プロローグ
“どこへ行きたい?”と僕が尋ねたら、君は“海!”と大きな声で答えたね・・
“こんな真冬に海?”そう聞き返すと
“次の夏にはもう行けないから・・”
・・・君はそう笑いながら答えた・・・
“生まれ変わったら何になりたい?”そう尋ねたら、君は“満天に輝く星!”とつぶやいたっけ?
“星?どうして?”と聞くと
“ずっとあなたと同じ距離でいられるから・・”
・・・君はそう笑いながら答えた・・・
“大きくなったら何になりたい?”と聞いたら、君は“何もないよ”と答えたね。
“何も?”僕が聞き返すと、“大きくなんかなれないから”
・・・そしてまた笑ってたよね・・・
“俺のこと好き?”って聞くと、君は“好きじゃないよ”と笑ったね。
“じゃあ嫌い?”そう悲しげに聞くと、“ううん愛しているの”
・・・君と僕は笑ってたね・・・
“俺に何かできる事はある?”そう尋ねたら、君は“あるよ”と言った・・
“何?”そう聞くと
“私が死ぬ時、そばにいないでね・・”
・・・君はそう泣きながら答えた・・・
そして・・三年前彼女はこの世を去った・・・
そして今頃風になって自由に舞っているのかな・・
君が言ったとおりいつか星になるのかな…
でも僕の願いは生まれ変わっても君は君でいること。
そして一緒に夏の海に行こう?
コートやマフラーなんか脱ぎ捨ててさ…
“何が食べたい?” “かき氷!”そんな会話もしながら。
きっとその時の君の笑顔が一番輝いているんだ…
だから待ってて?
そこから俺を見ていて?
愛する美岬へ…