喪の章-3
あるとき、長年比灘町で孤児院を経営し、多くの子どもたちの心を救った院長が亡くなりました。
孤児院の子どもたちは母代わりであった院長の死を大変嘆き悲しみました。
お母さん、いんちょ、戻ってきて……
子どもたちは口々に院長を呼び、泣き続けます。
その中で一番年長の子どもがある本を持ってきました。子どもの手には少し大きい、濃い緑色の分厚い本です。
「この本に院長先生が帰って来られる方法が書いてあるぞ」
その年長の叫びに子どもたちは嬉しそうな声を上げました。
それでいんちょが戻ってくるの!? やろうやろう!!
乗り気になった子どもの一人が言いました。
「それでお兄ちゃん、どうすればいいの?」
「うん、それがな」
すぱん
年長の子は訊いてきた子の胸を切り裂き、殺してしまいました。
「こうするんだよ」
死んだ子のお腹を裂いて、中から色々な塊を取り出します。
その最中
ぐさり
年長の子は他の子どもに首の後ろを刺されました。
「うんうん、これに書いてあるとおりにやればいいんだね。わかったよ、お兄ちゃん」
その子は例の本を読みながら、ふんふんと頷きました。
読んだ内容をみんなに伝えると、様々なところから集めてきた凶器を手に、号令をかけます。
「さあみんな! 殺ろう!!」
「おおー!!」
無邪気な子どもたちの殺戮大会が始まります。
ころんと置かれた濃い緑色の本には、金色の文字で題が書かれていました。
"七つの子"
都市伝説はそう簡単には消えないようですね。




