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志成は帰って来なかった
雨が本降りになっていた。濡れるままにして自転車に乗り、できるだけゆっくりと家へ帰った。
その晩、志成は家に帰って来なかった。
次の夜も。
ばあちゃんは一度仏壇に向かったきりで後は何も言わない。
3日目の朝、志成は帰って来て朝ごはんの準備を始めた。一言、
「すみませんでした」
と、ばあちゃんと僕に詫びた。
それに対しても、誰も何も言わない。
田中さんは目を覚ましたけれども、もうしばらく入院するらしい。
広田さんが自室に引きこもり、不登校になったということを後から聞いた。
志成が一体何をしたのかは分からない。それが神仏のご意向にかなうことだったのか、それとも背いて悪因縁を重ねるものだったのか。
再び、戦闘の日常に僕らは戻る。




