エージェント契約結んでる、って設定にしといた。㈱Anti Bullying 双輪営業所。大志くんが所長で志成ちゃんが次長」

「何でもありですね」

「いや、マジでこの業界なんでもありだよ。そうじゃないと異次元の発想なんてできないからね。で、土日はバイトOFFだったよね、2人とも」

「はい」

「日曜が面談日。んで、俺と寺田は前日そっちに入るから。観光案内よろしく」

「あ、それはちょっと楽しそう。了解しました」



 土曜。僕と志成は新幹線の改札口で佇んでいた。


「あれ? おかしいなあ。この新幹線だと思ったんだけどな」


 向井さんからは”AM9:30頃、駅で待ってて”と連絡があった。けれども、9:27着の新幹線が到着しても改札から2人は出て来ない。

 ピ、とメール着信。


「あ、向井さんからだ」


 ”駅前のロータリーにいます”


「ロータリー?」


 志成と2人、くるっと駅の外に出て、小走りでロータリーに向かう。


「おはよう」


 向井さんと寺田さんが車にもたれかかったまま挨拶してきた。


「おはようございます」

「車だったんですか?」


 志成が軽い驚きの声を上げると、寺田さんが答える。


「そうだよ。俺の車」


 しかもその車というのが、ホンダのCRXハイブリッドじゃなくって、昔のガソリン車のやつ。


「渋い車ですね」


 僕が褒めると寺田さんは得意げになる。


「まあね。メンテナンスは大変だけどね」


 志成はまだびっくり顔をしてる。


「志成ちゃん、そんなに驚いた?」


 向井さんが訊くと志成は素直に感想を言う。


「その・・・ちょっとイメージと違ったので」

「ああ、分かるよ。車に乗るタイプには見えないってことだよね」

「いえその・・・」

 

 志成のちょっと失礼な感想にも向井さんは笑って答える。


「うつ病で会社は辞めたけれども一応社会人やってた訳だし、今だってまあ自活できてるからね。親を全面的に養うところまではいかんけど」

「失礼しました」

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