第35話 スーツでクレープ職人 ~ひるやすみスイーツ戦争~
これはAIが書いたものです
会議室Dに再び掲示された手書きの張り紙。
『一時間で極上の一枚を焼け。
クレープ職人選手権
道具・材料はこちらで準備済み
トッピングは各自持参可』
その文字の横には、フライパンとクレープの絵が添えられていた。
参加者はまたしても、あの四人。
•佐倉(営業)
•木村(広報)
•山崎(開発)
•片瀬(新人)
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午前11時55分。会議室D。
机の上にはホットプレートとフライパン、そして小麦粉、卵、牛乳、砂糖などの材料がずらりと並んでいた。
スーツの袖をまくり、エプロンを着けて並ぶ四人の姿は、もはや完全に料理人である。
「まずは生地作りからだな」
佐倉がボウルに小麦粉を入れる。
「卵をよく溶いて、牛乳を少しずつ加えるのがコツらしいです」
片瀬は丁寧に混ぜながら、真剣な表情で説明を口にする。
山崎はというと、なぜか持参のトッピングを並べながら鼻歌を歌っていた。
「焼きバナナ、ホイップ、シナモン……俺の構想は完璧だ」
木村は静かにホットプレートを温め、フライパンを手に取った。
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生地ができると、いよいよ焼きの工程に入る。
最初にフライパンを任されたのは木村だった。
「注いで、すぐに伸ばす。ここが勝負だわ」
手際よくレードル一杯の生地を流し、素早く広げる。
丸く、薄く、美しい形に広がるクレープ。
会議室に小麦と砂糖の甘い香りが漂う。
「……おお、うまい」
山崎が声を漏らした。
「これは本気のやつですね」
片瀬も目を丸くする。
その後も順々に焼いていき、それぞれが持ち込んだトッピングで創作を始めた。
佐倉は抹茶クリームと小豆。
山崎はバナナとシナモン。
片瀬はイチゴとカスタード、さらにチョコソースを少々。
木村はシンプルにバターと蜂蜜、そして塩を少しだけふりかけるという通好みの一枚を仕上げた。
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12時40分。試食と投票タイム。
オフィス中に広がった甘い香りに誘われて、数人の同僚が見学に現れる。
試食後、それぞれのクレープに感想が飛ぶ。
「この抹茶、意外とコーヒーに合うな」
「バナナの香ばしさ、反則でしょ」
「塩バター、何これ…店出せる」
投票の結果、今回の優勝は木村の「塩バター蜂蜜クレープ」に決定した。
見た目の地味さを裏切る味の奥行きが、決め手となった。
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午後、木村の机には一枚の封筒が置かれていた。
中には一枚の紙とメモ。
『あなたを昼のスイーツ班班長に任命します
次なる挑戦:「一時間ティラミス」』
下には、片瀬の署名。
木村はふっと笑い、封筒をそっと引き出しにしまった。




