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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第7章 最後の敵~決戦前になすべきこと
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拳銃相手に勝ちました

 地蔵通りを少し歩き、”トキオ食堂” という定食屋に入った。


「おすすめはマグロの中落ち定食」


 寺田さんのアドバイスに従い、4人ともそれにした。出てきたのは、皿に山盛りのマグロ赤身の中落ちと小鉢の筑前煮、ポテトサラダ、それに豚汁。これで600円は安すぎる。


「んで、志成ちゃんは Natural Ageに腹が立ってると」


 向井さんがお茶を啜りながら本題を進める。


「え・・と、腹が立つっていうか、あのBehavior っていうゲームが結構きわどいなと思って」


 向井さんはやはり並の人じゃない。鋭い。即座に志成に返す。


「嘘、でしょ? そんなことのためにわざわざ東京まで来ないでしょ。君と大志くんと2人で何やってるの?」

「それは・・・」


 志成は躊躇したけど、僕は判断した。僕が言うよ、と志成に断って話し始める。


「これは僕と志成の、”戦い” なんです」


 そう切り出して、悪因縁の根源となる、”敵” たちとの日本を守るための戦いについて大まかに説明した。言えない部分は割愛しながら。向井さんも寺田さんも、うーん、と唸る。引かれるのかな、と思ったけれども。


「おもしろい」

「うん。まるでリアルRPGだ」


 興味を抱かせたようだ。


「ねえ、僕らもかませてよ。Natural Ageの情報はこれからも調べて教えてあげるからさあ」


 寺田さんが目を輝かせる。志成が申し訳なさそうに言う。


「寺田さん、向井さんの協力が頂けたらこんなにありがたいことはありません。でも、わたしたちはお2人に何のメリットも提示できないんです」


 向井さんが手をぶんぶん振る。


「そんなもん要らないよ。僕らはただ、好きなゲームやアニメや音楽に心血注いで、あとはこういうイベントで、”すかーっ!” とできればそれでいいんだよ」

「でも・・・」

「志成ちゃん、大志くん。僕らは2人とも御多分に漏れずいじめられっ子だった。社会に出たら見返そうとそれなりに勉強してそこそこの会社に入った。でも、同じさ。結局会社の中でもいじめっぽい状況になってうつ病になり、会社を辞めた。まあ、ニートみたいな状況で起業して作ったゲームがたまたま当たっただけだよ」

「でも、すごいです。Natural Ageから目を付けられるなんて」

「CEOの近田さんだって努力の人だ、っていうのはまあ頭では理解できる。でも、すべて日の当たる場所でのポジティブな努力ばっかりだ。”いじめに耐える”なんていう日蔭のネガティブな努力に終始してきた人間としては一矢報いたいんだよ」


 屈折してるけれども、一理ある。向井さんは別の質問をしてきた。


「ところで、”戦い”っていわゆるアクションもやる訳?」

「信じてもらえないかもしれませんけど、大志は拳銃を持った相手に勝ちました」

「うえ、マジ!? すげー!!」


 まあ、事実ではあるけど。

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