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王女とエンジニアの恋物語

    コペルニクス王国物語 葛藤編

      〜王女とエンジニアの恋物語 日常の日々〜



二〇五六年一月五日シィーズカルナスレストラン

 サラのラインの音が鳴った。サラはラインのやり取りをしながら二人と話をした。

「サラ様。実は私。シャルローズとお付き合いしていまして。来月から同棲生活を始めるつもりでいました」

「お二人とも。おめでとうございます。シャルローズさんよかったですね」

「はい。一緒に住まないかと言われたときは少し不安でしたが。今は一緒に住みたいという気持ちが大きくなって」

「その気持ちわかります」

「それで、先ほど話をして、二人でこの店を切り盛りしようかという事で話がまとまったので、報告に来ました」

「ヒロ。私達でお祝いしないと」

「そうだね。今月の売り上げもサラの保証の対象になったので、三階の二部屋を一部屋に改修して彼らに住んでもらいますか?」

「ヒロ。とてもいい案ですね。そうしましょう。改修費不足したら私達で補いますので」

「えっ。そんないいのですか?」

「エバートンさん。私達に甘えてもらっていいですよ」

「ありがとうございます」

「サラ様。一つ聞いてもいいですか」

「契約書の最後に、茶葉はシャロウイン茶葉店を。できれば取引先にしてほしいと書いてありましたが?」

「その茶葉店。ヒロの実家でお母さんの弟さんが経営しているの」

「でも無理には取引先にしなくてもいいですので」

「わかりました。取引先にします。これからサインします」

「ごめんなさい。私そろそろヒロの家に行かないと。ヒロ行きましょうか?」

「サラ。ラインの相手。マリー?」

「そうです」

「エバートンさん。契約書。明日取りに来ますので。じっくり考えてからサインしてください。あと。何か不満があるようでしたらおっしゃってください」

「分かりました」

「すいません。お会計お願いします」

「ヒロ様。お代は…………」

「申し訳ないのですが。お会計受け取ってくれないとサラが帰らないと言い出すので。お願いします」

「はい。わかりました」

 ヒロとサラはお会計をすまして。ヒロの自宅に向かった。家に着くと、マリーがサラを自分の部屋に連れて行った。

 ヒロはサラのお荷物を部屋に持って行き、くつろいだ。

 サラが二十二時になり部屋に戻ってきた。

「サラ。お疲れ様。ごめんね。マリーの家庭教師をさせているみたいで」

「えっ。家庭教師?ヒロ考えすぎ。私。マリーちゃんに勉強も教えているけど雑談も多いよ。たまにはヒロをネタに話が盛り上がるけど」

「サラ。僕をネタにするのはいいけど。脱線しすぎないようにね」

「はい。わかりました。さてと。お風呂に入りますか?ヒロは入りました?」

「まだだよ」

「では一緒に入りますか?」

「サラがよければ」

「では、お風呂に入りますか?」

ヒロとサラは一階に降りお風呂に入った。

「サラ」

「何でしょうか?」

「お腹少し。目立つようになってきたけど大丈夫?」

「うん。そうですね。正直言って結構お腹が張っていてちょっとつらい時がある」

「サラを見ていたら、ほんと女性の人すごいなと思う。僕だったら耐えられないかもしれない。

「そうかな?私は。つわりの時。すごくつらかったけど。周りの人がいろいろしてくれたので。すごく助かったし。自分一人では耐えられなかったかもしれない。今もそうつらい時もあるけど。ヒロやマーガットはつらそうな時。背中やお腹をさすってくれるでしょう。すごく助かっています。それとみんなが出産に向けていろいろな事をしてくれているので頑張れると思っています」

「そうだね。もし僕が寝ている時。つらかったら起こしてくれていいので」

「はい。ありがとう」

 サラは。嬉しそうにほほ笑み。お腹をさすりながら。元気な子を産まないと思っていた。二人はお風呂から上がると。部屋に戻りシィーズカルナスレストランの件で話をした。

「ヒロ。今月の売り上げで。来月の人件費。材料費まかなえるかな?」

「多分。大丈夫だとは思うけど。問題は二階の改修費かな?」

「マクレイガさんの会社。リフォームも手掛けているから見積りとって貰ってもいいかな」

「分かった。ヒロ。明日は仕事十二時だったよね」

「そうだけど」

「サツキに連絡とって。明日の十時にシィーズカルナスレストランに来てもらえるか聞いてみる」

 サラはサツキに電話をした。

「サラ。どうかしました?あなたから連絡くれるなんて」

 サツキは。驚いていた。

「ごめんね。早急にやってもらいたいことがあって」

「早急にやってもらいたいこと?」

「そう。トランシスにリフォームの見積もりをお願いしようと思って」

「分かった。そういう事ね。それでどこのリフォーム?」

「シィーズカルナスレストランの寮のリフォーム」

「シィーズカルナスレストランの寮のリフォーム?」

「サツキ。まだマレイドア家の物件だけど、来月から私の名義になるから」

「!えっ」

 サツキは。再度驚いた。

「それでね。できることなら急だけど明日の十時にシィーズカルナスレストランに来てもらえれば助かるのですが。伝えてもらえますでしょうか?」

「ちょっと待って。今。彼。横にいるから聞いてみる」

「えっ。隣にいるのですか?」

 今度は。サラが驚いた。

「サラ。彼。大丈夫だって」

「では。宜しくお願い致します。」

「はい。私もついていきますのでよろしくお願いします」

「分かりました」

 サラは。サツキと電話を切り。ヒロに話が済んだ事を伝えた。ヒロは明日の準備にノートパソコンを鞄に詰め。サラと一緒に床に就いた。



二〇五六年一月六日八時

 ヒロとサラは起きて朝食を頂き、片付けをしてシィーズカルナスレストランに向かった。レストランに着くと。エバートンさんが料理の仕込みをしていた。

「エバートンさん。おはようございます」

「おはようございます。契約書にはサインをしましたが。ほんとに契約書の条件でいいのでしょうか?」

「エバートンさん。昨日も伝えたとは思いますが。私達はこの店で利益をあげようとは全く思っていませんので。この店を自分の店だと思って運営してください」

「ありがとうございます。少しでも利益があげられるようにがんばります」

「よろしくお願いします」

「エバートンさん。ヴィクトリカさんをお借りしていいですか?」

「いいですけど。シャルローズ。ヒロ様が呼んでいるよ」

「は〜〜い。今行きます」

「ヒロ様お呼びですか」

「はい。ヴィクトリカさんこちらでお話ししましょうか?」

「はい」

 ヒロはヴィクトリカを奥のテーブルに連れて行った」

「サラ様。ヒロ様は。シャルローズに何の用ですかね?」

「あれ。気になります。口説いているわけではありませんので心配いりませんよ」

「!あっ。はい」

 ヒロはヴィクトリカさんにリフォームする部屋の図面をパソコンで見せて説明をして変更点があれば伝えてもらうようにお願いした。

ヴィクトリカは。パソコンの部屋の図面を確認した。

==

「おはようございます」

「サツキ。予定の時間よりだいぶ早いけど?」

「そうね。彼が。話が長くなるかもしれないからと言うから早めに来ました」

「うふ。みんな心配性ね。あっ。もしかして。私と話をすると。思っていたのかな?」

 サツキは。驚いた顔をした。

「!えっ。違うの?」

 サラは満面の笑みを浮かべ。返答した。

「そうですよ。私。リフォームの事など全然わからないし。間取りの事も全くの素人なので全部ヒロに任せています」

「そうですか。それでヒロさんは?」

「奥のテーブルでシャルローズさんと間取りの話をしている」

「おはようございます」

「トランシスさん。おはようございます」

「トランシス。お話するの。サラでなくヒロさんだって」

 トランシスも驚いた顔を上げた。

「えっ」

「奥のテーブルに居ているので行きましょうか」

「サラ。またあとでね」

「うん。あとでね」

「サラ様。あの方たちとお知り合いですか?」

「はい。私の元彼と私の親友です」

「えっ。元彼さんと親友ですか?」

「はい。」

 エバートンは。驚いた顔をした。サラだけでなくヒロの心のキャパの広さに驚くばかりだった。

「ヒロさん。おはようございます」

「トランシスさん。サツキさん。おはようございます。今日は急なお願いにもかかわらず来て頂きありがとうございます。こちらは。シャルローズ・ヴィクトリカさん」

「シャルローズさん。こちらの二人は、今回リフォームに携わって頂く。トランシス・マクレイガさんとサツキ・ビアントスさんです」

「初めまして」

 シャルローズ。トランシス。サツキの三人は挨拶をしてリフォームの話をした。

 シャルローズはヒロの作った見取り図を見てすごく喜んでいたので。それをトランシスに見てもらい。エバートンさんに部屋のカギを預かり。三人と一緒に。二階の部屋に連れて行った。部屋を案内した。寮は横五メートル、縦八メートルの長方形の一LDKの部屋になっている。トランシスはヒロの作った図面と照らし合わせて完璧な図面に驚いた。

「ヒロさん。この図面。すごいですね。うちでもこれだけの図面かける人。そうそういないですよ」

「ほめて頂き光栄です。」

「ではこの図面をもとに見積もりを算出してきますので、三日程時間を頂けますか?」

「はい。わかりました。見積書が出来ましたら。僕の家のポストに投函して頂ければ助かりますが?」

「分かりました。そうさせて頂きます」

 トランシスは。サラに話が終わったことを伝えてレストランを出て行った。サツキは、少しサラと話をして、また。明後日学校でねと言って。レストランを出て行った。シャルローズはエバートンに部屋の図面の話をしてから、ヒロとサラに感謝の気持ちを伝えた。ヒロはエバートンさんにリフォームの工事等の日程が決まれば書面で連絡しますと言ってサラと一緒にレストランから出て行き、お屋敷にサラを送る途中でライン音が鳴った。

「あら。マリーちゃんどうしたのかな?」

サラはラインを確認して。ヒロにお屋敷でなく。ヒロの自宅に行ってくださいと伝えた。ヒロは自宅に向かった。

「サラ。いつからマリーとラインしているの?」

「私が大けがをして入院していた時からかな?最初はあんまり送ってこなかったけど。最近テストも近いせいか。日に一〜三回くらい来るようになりました」

 ヒロは自宅でサラを下ろすと。ヒロは仕事に向かい。サラは家の中に入り、マリーの部屋に入っていった。ヒロは二十時に仕事が終わり、まっすぐ自宅に帰った。部屋に入ったが。サラが居なかったので一階に降りたらティモルが夕食の片づけをしていたので夕食を頂きながら話をした。

「母さん。サラはマリーの部屋?」

「そうだよ。さっきも二人で夕食を食べながら雑談をしていたよ」

「二人とも相性がいいのかな?」

「そうね。ほんとの姉妹みたいに仲が良くて。最近私も。サラさんが自分の娘みたいに思えてきて。クレマには申し訳ないけど」

「でもよかった」

「ヒロ。なにがよかったの?」

「サラが。この家とお屋敷を行き来しても。僕の家族に対して上から目線ではないし。完全に家族として打ち解けているから」

「そういえば。ヒロに国王様のお母さんの話したことがあったかな?」

「そういえば聞いたことないし。サラからも聞いたことないな?」

「そうか。サラさんも叔母様の事は話していないのだね。あんまりいい思い出がないのかも」

「国王様のお母さんって厳しい人だったの?」

「それはとても厳しい人で。第一に言っていたのが、(一般の人と話をするな?)だったの

「だからクレマの結婚時は私も出席できないどころか、祝福もできなったのよ」

「一般の人シャットアウト状態?」

「だから長くクレマと連絡取らなかったの?」

「確か三年前くらいに亡くなって葬儀していたと思うけど?」

「それなら僕も知っているけど」

 その時。サラが二回から降りてきた。

「ヒロお帰り。私の叔母様の話?」

「そうだけど?」

「サラさん。ごめんね。勝手に叔母様の話してしまって」

「いいえ。大丈夫ですよ。ただ皆さんが思っているほど厳しい人ではなかったです。皆さんが思うように。確かに一般の人とは付き合うなとは言っていましたが。対外的に言っていることであり。実際は私もフローレンスも一般の病院で生まれ。学校も偽名は使っていたけれど幼稚園から一般の人同じ学校に通っていましたし。それはお母様の考えを尊重してくれていたからです」

「そういう内部事情があったのね」

「私は。ちょくちょくお屋敷を抜け出して。外で遊んでいましたけど、叔母様はいつもお父様の事を持ち出してきて。サラはお前に似てやんちゃになったって言っていました。今思うと懐かしく感じます。そうだ。ヒロ明日。叔母様のお墓に連れて行ってもらえませんか?」

「いいよ。ほんとサラは思いたったらすぐ実行だね」

「うん。それにちゃんと答えてくれるヒロ大好き」

「あら。あら。お熱いことで」

「…………」

 サラは自分で言ったことが恥ずかしくなり下を向いてしまった。

「サラちゃん可愛い」

「…………」

「サラ。お風呂入った?」

「ううん。まだだけど」

「今日はどうする?」

「一緒に入ってもいいかな?」

「いいよ。一緒に入ろうか?」

「うん。着替え持ってくる」

 サラは二階に着替えを取りに行った。

「母さん。あんまりサラにそっち方面のネタで。話やめてあげてね」

 ヒロは。ティモルにくぎを刺した。

「はい。はい。でも可愛いね。つい突っ込みたくなるから」

「母さん」

「はい。はい。気を付けます」

 サラが着替えをもって降りてきたので、ヒロは夕食の片付けをしてサラと一緒にお風呂に入った。

「サラ。ごめんね。母さんに冷やかされて」

「ううん」

「どうかした?」

「……………」

「サラ?」

「実は………………」

 サラは。ヒロと一線を越えた時の事を話した。本当は。自分の過去の清算。一般の人と結婚の口実を作る為。ヒロと一線超えたことを話した。ヒロはただ黙って聞いていた。

「ヒロ。利用した形になってごめんなさい」

「サラ。本当の話をしてくれてありがとう。これですべてがつながった」

「すべてがつながった?」

「そう。僕が疑問に思っていた事がわかって。僕がサラと結婚できたか」

「ヒロ………………」

「大丈夫だよ。こんなことでサラを嫌いにならないから」

「ありがとう」

「ううん。この話は終わりにしよう」

「はい」

 ヒロとサラはお風呂から上がると。明日。朝早くから出かけるので床に就いた。



二〇五六年一月七日六時

 ヒロは起きて、一階に降り、朝食をパックに入れてくれるようにティモルにお願いをしてサラを起こしに再び二階に上がった。

「サラ。起きてお墓行くよ」

「ん。眠たい」

「車で寝たらいいから。起きて着替えてください」

「ううん。わかった」

 サラは着替えて、ヒロに支えられながら車に乗った。

「ヒロ。サラさん大丈夫かい?」

「ただ眠たいだけだから。大丈夫だと思うけど」

「気を付けて行ってらっしゃい」

「母さん。朝食ありがとう」

「いいえ。どういたしまして」

「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 ヒロはサラを乗せ。ティフォリア家の墓地に向かった。ティフォリアの墓地は。シャルムの市街地から高速を使い約一時間。マレイノアの市街地から北東に位置するノーザントリア国立公園の一角にあるハイソリア霊園にある。ヒロはシャルムから高速西線に入り、マレイノアに向かった。マレイノアで高速を降りマレイノア・ノーザントリア線に入って、七時過ぎにノーザントリアの町に入った。ヒロはノーザントリアで墓地に供えるお花を購入して、ハイソリア霊園に向かった。ハイソリア霊園の駐車場に車を止め。寝ていたサラを起こした。

「サラ。着いたよ」

 サラが。起きて驚いた顔をしていた。

「ううん!あれ。ヒロにここの霊園の話したことありました?」

「いいえ。聞いたことありませんが。一応、ティフォリアの王女様と結婚してので、一通りの勉強致しましたので」

「ヒロは。本当に努力家ですね」

「おかげで私はだいぶ楽をさせて頂いていますけど」

「けど。ティフォリア家の墓地の場所知らないので案内お願いします」

「わかりました」

 サラはヒロに墓地のある場所に案内した。墓地の場所はハイソリア霊園の南側の丘陵にあり、墓地から南西の方角にはマレイノアの市街地が広がっている。

「凄く景色のいいところだね」

「うん。とっても景色がいいでしょう」

 ヒロとサラはティフォリア家の墓地に行って、花を添え結婚と妊娠の報告をした。

「叔母様。報告が遅いって怒っているかな?」

「そんなことないと思うよ。よく来てくれたねと喜んでいると思うよ」

 ヒロは。霊園の広場のベンチにサラを座らせると。ティモルの作ってくれた朝食を広げた。するとサラは。目を見開いて驚いた。

「えっ。ヒロ。朝食ティモルさんが作ってくれたの?」

「そうだよ」

「私。ティモルさんの手伝いしていない」

「気にしなくていいよ。僕がお願いして作ってもらったから」

「ありがとう。ティモルさん頂きます」

 サラはティモルの作ってくれた。朝食を頂いた。

「おいしい。ヒロ。十二時から仕事なのに無理言ってごめんなさいね」

「いいよ。僕はサラが喜んでくれれば。僕自身もうれしいから」

「うふ。ありがとう」と言ってサラはヒロの頬にキスをした。

 ヒロはびっくりして固まってしまった。それを見たサラはくすっと笑った。ヒロは。お返しにと言って唇にキスをした。サラは幸せそうな顔をして。ヒロの右肩に頭を乗せた。ヒロは。右手をサラの右肩に置き、支えるように腕を回した

「サラ。そろそろ行こうか?」

「はい」

 ヒロとサラは霊園を後にした。ヒロは思ったより早く帰れそうなので。セントウイル病院に寄って。墓地に行ったことを国王様に報告に寄ることにした。病院に着き国王様の病室に行くと、国王様が主治医の先生と話をしていた。

「サラ。ヒロ君。よく来てくれたの?」

「お父様。おはようございます。今日は報告があり来院しました」

「!報告とは?」

「はい。朝からティフォリア家の墓地に行ってきまして。叔母様に結婚と妊娠の報告をしてきました」

「お〜そうか。叔母様もさぞかし喜ばれたと思うぞ」

「お父様にそう言ってもらえると行った甲斐があります」

「ヒロ君。ご苦労だったの」

「いいえ」

「そうだ。わしからも報告がある。サラ来週には退院できそうじゃ」

「お父様。それはほんとですか?」

「ああ。ほんとじゃよ」

「お父様」と言って、サラは国王様に抱き着き、泣き出した。

「サラ。よかったね」

「うん。よかった」

「サラ。そんなに喜んでくれるのか?」

「本当は。このままお父様が亡くなってしまうのではと思っていたぐらいなので」

「わしが亡くなる?どうしてそう思っていたのじゃ」

「私。妊娠しているでしょう。だから昔からの言い伝えで。新しい命授かる時古い命が消えると言われていたから。もしかしてと思って」

「そうか。でもわしは。サラとフローレンスの子供の顔を見るまでは絶対亡くならんから」

「ほんとよかった」

「お父様。今日はこれで帰りますけど退院の日決まったら教えてくださいね」

「分かった。サラに一番先に教えるようにする」

「はい。待っています」

「国王様。失礼します」

「ヒロ君。今日はサラのわがままに付き合ってあげてありがとう」

「いいえ。わがままではないので大丈夫です」

 ヒロとサラは病院を出て。一旦ヒロの家に戻ることにした。家に帰るとマリーがサラに何時まで家に居られるか聞いていた。サラは少し考えていて。マーガレットに連絡してヒロの家に来られる時間を聞いて十五時過ぎでしたら来られるとのことなので。十五時まででしたら勉強を教えられると伝えた。マリーはサラを連れて二階に上がった。ヒロは仕事に出るまで時間があったので。近くのスーパーに行って。三個入りのケーキのパックとフルーツジュース三本を買ってきて。マリーの部屋に持って行き。サラに渡した。

「ヒロ。ケーキ買ってくれたの?ありがとう。そろそろ出かける時間ですね。行ってらっしゃい。何かあれば。ライン入れときますので」

「はい。わかりました。行ってきます」

 ヒロは仕事に出かけた。サラは途中。昼食をとり。マーガレットが迎えに来る。十五時までマリーのテスト勉強を見ていて。マーガレットが来たら。三人でケーキを頂き。お屋敷に戻り。試験勉強を始めた。夕食を頂き。二十二時まで試験勉強をしてシャワーを浴びてから床に就いた。寝る前にヒロにお休みのラインも忘れずに送った。

ヒロは十二時まで仕事で帰ってから。サラのラインお返事をし。夕食を頂き。お風呂に入って床に就いた。



二〇五六年一月八日七時

ヒロは。いつものように大学へ通学する時間に家を出た。するとギルバートが特集の原稿を持っていた。ヒロに原稿を渡すと。確認をお願いしますと言って。足早に帰っていった。

 駅に着き。サラを待っていると。サラが原稿らしきものを持って。マーガレットの車から降りてきた。

「サラ。これ原稿。駐車場でギルバートさんに渡された」

「そうですか。わかりました」

 二人は電車の中で原稿を読んだ。

「サラ。今日からの試験頑張ってね」

「はい。前期より成績落さないように頑張ります」

「そうだね。お互い成績落したら何を言われるかわからないから」

「今聞くのもなんだけど。サラの成績ってどのくらい?」

「ヒロみたいに学年で一。二番を争っていないよ。だいたい学年で三十位前後かな?」

「サラ。なんで僕の大学の成績。知っているの?」

「あっ。ごめんね。お父様とお母様が、ヒロの大学の学園長から聞いた話を教えてもらったから。ただ個人情報の保護でそれ以上は教えてもらえなかったらしいけど」

「学園長。僕の情報どのくらいサラのご両親に教えているのかな?」

「そうね。私は。あまりヒロの事について両親と話しをしていないからどのくらい知っているかまでは知らないけど。多分個人情報に差しさわりがないぐらいで聞いていると思うけど」

「それならいいですけど」

「ヒロ。知られてまずいこともあるの」

「そうだね。多少はあるかもね」

「えっ。その含みは何ですかね。そうだ話は変わるけどこの原稿なのだけど?」

「サラも。違和感を覚えた?」

「うん。内容的にはいいのだけれど何かしっくりこなくて」

「どうしようか?」

「ヒロ。私が修正してもいいかな?」

「いいけど。試験勉強大丈夫?」

「原稿の修正。一時間もあればできると思うので」

「分かった」

「現行の修正が出来たら一度。メールで送るね」

「分かりました」

 ソシルの駅に電車が到着して。お互いの大学へ歩いて行った。サラは試験が終わった後。すぐお屋敷へ戻り。原稿の修正をして。ヒロにメールで送った。三十分ぐらいしてヒロからメールがあり。〈この文面でサラがよければギルバートさんに送ってください〉と送られてきたので。ギルバートさんにパソコンのメルアドを聞いて送信した。一時間ぐらいたった頃。ギルバートさんから。サラに電話があり。確認と修正してもらったお礼を言われた。サラは電話を切ると試験勉強を始めた。途中、夕食をとり。シャワーを浴びて床に就いた。


==

ヒロはいつものように。学校が終わるとバイトに行き。家に帰ってからお風呂に入ってから床に就いた。



二〇五六年一月九日十六時シャルム駅

 ヒロはいつものように。駅を降りてバス停で待っていると。トランシスが近楊ってきて、シィーズカルナスレストランの改装の見積書を持ってきた。

「ヒロさん。シーズカルナスレストランの見積書です。ご検討お願いします」

「すいません。わざわざありがとうございます」

「家まで送りましょうか?」

「いいえ。申し訳ないのでバスで帰ります」

「そうですか。では失礼します」

 トランシスは。ヒロに挨拶をして別れた。ヒロはバスに乗り見積書を見て。驚いた。予定額の七割しか要ってないので帰ってからトランシスに問い合わせた。

「トランシスさん。見積額がだいぶ低いみたいですけど大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ。今回。安くなっているのは。こちらで図面を書いていないので。安くなっています。その辺はご心配なく一度。正規の価格を出してそこから気持ちだけ値引きさせていただいています」

「分かりました。一応。サラさんに確認をとってから返事をいたします」

「はい。よろしくお願いします」

 ヒロはサラと連絡を取って改装費の話をして。ヒロが納得できる金額ならいいのではという事で。話がまとまったので。トランシスに連絡を取り。今から契約に行きますと伝えたら、こちらからお伺いしますと返事があり。ヒロはお屋敷に来てもらうことにした。ヒロは再びサラに連絡をして。今からトランシスが契約に行くことを伝えたうえで。ヒロも立ち会うことを伝えた。しばらくしてお屋敷にトランシスが着き。続いてヒロが到着した。ヒロは正式な契約書の確認をしてサラにサインをして貰い解約が成立した。

「リフォームの契約ありがとうございます。明日にでも工事日程をお知らせしますので」

「分かりました」

 トランシスは契約が終わり帰っていった。

「サラ。これでひと段落ついたね」

「うん。ヒロがいろいろしてくれたから。物事がスムーズに運んだ。ありがとう」

「僕がしてあげられることをしただけだから」

「うん。ところでヒロ。今日は急いで帰るの?」

「どうしようかな?明日から試験だけど、パソコン持ってきたからここでもできるけど」

「では部屋に行きましょうか?」

「はい。ご一緒させて頂きます」

「うふ。ではお姫様抱っこでお願いできますか?」

「えっ。お姫様抱っこですか?」

「ダメでしょうか?」

「頑張ってみます」

「よろしくお願いします」

 ヒロは部屋までサラをお姫様抱っこして部屋に連れて行った。ヒロはサラをベッドにおろしてあげると。サラが抱きついてきて。〈わがまま聞いてくれてありがとう〉と言った。

サラの喜んでいる姿を見て。ヒロは。〈重たくなったねとは言わず〉静かに床にノートパソコンを置き試験勉強を始めたので。サラも。机に座り試験勉強を始めた。時間が過ぎマーガレットが部屋に来て。ヒロに夕食の事を聞いたが。サラが一緒に頂きますので伝えといてくださいと伝えた。ヒロは。マーガレットにご迷惑ですが。お願いしますと伝えた。マーガレットは了承して調理室に伝えに行った。

「ヒロ。ごめんね。勝手に夕食のお願いして」

「いいよ。サラが一緒に夕食を取りたかった気持ちわかったから」

「ヒロ。うれしいけど。私のわがままに全部合わさなくてもいいですよ」

「まだ大丈夫かな?許容範囲だし」

「許容範囲ですか?」

「そう。許容範囲。以前に比べたら。考えて行動するようになったからね」

「自分ではわからないけど。ヒロがそう感じているのだったら。そうかな?」

 しばらく。試験勉強をしていると。マーガレットが。夕食が出来たことを伝えに来た。

サラとヒロは食堂に降りて夕食を頂いた。夕食後、クレマから、今後についての事をきかれたので二人は。今の時点でのそれぞれの考えを伝えた。

「ヒロさん。サラが王女になってもいいのですかね?」

「はい。将来。子供が王室に残り。サラの跡を継ぎたいと言ってもらえれば、サラに僕の仕事を手伝ってもらいたいと思ってはいますけど?」

「子供の判断に任せると言う事ですか?」

「はい。僕自身。自由にさせていただいているので。子供に強制的に王族を継いでくれとは言えないので。でもサラにも王族を続けてくれとも言えませんので。もし誰も継がない状況になれば。僕自身が王族に入ることも考えてはいます」

「そうですか。若いですけどほんとしっかりした考えを持っていますね。サラと結婚して頂いてよかったと思います。サラをよろしくお願いしますね」

「はい」

「サラ。六月には母親になるのだから。あんまりヒロさんに。わがまま言わないようにね」

「はい。お母様」

「サラ。二月はヒロさんのお宅で生活するのですか?」

「旅行から帰った後の事は。まだ考えていなくてすいません」

「そうですか。どうするか決めたら。早めに教えてくださいね」

「分かりました。ヒロの試験が終わり。考えて早めに返事いたします」

「お願いしときます」

 ヒロとサラは部屋に戻り、試験勉強の続きを少しして、二月の予定について話した。

「ヒロ。二月どうしたらいいと思う?」

「うん。二月?クレマ様。何か言いたそうだったけど」

「ヒロもそう感じた?」

「何か。サラにしてほしそうに思ったのだけど」

「そうか。二月に国際交流フォーラムがあって。コペルニクスに五十二か国が集まるイベントがあるの」

「それに出席してほしいのかな?」

「いつもはどうしていたの?」

「お父様が会議に出て。お母様がパーティーに出席していた」

「そうか。それだね」

「お父様。退院しても会議に出席できるかどうかわからない状況だから」

「クレマ様は国王様に無理させないつもりでいているのかも」

「お母様。今お父様の代わりに国の事で動いているから。少しでも助けになればいいかな?」

「サラが出来る事をしてあげればいいと思うよ」

「そうする。でも。パーティーの出席でしたらヒロも一緒に参加してくださいね」

「僕が要人のパーティーに出席ですか?」

「要人の対応になれていると思うので」

「慣れているというか。確かに一対一なら慣れているけど。パーティーに。出席したことないけど大丈夫かな?」

「大丈夫。私の隣にいてくれればそれでいいので」

「わかりました。サラの横にコバンザメみたいにくっついておく」

「それはくっつきすぎです。一歩下がった状態でお願いします」

「はい。わかりました。サラ。そろそろ家に帰るね」

「うん。わかりました。玄関まで見送ります」

「ありがとう」

 サラはヒロを玄関まで送って見送った。見送った後、部屋に戻る途中。クレマに呼び止められた。

「サラ。先程の話だけど」

「二月の予定の件ですか?」

「そうなのだけど。実は国際交流フォーラムのパーティーに出席に出席をお願いしようと思っているのだけれど」

「お母様。国際交流フォーラムのパーティーに出席いたしますので」

「えっ。じっくり考えてからでいいですよ」

「大丈夫ですが。ヒロと一緒に出席しても構いませんか?」

「もしかして。あなた達。私が伝えたかった事わかっていたの?」

「はい。お母様」

「では二月の十五・十六日二日間。場所はシャルム国際ビル十二階大広間。時間は十八時からです。パーティーに出席をお願いしておきます。」

「はい。わかりました」

「ヒロさんも出席と言うことにしておきますので。伝えておいてください」

「はい。お母様」

 サラはすぐヒロに連絡を取り、国際交流フォーラムのパーティーの日程を説明した>

「サラ。服装はスーツでいいのかな?」

「スーツでいいと思います。色は紺色がベストですかね」

「わかりました。今持っているスーツ古いので新しく新調しようかな?」

「ヒロ。その時一緒について行ってもいいですか?」

「別にいいけど。退屈しないかな?」

「私もせっかくだからドレス新調するつもりでいたから」

「では。期末試験終わってから一度見に行きますか?」

「はい。わかりました」

 ヒロは。サラとの話を終えた後。ティモルに国際交流フォーラムのパーティーに出席することになったと伝えた。ティモルはヒロに粗相のないようにだけを伝えた。

 三日が過ぎ。ギルバートさんが書いた原稿の週刊誌が発売になった。サラの事についての反響が大きく五十万部が販売された。

 高校。大学の期末試験が終わるとすぐ卒業式が行われた。聖スイートアッサム女子高等学校では。フローレンスの卒業式が行われた。大学へは自動進学枠に入れたので、サラと同じ造形美術科で勉強をすることになった。



二〇五六年一月二十一日八時」

 ヒロとサラは今日から春休みに入った。サラは昨日からヒロの家に来ていた。

「ヒロ。おはよう。今日は仕事何時から」

「今日は、お休み貰っているから時間の事は気にしなくていいよ」

「ありがとう。休みとってくれたのだ」

「急だったけど。店長が休んでいいよと言ってくれた」

「トラデスさんに。今度お礼言っとかないと」

「そこまで、気にしなくていいと思うよ」

「わかりました」

「そいえば。サラ。今日の調印。九時からだったよね」

「うん。そうだけど」

「そろそろ朝食を頂いてから出かけようか?」

「はい。わかりました」

「サラ。どうかした?今日の調印式に出席嫌なの」

「うん。あんまり正直言って出たくないかな?」

「そうしてもよかったのだろうけど。マレイドア夫妻がどうしても。直接息子に謝罪させたいという事で今日になったからね」

「そうなのだけど。会いたくないな」

「とりあえず。朝食を頂こうよ」

「はい」

 ヒロとサラは一階のリビングに行って朝食を頂くことにした。一階に降りるとティモルが声を掛けてきた。

「サラちゃん。ヒロと喧嘩でもしたのかい。元気ないね」

「そうですね。少し気が重くて」

「おやおや。そうか今日は調印の日かい。よかったら代わりに行ってあげようか?」

「母さん」

「ヒロ。サラさんが。いやがっているのに無理に行く必要ないだろう」

「本来はそうだろうけど。マレイドア家がけじめをつけたいので。お会いしてくださいとの要望があったから仕方ないと思うけど」

「要望があろうとなかろうと会いたくないもの無理に合わせる必要ないだろう」

「サラの今後の為には。会ったほうがいいに決まっているし。確かに合わないのもいいけれど。いずれ会議とかで合わないといけないことを考えたら。今。会っとくほうが賢明だと僕は思いますが」

「ヒロ。朝食頂いていきましょうか?」

「サラ」

 ヒロとサラは。朝食を頂いて。お屋敷に向かった。お屋敷に着くと。マレイドア夫妻・キングス・弁護士さんが応接室で待っていた。ヒロとサラはマレイドア家側と対峙する椅子に座った。しばらくして。クレマがサラの隣の椅子に座り。調印が行われた。冒頭にマレイドア夫妻が息子のキングスのした行動に対して謝罪。告訴の取り下げに対してのお礼。キングスからの謝罪が行われ。その後。弁護士さんから今回和解に応じてくれたことに対してのお礼と正式な慰謝料の提示があった。サラの希望は。シィーズカルナスレストランの経営権と建物と病院代だけだったが。治療にかかった四十日の一日当たり一万ペルの慰謝料と携帯会社の株式の株の三割を嬢渡することと言うものだった。クレマは驚いたが。ヒロもサラも驚かなかったので。範囲内なのだと考え。意見を述べなかった。こちら側に対しては。今後。この件に対しての請求はしないとのことを条件として調印を行った。調印が終わり。サラはマレイドア夫妻から握手を求められたが。まだ事件から三か月という事で。あいさつだけをして応接室から出て行ったので。ヒロも後を追うように出て行った。出て行くときにクレマから一言言われた。

「サラをよろしくお願いします」

「はい」

「サラ。ちょっと待って」

 サラは振り返り。ヒロが追いつくのを待った。

「サラ。大丈夫?」

「うん。あれ以上は耐えられなかったので。迷惑かけてしまったかな?」

「大丈夫だよ。クレマ様もわかっているし。僕はよく頑張ったと思っているから。ご褒美として。シャルム国際ホテルの最上階(二十五階)にあるマリネットガーディアンのケーキバイクに行きましょうか?」

「えっ。ケーキバイキングに連れて行ってくれるのですか?」

「はい。今から行きますけど」

「やった。ヒロ大好き」

「…………。では行きましょうか」

「うん。行きます」

 ヒロはサラを。シャルム国際ホテルのマリネットガーデンに連れてきた。

「すいません。予約をお願いしていた。ヒロ・アガパンサスです」

「少々お待ちくださいませ。予約の確認をしておりますので」

「ヒロ。予約していたの?」

「マリネットガーデンのケーキバイキング。一か月前から予約しておかないと。席が取れないのだ?」

「えっ。ヒロ一か月前からマリネットガーデンの予約をしていたの?」

「そうだよ。本当は調印のご褒美とは別で行くつもりだったのだけど。だから今日の仕事のシフトは十五時からにしていたのだけど」

「ふ〜ん。そういう事でしたのね。では今日頑張ったご褒美は別でしてくれるという事ですか?」

「えっ。…………別でご褒美ですか?わかりました。後日。今日のご褒美は別の日に。ご用意させて頂くことにします」

「さすがヒロ。そういう所。大好き」

「…………」

「お客様。お待たせしました。ご予約お預かりしております。ご案内さ得て頂きます」

 ヒロとサラは入り口を入り、三種類のチョコレート噴水の横を通り、両サイドにミニケーキの並んだ通路を通り窓際の席に案内された。

「お客様。ご来店は初めてでしょうか?」

「はい。初めてです」

「では。説明をさせて頂きます。当店は。お客様から見て右側からドリンクバーフロアー・ケーキフロアー・フルーツフロアーと三種類のフロアーからなります。ドリンクは十五種類にコーヒー・紅茶・ハーブティーがございます。ミニケーキは両サイドに各二十五種類の通常メニュー。トフルーツフロアーに限定メニューの十種類が配置されております。フルーツフロアーではフルーツとは別で三種類のチョコレート噴水がございまして。本日は。チョコレート・ホワイトチョコレート・ストロベリーチョコレートの噴水になっております。フルーツ・クッキー等を付けてお召し上がりください。

フルーツフロアーの横に六種類のアイスもご用意させて頂いていますので。そちらもご利用くださいませ。なお制限時間は二時間となっております。十五分前にこちらから御案内をさせて頂きます。もし、お分かりにならないことがあれば、係員までお申し付けください。ごゆっくりお過ごしくださいませ。

「ヒロ。一緒に回ろうか」

「そうだね。一緒のほうがいいかも」

ヒロとサラは一緒にケーキのフロアーに行き、好みのケーキを探し始めた。

「サラ。ここにモンブラン五種類並んでいるよ」

「五種類?クリームは何で。できているの?」

「マロン・ストロベリー・生ホワイトチョコレート・抹茶(日本)とあとマロンモンブランに小さい綿菓子が乗っているの」

「!ん。どうしようかな?」

「全部いる?」

「ううん」

 サラは首を横に振り。

「ホワイトチョコレート・抹茶・綿菓子のっているの」

「分かりました。ヒロはサラの行った三種類を自分のトレーにのせ。あと自分ようにガトーショコラ・苺ケーキケーキ・ココナッツミルクケーキ・抹茶ケーキを乗せた」

 次に二人はドリンクコーナーへ行き。コーラとミックスジュースをコップに注ぎテーブルに戻り頂いた。サラは三種類のモンブランを頂き。おいしいと言って。今度は一人でケーキを物色に行った。ヒロがゆっくりケーキを頂いていると、サラが戻ってきて。ブルーベリーショコラケーキ・オレンジケーキ・バナナケーキ・アップルパイ・フルーツクロワッサンケーキの五種類をトレーにのせて帰ってきた。

「おいしそうでしょう」

「サラ。大丈夫?」

「ここのケーキ軽いから結構いけるかも。最高の七十八個チャレンジしてみようかな?」

「また連れてくるからそのチャレンジはやめようね」

「えっ。まあヒロがそういうのなら。ほどほどにしておく」

「そうしてください」

 ヒロとサラはとの思惟に時間を過ごした。

「お腹いっぱい」

「サラ。さすがに四十個は食べすぎだと思うけど」

「つい。おいしかったから。でもあと二十個で全種類だったのに残念」

「えっ。サラ全種類制覇するつもりだったの?」

「実は。少し狙っていたのだけど無理だった」

 ヒロは少しあきれ顔でサラを見つめた。

「ヒロ何か言いたいことでも?」

「いいえ何もありません。ではパーティー用のドレスとスーツを買いに行きますか?」

「は〜い。」

 ヒロとサラはパーティー専門のブテッィクに行き、ヒロは紺のスーツを、サラは紺のレースワンピースドレスを新調した。

「サラ。もっとはなやかなくてもよかったの?」

「もう少し明るいのもよかったかもしれないけど。結婚したし落ち着いた感じの色がいいかなと思ったので。少し落ち着きすぎですかね?」

「そんなこともないよ。落ち着いた感じでとっても似合っていたよ。確かに結婚していますと言う感じは出ていたと思うよ」

「そう言って頂けて良かったです」

「そう言えば仕上がり二十八日って言っていたね」

「そうですね」

「旅行の時。持って行って。夕食の時でも来てみようかな」

「ヒロ。私も持って行っていいですか?」

「いいと思うよ」

「では。服が仕上がったら。スーツケースに入れといてもらえますか?」

「分かりました。そういえば。マーガレットさん誰と行くのか決まっているの」

「あれ。ヒロに言ってなかったかな?マーガレットの妹さんの事」

「聞いてない。マーガレットさん妹さんいたのだ」

「そうなのです。三歳下の妹さんがいて。名前は確かシャルティアさんだったかな」

「三歳下と言う事は。僕達の一つ下?」

「そういうことになりますね?」

「会うの。楽しみだな?」

「楽しみですか?」

「サラなんか怒ってない」

「いえ別に」

「そうですか。サラこれからどうする?」

「ヒロの家に戻って少しゆっくりしたいかな」

「では家に帰りますか」

「よろしくお願いします」

 ヒロとサラは家に帰ると。旅行の準備を始めた。

「ヒロ。今。イギリシア寒いよね」

「そうだね。昨日調べたら。最高気温が十二度で最低気温が四度だから長袖の服か。コート系の服がいると思う」

「長袖?最近寒い国に行ってないからな・お屋敷戻って探してみないと」

「そうだよね。コペルニクスは温暖でこの時期でも最高気温が二十三度。最低気温が十五度度だから。長袖の服いらないからね」

「ヒロ。明日の仕事。十一時から二十四時でしたよね」

「そうだけど」

「明日の朝。お屋敷まで送ってくれますか?」

「それは構わないけど」

「ティモルさん。二十三日の月曜から夜勤だから月曜日の夕方に戻ってくればいいか?」

「!サラ。月曜の夕方戻ってくればいい?どういう事ですか?」

「あれ。ヒロに伝えていませんでした?」

「何のこと?」

「私が。ティモルさんの夜勤が始まる。二十三日の夕食から三十日朝食までアガパンサス家の食事の用意をする事」

「えっ。聞いてないし。サラ大丈夫なの?」

「では。信用ないのでしたらヒロの分は作りません」

「えっ。僕の分なしですか?」

「失礼なことを言った罰として。ヒロは食事なしです」

「サラ様。それだけはお許しください」

「遅いです。三十日の夜にティモルさんに作ってもらってください」

 ヒロはサラの一言にへこんでしまった。

「その夜の夕食時。ヒロがへこんでいるヒロを見て。ティモルが事情を聴き、サラに。今回だけヒロの分の食事も作ってくれるようにお願いした。

「サラさん。ヒロも反省している事だし。今回だけは私に免じて。食事を作ってあげてくれないかね」

「えっ。わかりました。ティモルさんが。そうおっしゃるのでしたら。今回だけ違う罰にします」

「そうしてくれる。ありがとうね」

「ヒロ。よかったね。でもこれからは失言をなくすように」

「はい。サラ。失言。すいませんでした」

「はい。これからは気を付けてください」

「はい」

「二人の関係性ってはたから見ていると面白いね」

「母さん。あんまり面白がらないでください」

「はい。はいはい。でもいい関係だね」

「ティモルさん。周りから見て私たちの関係っていいと思われますか?」

「とても良い関係に。見えますよ」

「よかった。少し気にはなっていたのですが」

 ヒロとサラは夕食を頂き一緒にお風呂に入った。

「サラごめんね」

「ううん。もういいよ」

「えっ。怒っているのではなかったの?」

「私が?私全然怒ってないよ。ちょっと上げ足とってヒロの反応見たかっただけだから」

「えっ。サラ。ひどいよ」

「でも失言したのは事実ですから。罰ゲームな何にしようかな?」

「はい。わかりました罰ゲーム。お受けします」

「素直でよろしいです」

「では。お風呂あがったら。お姫様抱っこで二階まで運んでくださいね」

「分かりました」

 ヒロはお風呂から上がると。サラを二階まで運びベッドに静かに下ろした。サラは手を広げてヒロを読んだ。

「ヒロ」

「サラ。どうかした?」

「女の子に言わせるつもり?」

「いいの?」

「今日で当分お預けにするから?」

「分かった」

 二人はお腹の子を気にしながらも愛し合った。行為が終わり、ヒロが〈このまま寝よう〉と言ったがサラが〈お腹が冷えるといけないので〉と言いパジャマを着ようとしたら、ヒロが後ろから抱きついて、二回戦に突入しようとした。サラは、少し拒んだが当分お預けを考えたらと思いヒロに体を預けた。二回戦が終わり、サラがネグリジェを着た時、ヒロを見たら、爆睡していたので、寝顔をスマートフォンで撮影し、床に就いた。



二〇五六年一月二十二日六時

 サラは、起きてティモルの朝食の手伝いをした。

「ティモルさん。おはようございます」

「おはよう。明日かお願いしますね」

「はい。頑張ります」

「一人で大変だと思うから。ヒロやマリーに手伝ってもらってね」

「はい。わかりました」

 サラは手伝いが終わると。ヒロを起こしに行った。

「ヒロ様。起きてください」

 サラは。いつもと違う口調でヒロを起こした。ヒロは一瞬びっくりして飛び起きた。それを見て、サラはクスッと笑った。

「今の声。サラ?」

「ほかにどなたかいます」

「ほんとびっくりした。何か違う場所で寝て起こされたのかと思った」

「違う場所ってどこですか?」

「サラ。そこ突っ込みますか?」

「私は。ただ単に。ヒロの思もっていた。違う場所は。どこかなと思っただけですので」

「すいません。一瞬。以前泊まったことのある子のとこかなと思いました」

「正直に答えてくれましたね。サラがいるのに違う子の所へ泊った。やばい監獄送りになるって思いました」

「はい。一瞬そう思いました。サラ。心臓に悪いので今度から普通に起こしてください」

「考えておきます。それよりヒロ朝食出来ました」

「分かりました。着替えたら下に降ります」

 ヒロは着替えて、サラと朝食を頂いた。朝食の片づけをした後、部屋に戻り出かけるまで旅行の日程の話をした。

「ヒロ。イギリシアに行く日。七時三十分のフライトだけど家を何時に出る予定ですか?」

「一応。六時に出る予定にはしていますけど?時間がどうかした?」

「マーガレットとシャルティアさんをどうするか決めないといけませんね」

「シャルム国際空港に集合でいいと思うけど?」

「私は。車で一緒に行くほうがいいと思うのですが」

「確かに空港で待ち合わせするよりは時間の無駄はなくなるな?」

「では決まり。マーガレットとシャルティアさんは。こちらから乗せていくという事で」

「分かりました。では搭乗手続きをしてから朝食にする予定なので。六時に待ち合わせをします。僕達は五時四十五分に出ます」

「はい。わかりました」

「待ち合わせ場所はどうしますか?」

「しまった。マーガレットの部屋が狭いから。シャルティアさんホテルに泊まると言っていた。このままだと二か所よらないといけない。シャルム国際空港まで高速で三十分。搭乗手続き等で三十分。朝食で三十分。予備時間。搭乗時間を三十分の二時間としているから、ホテルの場所にもよるけど。たぶん駅前のビジネスホテルだと思うので。やっぱり。プラス十分の五時三十五分までには出て行かないと」

「えっ。てことは最低でも四時四十五分起床ですか?」

「そういうことになりますね」

「ヒロ。今日お屋敷に戻った時。マーガレットと話してみる」

「うん。それがいいと思う。できれば一か所だけだしたら。五時起きで行けますので」

「うん。五時起床のほうが。私は助かりますので」

 ヒロはサラを車に乗せお屋敷によってから仕事に向かった。

 サラはお屋敷に戻ると、クレマと話をした。

「お母様。今月の三十日・三十一日。マーガレットと妹のシャルティアさんにお部屋を貸してもよろしいですか?」

「ん?サラがよろしければ構いませんが」

「では決まりですね。お母様ありがとうございます」

「ところでサラ。学期末テストの結果はどうでしたか?」

「あっ。そうだ今日だった。部屋に戻って確認します」

「いつものように私のスマートフォンに転送してください」

「分かりました。お母様」

 サラは、部屋に戻るとノートパソコンを開き、大学のホームページから、学期末の成績結果をクリックして、自分の成績を確認した。サラは成績を見て驚いた。〈えっ。成績トップテンの九位に入っている?前期が三十二位だったからだいぶ上がっている〉

 サラはクレマに成績表を転送した後。マーガレットを部屋に呼んだ。

「お嬢様お呼びですか?」

「はい。今度の旅行の件でお呼びしました」

「旅行の件ですか?」

「はい。空港への往復の件とシャルティアさんの宿泊の件についてです」

「お嬢様。どういう事でしょうか?」

「ヒロと相談して。マーガレットとシャルティアさんを一緒に空港まで連れて行って一緒に搭乗手続きをして一度解散して飛行機に搭乗することにしては。と言う話になったのですけどどうでしょうか?」

「私が妹を連れて。ヒロ様のお宅に行けばよろしいでしょうか?」

「そうではなく。ヒロと私がマーガレットとシャルティアさんをお迎えに行きますので」

「そんな。申し訳ないので私がお迎えに参ります」

「ううん。マーガレット今回だけどいいのでヒロの顔。立ててもらえませんか?」

「しかし。二か所もよって頂くのは抵抗がありますので?」

「その件なら心配しなくてもよろしいですよ」

「?」

「この部屋をシャルティアさんの宿泊に使ってください」

「!そんなめっそうもないです。妹を旅行に連れて行っていただく上に。お嬢様のお部屋に妹を泊めるなんてできません」

「マーガレット。三十日・三十一日。シャルティアさんと二人でこの部屋に宿泊するように。これは私からの命令です」

「お嬢様よろしいのですか?」

「はい。お母様にも許可はとってありますし。シャルティアさんは。マーガレットの付き添いで頂くので私にとってお客様ですので」

「お嬢様。いろいろ気を使って頂いてありがとうございます」

「二月一日の六時にお屋敷にお迎えに来ますのでよろしくお願いします。妹さんと水いらずで。過ごしてください。あと三十一日お休みにしていますので」

「お嬢様。ありがとうございます。妹も喜びます」

 サラは家族と昼食を頂くとマーガレットを連れてスーパーに行き。夕食の食材を購入してアガパンサス家に向かい。ヒロの家の前で下ろしてもらい。マーガレットをお屋敷に戻した。家に入ると。ティモルさんは寝ているようで静かだった。サラはスーパーで買ってきた食材を冷蔵庫に直すと。二階に上がり。スマートフォンで。イギリシアの状況を少し確認してから。少しお昼寝することにした。十七時十五分頃。部屋のドアがノックされサラが返事をするとマリーが入ってきた。

「サラお姉さん。アイスケーキ買ってきたので一緒に食べませんか?」

「うん。頂きますので下に降ります」

 サラはマリーに連れられ、一階のリビングに降りた。ティモルが起きて仕事に行く用意をしていた。

「サラさん。マリーがね。お礼がしたいからとアイスケーキを買ってきてくれたよ」

「お礼ですか?」

「あれ。マリー。まだ伝えてなかったのかい?」

「うん。なんか恥ずかしくて」

「マリーらしくないね」

「そうだけど」

「マリーちゃん。何の話?」

「実はね。学期末試験。学年で二十九位だったの。前期が二百四十人中百五十一位だったから。びっくりしたのと信じられないのがいっぺんに来て。まだ整理がつかない状態何だけど。でもサラお姉さんにはお礼を言わないと思って。バイト先のアイスケーキを買ってきたのですが。私。このぐらいしかできませんので」

「成績上がってよかったね。私のおかげではなく。マリーちゃんが努力したからだよ。私もマリーちゃんやヒロと勉強したから。学年で初めてトップテンに入れたし。私からもお礼したくらいのに。ありがとう」

「話はそのぐらいでアイスケーキが解けるから頂きましょう」

「は〜い。」

 三人でアイスケーキを頂いた。サラは初めての触感に感動した。

「アイスケーキ初めて食べるけど。とてもおいしい。マリーちゃんありがとう」

「ううん。サラお姉さんへのお礼ですから」

「二人を見ていると。会うたびに親密になっていくね」

「はい。そんな感じになっていますかね」

 サラは。アイスケーキを食べ終わると、夕食の準備に取り掛かった。ティモルは少しだけサラの夕食の準備の動きを見てから仕事に出かけた。サラは夕食を作り終えると、イギリシアの情報をネットで調べた。アキレアが帰ってきて夕食の仕上げをして、マリーを呼び三人で夕食を頂いた。サラは、夕食の片付けをして、お風呂に入り二十一時には床に就いた。

二十四時三十分になりヒロが仕事を終え帰宅してきた。自分の部屋に入り、サラが寝ているので荷物を置き、着替えを持って一階に降り、ヒロはリビングで夕食を頂き、お風呂に入り床に就いた。



二〇五六年一月二十三日六時

 サラは起きて朝食の用意を始めた。しばらくしてヒロが起きて来て。サラの手伝いを始めた。アキレアも起きてきてパソコンでニュースを読んでいた。

「父さん。朝食置いとくね」

「ありがとう。ヒロ。イギリシア旅行。一日からだったかな?」

「そうだけど。どうかした?」

「今。イギリシア。インフルエンザが流行っているから。サラさん。大丈夫か?」

「うん。心配はしているけど。二月の後半はお互い予定が多くて。旅行の日程が組めないので一日からになった。ただマスクは一般用でなく。工業用のマスクを持って行くことにしたから」

「まあ。それなら少しは安心かな」

「ヒロ。一般のマスクと工業用マスク。どう違うのですか?」

「一般のマスクはメーカーによって違うけど。簡易マスクと呼ばれる一層から五層のマスクと。それ以上の層の工業用マスクがある。工業用はそれぞれの業種にあった特化していて。僕が持って行こうとしているのは。微粒子をほぼ百パーセント除去してくれる使い捨てマスクを持って行こうと思っている。そのマスクは放射能区域でも使用できるものなのだ。でも長時間できるかは未知数だから五層の簡易マスクも持って行くから。」

「マスクもいろいろあるのですね」

「そうですね。用途があるほどマスクも同じだけありますから」

「ヒロ。そろそろ行くから」

「はい。父さん行ってらっしゃい」

「行ってらっしゃい」

 アキレアをヒロとサラは見送りした。

「ところでヒロ。今日はアルバイトお休み?」

「うん。休みだけど?」

「今日は。どこに連れて行ってくれるのですか?着いてからの楽しみは。無しでお願いします」

「分かりました。今日はモントドアルの海岸線を見ながら。お昼に海鮮バーベキューを頂いて時間があれば砂浜を歩いて。その後。モントドアルショッピングセンターで買い物して帰ってくる予定です」

「わかりました。モントドアルの海岸。久しぶりだな?」

「今日はお弁当無しで」

「は〜い。わかりました。運動してお腹すかせないと?」

「サラ。バーベキューで食べる気満々だね」

「当然。二人分食べないといけませんので」

「そうですね。でも食べ過ぎないようにね」

「わかりました」

 サラは。マリーの昼食のお弁当を作り。片づけをして部屋に戻りデートの準備をした。九時になりヒロと出掛けた。サラは車に乗ると眠くなり、助手席で寝てしまった。ヒロはそっとしておこうと思い。モントドアルに到着するまで起こさないようにした。二人を乗せた車はシャルム高速西線に入り。マレイノアで一般道に入り。モントドアルに向かって走った。マレイノアから一時間走り。モントドアルの市街地に入った。そこから十五分で海岸線の道路に出た。全長三十キロに及ぶ長い海岸線、サンシャイン海浜公園と違い、海の色はエメラルドグリーンで、西風が吹く海岸線を走らせた。道沿いのシャルマンシーフードのかんばんの出ている店の駐車場の入り、サラを起こした。

「サラ。着いたよ」

「!ん。着いたの。いつのまにか寝てしまっていたのね」

「よく寝ていたから起こさなかったけど。よかった?」

「うん。おかげさまですっきりしています」

「なれないこと頑張っているからね」

「そんなことないですよ。一人で行っているわけではないので」

「ううん。そんなに謙遜しなくてもいいよ」

「ありがとう」

「時間早いし。海岸歩こうか?」

「うん」

 二人は、車を降りて海岸線を降りた。波は風のせいか少し高いが、ヒロとサラは、はだしになり、海に入った。

「わあ。冷たい。この時期は夏と違い冷たいね」

「そうだね。コペルニクスも昔は。この時期。冬と言われる季節で。雪も降っていて。海はもっと荒れていて個々で海岸に来る人はいなかったと言われているみたいだけど」

「ヒロ。昔の事詳しいのね」

「うん。温暖化に興味があって。いろいろ調べていた時期があったから」

「ヒロ温暖化の事も調べたことがあったの?どうりで気候変動について詳しいわけね」

「それほどでもないけど。あっ。そろそろ予約の時間だ。足を洗ってバーベキューにしますか?」

「は〜い。食べるぞ」

「サラ。そんな気合い入れなくてもいいよ」

「しっかり食べないと。お腹の子に栄養がいかないので?」

 ヒロはサラの言葉に苦笑いしながらも。急ぎ足でバーベキューハウスに向かい。店内に入っていった。待合室で待っていると。店員の女性が対応してくれ。ヒロは二人分の料金を支払い。その後。店員さんがテーブルまで案内をしてくれ。説明をしてくれた。

「お客様こちらのテーブルでよろしいですか?」

「はい」

 定員さんは。僕達を海側の席に案内してくれた。

「お客様。コンロに火を入れさせて頂きます」

 コンロに火を入れると。中に入っている炭が少しずつ赤くなり始めた。

「当店のご来店は初めてでしょうか」

「二回目です」

「ではご説明はよろしいでしょうか?」

「はい。制限時間は十三時までとなっていますので、時間延長は十五分前までにお申し付けください。わからないことがあれば係員までお申し付けください」

「わかりました」

「ごゆっくりどうぞ」と言って、コンロの火を切った。炭に火が入り赤々と燃えている。

「ヒロ。ここは初めてではないのですね」

「そうですね。でも女性と二人で来るのは初めてです」

「そういう事ですか?」

「はい。食材を取りに行きましょうか?」

「は〜い」

 サラは。前回は誰と来たのか分かったのであえて質問しなかった

「ヒロ。私どうしたらいいですか?」

「サラは食べたい食材を二人分。お皿にのせてテーブルに持って行ってもらえば、あとは僕が持って行きますので」

「分かりました。二人分ですね」

「そうです。でも持って行きすぎないようにお願いしておきます」

「は〜い。わかりました」

 ヒロは嫌な予感を覚えながらも。たれとドリンクをテーブルまで持って行った。

サラが戻ってきてお皿を見ると。嫌な予感が的中した。

「サラ。このお皿お肉とソーセージ類しか入ってないけど?」

「!ん。野菜の事?ごめんお肉しか見てなかったので。ヒロ。野菜お願いします。私はレタスだけでいいですので」

「はい。わかりました」

 ヒロは、テーブルを離れ。魚介類と野菜をお皿に入れテーブルに戻った。

テーブルに戻ると、サラはお肉を焼いておいしそうに食べていた。

「サラ。お肉焼くの。上手になっているね」

「おかげさまで。自分でおいしく焼けるようになりました」

 ヒロとサラは。いろいろな食材を焼いて食べた。二人で二時間楽しいひと時を過ごした。

 バーベキューを頂いた後。モントドアルショピングセンターに、旅行用の服と今日の夕食の食材を購入しに向かった。

「ヒロ。シャルムとかサノバラのショピングセンターとはまた違う感じですね」

「うん。ショピングセンターも。地域によって住んでいる人や環境とかで。おいているものがいろいろ変わるから結構面白いよ」

「そうね。確かに何か少しずつ違うので何か新鮮な感じがする」

 二人はショピングセンター内のブッティクに行き、旅行用の服を探した。

「サラって長袖のワンピース持っていたよね」

「うん。持っているけど。それがどうかしましたか?」

「ううん。その上にはおる。カーディガンカポンチョを購入したらいいかなと思って」

「そうですね。長袖のロングのキュロットワンピースも見てみようかな?」

「いいですね。サラがどういう感じの服を選ぶか楽しみだな」

「ヒロ。趣味がおじさん化していません」

「えっ。そう思う?」

「うん。なんか変質者が横にいるみたい」

「サラ。それひどすぎ。言いすぎだよ」

「そうですか?それはどうも失礼しました」

「なんか。心こもっていないけどいいか。サラが謝ってくれたし」

 ヒロはサラが気になると思い。サラに自由に買い物をさせた。サラが買い物を終えヒロの所にも戻ってきた。

「サラ。良い服ありましたか?」

「うん。全部で五点購入しました。自分としては九十点ぐらいの買い物だったかな?」

「いいのがあってよかったね」

「うん。夕食の材料。購入して帰りましょうか?」

「はい。一階の食料品売り場に行きますか」

 ヒロとサラは一階に降り夕食の食材を購入して家に帰った。家に帰るとティモルがまだ寝ている感じだったので。夕食の食材を冷蔵庫に直すと二階に上がった。サラは家に入る時。ヒロあてに届いていた郵便物を渡した。

「ヒロ。特許庁から郵便物が届いていたけど何かしらの申請をいたしました?」

「うん。何個か申請はしているけど。何だろう?」

 ヒロは封筒を開けて驚いた。ヒロが半年前に出していた。新しい発電システムの特許が下りたのだ」

「ヒロ。特許とった発電システムはどういうものですか?」

「うん。超電導モーターを使った発電システム」

「!無重力の施設で、超電導モーターで発電気を回す?無重力状態で発電機を回すとどうなるのですか?」

「部品の劣化や摩耗が無くなるので交換がほぼ要らないので点検だけで済む」

「すごい。発明ですね」

「僕の今できる知識の集約かな。偉そうに言っているけど。本当は特許とれるかどうかわからなかったし。使ってもらえるかもわからない代物だから」

「でも特許とったし。今夜はお祝いしないといけないな?」

「いいよ。お祝い何て?」

「えっ。ヒロでも照れることあるの?」

「ありますよ。」

「とりあえず。ヒロ。おめでとう」

「ありがとう。」

 サラは夕食を作りに一階に降り、リビングに行くと、ティモルが仕事に行く用意をしていた。

「ティモルさん。おはようございます」

「おはよう。朝食おいしかったよ」

「ありがとうございます」

「冷蔵庫に見慣れない食材があったけど。どこのスーパーで仕入れてきたの?」

「はい。今日ヒロが休みだったので。モントドアルのショピングセンターに連れて行ってもらい。食料品売り場で購入しました」

「それで。見慣れない食材があるのだ。それで何を作るの?」

「シーフードグラタンを作る予定でいています」

「そう。明日の朝楽しみだな」

「はい。楽しみにしておいてください」

 サラは夕食の準備に取り掛かり。ティモルは仕事に出かけた。サラは。ヒロの為に手作りケーキもチャレンジした。夕食が出来上がり。みんなで食卓を囲んでいたら、全員がサラの作ったケーキに注目が行った。

「すごいこのモンブランケーキ、サラお姉さん作ったの?」

「レシピをネットで見ながら、頑張って作ってみました」

「今日。誰か誕生日だったかな・」

「いいえ。ヒロが。特許とったお祝いです」

「ヒロが特許とった?」

「はい。発電システムの特許を」

「ヒロ。大学入学してから構想して、何ヵ月前化に仕上がって特許庁に送ったって言っていたもの?」

「そう。その節はアドバイスありがとうございました。おかげさまで特許をとる子田が出来ました。ありがとございます」

「えっ。アキレアさんも携われていたのですか」

「そう。無重力の発想。父さんなのだ」

「やっぱり。アキレアさんも開発者ですね」

「いや。そんなに褒められることではないので。ヒロ。おめでとう」

「父さん。ありがとう。父さんに何かしないと」

「いいよ。サラさんの手作りケーキを頂けるだけで」

 夕食も和やかに進み、全員。サラの作ったケーキをおいしと言って頂き、それぞれの部屋に戻っていった。ヒロはサラと一緒に片づけをして、お風呂に入り床に就いた。数日が過ぎ退院が延びていた、国王様の退院日が三十日に決まった。



二〇五六年一月三十日六時

 サラは。いつものように朝食の支度を始めた。ヒロは忙しくて寝る時間が遅くなったのか熟睡していた。サラは初めて一人で朝食の準備をした。朝食が出来た頃にアキレアが起きてきて朝食を頂き。仕事に出かけた。八時になりヒロを起こし。一緒に朝食を頂き片付けをしてから。セントウイル病院に出かけた。ヒロはサラを病院で下ろし。仕事に行った。サラは国王様の病室に向かった。

「お父様。おはようございます」

「サラ。早いのう。あまり無理せずともよいぞ」

「大丈夫です。身重の体ですが。お父様より数倍も元気ですので」

「ほう。サラもなかなかいうようになったの」

「はい。私自身。しっかりしないと六月には母親になりますから」

「そうだったの。あと四か月か?楽しみにしているぞ」

「はい。お父様にも子育てお手伝いしてもらいますので」

「えっ。わしも子育て手伝うのかい」

「はい。当然して頂きます」

「わかった。頑張ってみるとしようかな」

「よろしくお願いします」

 サラと国王が子育ての話で盛り上がっている間にクレマが到着した。

「お二人とも。何お話でそんなに盛り上がっておられるのですか?」

「おっ。クレマか。サラがわしに子育ての手伝いをしろというから。子育ての仕方で盛り上がっていたのだ」

「あなたが子育ての手伝いですか?」

「サラも無理なことを言いますね」

「お母様。無理なことではありません」

「お父様に。やって頂くことに意義がありますので」

「サラ。あなたの気持ちはわかりました。でも。できる範囲で構わないですよね」

「はい。できる時にお手伝いして頂ければと考えていますので」

「わかりました。子育ての件は頭に入れておきます。そろそろお屋敷に戻りますよ」

「はい。お父様荷物お持ちします」

 サラは国王の荷物を迎えの車まで持ち。今日から当面。療養するノーザントリアの療養施設に向かった。一時間程でノーザントリア特別保養所についた。保養所も当然ながら皇族。高官。大手企業のトップの人が療養するので一般の人は利用できない。保養所の駐車場に車を止めると。サラとマーガレットが荷物を持ち。国王。クレマと一緒に保養所の中に入っていった。約五百坪の土地に二十畳の部屋が一階と二階に書く十五有り、レストラン・スポーツジム件リハビリセンター・シャワールーム・大浴場・売店と完備されている。国王は二階の角部屋で当面療養しながら。クレマの仕事のサポートをすることになっていた。

「お父様。ここでよろしかったですか?」

「サラ。重たかっただろう。身重の身なのに申し訳ないの」

「お父様。心配なさらなくとも大丈夫ですよ」

 サラは。国王に抱きついた。

 そして一言。

「お父様」

「どうした?」

「お父様。お母様。療養施設一回りしてきます」

「!」

 クレマは心の中で〈サラ〉と叫んでいた。

「マーガレット。サラと一緒に施設を回ってあげてください」

「はい。奥様かしこまりました」

 サラはマーガレット一緒に部屋を出て行った。

「お嬢様。どうかされましたか?」

「ううん。何でもないです。ただ散歩しようかなと思って」

「そうでございますか」

 サラは。マーガレットと一緒に施設内を見て回った。売店を見ている時、五層構造のマスク(十枚入り)が売っていたので、二袋購入し、マーガレットに渡した。

「お嬢様。マスクお預かりしておいたらよろしいですか?」

「ううん。それは今度旅行に行く時の、マーガレットとシャルティアさんの分です」

「私と妹の分ですか?」

「そうです。」

「…………。よろしいでしょうか?お嬢様の分は?」

「私の分はヒロが用意してくれていますので」

「ありがたく頂きます」

「マーガレット。私と二人の時は普通に話してもらっていいですよ」

「めっそうもございません。普通に話しているところを他の皇族の方々に見られると問題になりかねますので」

「それもそうですね。わかりました。私も気を付けます」

「マーガレット。シャルティアさん何時の電車で到着します?」

「一応。サノバラ八時発の特別急行に乗れたので十七時には到着する予定です」

「マーガレットの故郷は、ユメリアでしたよね」

「はい。そうです」

「サノバラからどのぐらいかかるの?」

「はい。最近高速が出来たので。車でサノバラまで三時間です。以前は五時間かかりましたので。電車は、急行がサノバラまで行くので二時間で行けます」

「ううん。今は無理かな?」

「!お嬢様。私の故郷に来られるおつもりですか?」

「一度行ってみたいなと思っていたのですが。子育て落ち着いてからにします」

「お嬢様。そうされてください」

「は〜い。そうします」

 サラが部屋に戻ると、クレマがお屋敷に戻ることを伝えてきた。

「サラ。お屋敷に戻りますので。忘れ物がないようにね。」

「はい」

「お父様。明日の夕方。たぶん十七時頃になると思いますけど、ヒロを連れてきますので」

「サラ。明後日から。イギリシアに行くのに。無理してこなくていいぞ」

「そうよ。ヒロさんも大変だから。旅行帰ってからにしたら」

「…………。わかりました。旅行から帰ってからにします。お父様。お土産何がいいですか」

「そうじゃ。今ワインが飲みたいから。イギリシアでしか販売していない。ワインを買ってきてくれたらうれしいかな?」

「分かりました。ヒロに伝えておきます」

「ヒロ君?」

「お父様すいません。私ワインまったくわからないので」

「そういう事か」

「はい。旅行帰ってからヒロと来ますので。ワイン楽しみにしておいてください」

「分かった。気をつけて」

「はい」

 サラは。クレマとマーガレットと一緒にお屋敷に戻った。戻るとすぐ昼食をとりクレマはシャルム城へ行く用意をしていた。

「そういえば。サラ今日の夕食はどうなさいますか?」

「今日の夕食は。ヒロの家で頂きますので」

「そうですか」

「お母様。何か御用がおありでしょうか?」

「今日。マーガレットの妹さんが来られるのでどうするのかなと思っていたのですが?」

「今日はマーガレット。妹さんと二人で外食する予定だったと思いますが?」

「そうなのですね。わかりました」

 クレマは、シャルム城に出かけた。サラは自分の部屋に戻り、片付けと旅行に持って行く長袖のワンピースを、クローゼットから出してベッドの上に置いた。サラは、少し疲れた感じだったので、ベッドに横になったらいつのまにか寝てしまった。


====

 クレマはシャルム城の第一会議室に入った。

「クレマ王妃が来られましたので。二〇五六年度予算会議を始めます」

 先のミサイル着弾事件で世界屈指の防衛網を突破されたことが響き。防衛システム関係の輸出が伸びず。輸出額が世界第三位まで落ちたことで。予算会議は紛争し。話し合いの結果十三パーセント下がった収入を皇族への分担金を減らすことで合意された。次回、会計監査の承認を得るための会議が二月六日に決まった。


====

 ヒロは仕事が終わり。サラにラインを入れても返事がないので。お屋敷に車を走らせた。車を駐車場に止め。玄関のチャイムを鳴らした。マーガレットさんが不在なので、代わりにリリーさんが対応してくれた。

「リリーさんこんばんは」

「ヒロ様。どうかなされましたか?」

「サラと連絡が取れないので」

「サラ様は。お休みになられていて。奥様に相談しましたら。そっとしておいてあげてくださいと言われましたので。そのままにしております」

「中に入ってもいいでしょうか?」

「あっ。失礼しました。どうぞお入りください」

 ヒロは中に入ると。サラの部屋に向かった。ドアをノックすると。眠そうなサラの声がした。

「どうぞ」

「サラ。大丈夫?」

「!ヒロ。今何時ですか?」

「十八時二十五分かな?」

「!えっ。もうそんな時間?完全に寝てしまった。ほんとごめんなさい」

「サラ。何に対して謝っているの?」

「迷惑かけたので。謝罪したのですが」

「迷惑かかってないので大丈夫ですよ。サラ。ベッドに置いてあるワンピース旅行用?」

「あっそうだ。置いたままになっている。片付けも終わってないどうしよう?」

「僕も手伝うから。指示お願いします」

「ごめんね。ヒロ。片付け手伝わせてしまって」

「いいよ」

 サラとヒロは。部屋の片付けをして。マーガレットとシャルティアが気兼ねなく、使えるようにした。一時間程で片付けが終わり。二人はヒロの自宅に向かった。二人は。家に着くと、リビングに行き、久しぶりのティモルの夕食を頂いた。

「やっぱり。ティモルさんの料理おいしい」

「サラちゃん。そんなお世辞言わなくてもいいですよ」

「お世辞ではありません。ほんとにおいしいです」

「サラさんの料理もおいしかったよ。私とは違う味を出していたから」

「ヒロ。サラさんの料理どうだった。いつもおいしく頂きましたよ」

「それだけ」

「母さんは僕に何を求めているの?」

「別に求めてないけど。サラさんの料理。どう感じたか聞きたかっただけですから」

「おいしかったです。ほかに言葉がありません」

「なんかそっけないね。あら。サラさん。メイドさん来ているわよ?もう一人可愛らしい子もいているけど。誰かな?」


==

「姉さん。急に押し掛けて。大丈夫?」

「どうして?」

「サラ王女。気難しい人でしょう?」

「以前のお嬢様はね。ヒロさんと知り合って。ものすごく変わったというか。本来の自分の姿を見せてくれるようになったの」

「人って。そんなに変わることが出来るのかな?」

「変われると思いますよ」

「マーガレット。どうかした?」

「お嬢様。部屋にワンピースが置いたままになっていたので」

「マーガレット。わざわざ持ってきてくれたの。ありがとう」

「ティモルさん。上がってもらってもいいですか?」

「私は構わないけど」

「ティモルさんの許可が下りたから上がって」

「あっ。はいお邪魔します」

「サラ。スーパー行ってケーキでも買ってくる」

「よろしくお願いします」

 サラはマーガレットとシャルティアをリビングに案内した。

「シャルティアさん。お久しぶり。いつ以来かな?」

「高校の卒業旅行で。シャルムに来た時に。お会いして以来ですので。二年ぶりですだと思います」

「二年ぶりという事は。二十歳ですか?」

「はい。そうです」

「シャルティアさん。イギリシア語は大丈夫ですか?」

「はい。多少は大丈夫ですが。心配なのでスマートフォンに通訳アプリを入れてきました。

「凄い。準備万端ね」

「ただいま」

「お帰り。ケーキまだ売っていました」

「何とかね」

 ティモルが紅茶を入れてくれたので。四人でヒロの買ってきたケーキを頂いた。

「シャルティアさん。可愛いですね」

「ありがとうございます」

 サラが。少し眉間にしわを寄せながら。一言言った。

「ヒロ。シャルティアさんをあまり見つめてあげないでください」

「は〜い」

 ヒロはサラを見た。

「もう。私も見ない」

「えっ。誰見ていたらいい。マーガレットさん?」

「ヒロさん。私も見ないでください」

 ヒロは。困ってしまってしまった。

「サラ。俺。二階に上がるわ」

「ごめん。傷つけた?」

「…………」

「お風呂入る時。呼ぶので一緒に入りましょう」

「はい」

 ヒロは、自分の部屋に戻って旅行の準備をした。

「お嬢様。ヒロ様。かなりへこんでいましたけど大丈夫ですか?」

「多分。一緒にお風呂入る時には。機嫌なおっていると思います」

「サラ王女。ヒロ様と一緒にお風呂入られるのですか?」

「うん。入りますよ」

「恥ずかしくはないですか?」

「最初は少し抵抗ありましたが。一緒に入ろうと言ったのは私からですから」

「私から二人にお願いですが。ここでは。サラって呼んでください。呼びにくかったら。サラさんで構いませんので。そうだイギリシアでもお願いします」

「お嬢様はダメですか?」

「できれば使ってほしくないです」

「分かりました。サラさんのおっしゃる通りにいたします」

「ありがとう。マーガレット気を遣わしてごめんなさい」

「いいえ。私は大丈夫ですので」

 三人の雑談は一時間程続いた。

「サラさん。そろそろお屋敷に戻ります」

「分かりました。気を付けて戻ってください」

 サラは。マーガレットとシャルティアを。玄関までお見送りをしてから。ヒロと一緒にお風呂に入り。部屋に戻りベッドで横になった。

「ヒロ。言い忘れていたけれど。明日。お父様に会う話。お父様とお母様から寮の前日だからと言われ。旅行明けに改めておいでと言われたの」

「うん。わかるような気もするけど。サラはそれでよかったの」

「…………。私ね。本当は。ヒロを連れて会いに行きたかったのだけど。ヒロに負担がかかるとだめだからって言われて。それでね。私。ヒロにいつも自分の考え押し付けてしまっていたのかと思って。さっきもほんとごめんね。邪魔者扱いしてしまって」

「うん。サラそんな事。気にしていたの?」

「ヒロにとってはそんなに気にならない事なの?」

「以前にも言った事なかったかな?サラが喜んでいる顔が見られたら。僕は努力を惜しまないって。もし伝えてなくても今伝えたからね」

「ん。もうヒロったら。ほんとに。ありがとう」

 サラは。感情が止められなくなり。泣き出してしまった。

「ヒロ。ごめんね。泣き出してしまって。ヒロやお父様の事を思ったら。こみあげてくるものがあって…………」

 ヒロは。サラを抱き寄せ。頭を何回もなでてあげた。サラはごめんねと何度も言いながら眠りについた。ヒロもサラが眠りについたのを確認してから床に就いた。



二〇五六年一月三十一日五時

 ヒロは。サラを起こさないようにベッドから抜け出し。着替えて仕事に出かけた。サラが六時に起きて、ヒロが居ないのに気付き、起きて一階のリビングのホワイトボードを見ると、ヒロの出勤時間が九時から十五時がオープンから十五時に変更になっていた。

「サラちゃんおはよう。ヒロのシフト変更になっていたの。知らなかったのかい」

「ティモルさん。おはようございます。ティモルさん。シフトの変更いつ書いたのかご存じですか?」

「夕食の時は。書いてなかったから。お風呂上りじゃないかな?」

「そうですか。ティモルさん朝食のお手伝いします」

「はい。お願するね。でもヒロになんか用事があったのではないのか」

「後で。ライン入れておきます。それと今日の夜は外食しますので」

「分かりました。でも明日早いのだからほどほどで帰っておいで」

「はい。わかりました」

 サラは朝食の手伝いをして。一度部屋に戻り着替えてから朝食を頂き。片付けを手伝ってから。部屋に戻り。今日の夕食の件でヒロにラインを入れてから。ティモルに近くの美容室を教えてもらい。髪の毛をカットしに行った。帰ってからシーズカルナスレストランに,予約を入れた。

 十一時に。ヒロから電話がかかってきた。

「サラ。ごめんね。今日のシフト変更になっていたこと伝えてなくて」

「ううん。その件は私もホワイトボードしっかり見ていなかったから。全然気にしていないから」

「分かりました。夕食の件だけど。予約今から入れといたらいい?」

「ううん。予約はしておきましたので大丈夫です」

「わかりました。旅行の準備もあるし。できるだけ早く帰るようにします」

「お願いします」

 サラはヒロの電話を切り。旅行の準備の続きを始めた。十五時三十分頃にヒロが帰ってきて、サラのヘアースタイルが変わっていたのでびっくりした。

「!サラ。髪切ったの。一瞬誰かなと思った」

「五センチ髪の毛切っただけなのだけど。そんなに違う」

「なんか別人みたい」

「ほんとはショートにしようと思ったのだけど。イギリシア寒いからセミロングにした」

「凄く似合っているよ」

「ありがとう」

「僕もカット行こうかな。でもイギリシア寒いからな?」

「ヒロがめずらしく迷っている」

「そうなのだよ。迷いどころだな。でもサラに合わせようと思ったらカット行かないとバランスが取れないかな?」

「バランスって何ですか?」

「僕がぼさぼさのヘアースタイルで。サラがきれいにセットされたヘアースタイルではバランスが取れないかなと言う意味」

 サラは二人の。今のヘアースタイルを創造して比べてみた。

「確かにバランスと言われると会わないかも」

「サラ。想像して比べなくてもいいよ。カット行ってきますので」

「わかりました。私は。旅行用の荷物の確認をしておきます」

「ごめんね。よろしくお願いします」

 ヒロは。行きつけの理容室にカットに行った。理容室に行ったら、朝、奧さん来ていたよと言われ。少し照れながら話をした。

「ヒロ君。奥さん。きれいで上品な人ですね」

「ありがとうございます。帰ったら伝えておきます」

「お母さんから聞いたけど。同じ年らしいけど。どうやって捕まえたの?」

「いいえ。別に捕まえて分けでなく。成り行きで結婚した感じになってしまって」

「そうなのね。でもどうやって知り合ったの?教えてくれない」

「サラが。話していいですと言われたら話しますので。今回はご勘弁願えますか?」

「まあ。良いかな。名前教えてもらったし」

 ヒロは雑談をしながらカットしてもらった。

「ヒロ君。こんな感じでどうでしょうか?」

「うん。いい感じです。ウェイバーさんありがとうございます」

 ヒロはカットを終え。マリーのアルバイトしているガーデンアイスに寄った。

「いらっしゃいませ!あれお兄ちゃん。どうしたの?」

「今。カットしてもらって。アイスでも買って帰ろうかなと思って」

「あら。ヒロ君いらっしゃい。今日は奥さんと一緒じゃないの?」

「はい。今日はカットの帰りなので」

「お兄ちゃん。それより早く帰らないとサラさんに怒られるよ」

「あっ。そうだな。早く買って帰らないと」

 ウェイバーは。不思議な顔をした。

「?何故早く帰らないと怒られるの?」

「お兄ちゃん。明日から新婚旅行だから」

 ウェイバーがびっくりした顔をした。

「えっ。そうなのだ。どこに行くの?」

「イギリシアに行きます」

「いいな。私は国内旅行だったからな」

「お兄ちゃん。はい。これ」

 ヒロは。マリーからアイスケーキを受け取った。

「まだ注文していないけど」

「私から。店長後で代金払いますので」

「はいはい。ヒロ君。お兄さん思いの。妹さんでよかったですね」

「はい。マリー。お言葉に甘えて頂いて帰ります」

 ヒロはマリーからアイスケーキをもらい家に帰った。

「サラ。おやつ買ってきたから休憩しない」

「は〜い。今行きます」

 サラは。リビングに行きヒロと二人でアイスケーキを頂いた。

「ヒロこれって。ガーデンアイスで買ってきたの?」

「買ってきたというか、マリーにもらってきた」

「マリーちゃんから」

「そうなのですよね。僕が注文する前に、アイスケーキを用意してくれたので、そのまま頂いてきました」

「マリーちゃんにもお土産買って帰らないといけませんね」

「そうですね」

「ヒロ。髪の毛切ったからさわやかな感じになっているね」

「そう。いい感じですか?」

「ううん。まあまあかな」

「なんかそっけないな」

 ヒロとサラはアイスケーキを頂き、部屋にも戻り、旅行用荷物の確認をした。

「ヒロ。マスク箱でもっていくの?」

「迷っている。二日目の予定に入れている。医療機器の製造の工場に置いてきても。いいかなと思っているのだけど。荷物かな?」

「そうね。一箱ならともかく二箱はね」

「そうだね。ばらして二十枚ずつ袋に入れ、僕のウエストポーチに入れておくね」

「分かりました。ヒロ。十七時になるからそろそろシーズカルナスに行かないと」

「そうだね。そろそろ行きますか」

 二人はシーズカルナスに向かった。店に入店するとシャルローズさんが案内をしてくれた。

「お嬢様。ヒロ様。お二人ともきれいにセットされていますが、パーティーでもご出席なされるのですか?」

「パーティーもありますが。とりあえず明日から新婚旅行なので」

「えっ。明日から新婚旅行に行かれるのですか?」

「はい」

「どちらへ行かれるのですか?」

「イギリシアに三泊四日で行きます」

「いいですね。お気をつけて行ってらっしゃいませ」

「ありがとう」

話をしているうちに、マーガレットとシャルティアが来店した。マーガレットが、ヒロとサラのテーブルの前に立ったが、サラから向かい側の席に座るようにと、指示があった席にシャルティアと座った。

「マーガレット。お聞きたいことがあれば。遠慮なくおっしゃっていただければ。お答えしますので」

「分かりました」

 マーガレットはヒロとサラの向かいに座った。

「姉さん。ここのお店よく来るの」

「私は、二〜三回連れてきて頂いたことがあるけど。お二人は一か月二回程。来られているようですが。まあ。明日からこの店のオーナーですので」

「えっ。明日からこの店のオーナーになるのですか?」

「そうなの。だから気兼ねしなくていいですよ」

「分かった。でも二人とも一つ上なだけなんだけど。すごいとしか言いようがない」

「あこがれるでしょう」

「あこがれるけど。サラ様は。国王の娘さんには見えないです」

「そうですね。ヒロさんと知り合う前はそうでしたね。でもね。あの二人だからできることであって。私には到底まねできない」

「確かに二人を見ていたらよくわかる」


==

「サラ。旅行の日程だけど。初日はランドループ美術館。最終日は時間までショッピングでいいとして。二日目。三日目の予定どうしますか?」

「マーデイシャス博物館とマリオブライス湖は行きたいな?」

「それでは二日目の午前中に。オーガレスタ研究所の見学を入れるので。昼食の後マーデイシャス博物館。三日目にレンタカーを借りて。マリオブライス湖に行きますか?」

「は〜い。それでいいです。よろしくお願いします」

「サラ。今。何も考えていなかっただろう」

「はい。連れて行って頂けるのであれば日程は気にしないです」

「えっ。まあいいかな。そろそろ料理が出てくるかな?そういえば何を注文したの?」

「それはきてのお楽しみです」

「はい。楽しみに待っておきます」


==

「姉さん。二人の会話聞いているとかみ合っているようでかみ合っていないよね」

「そうね。初めて聞く人だったらそう思うかもしれないけど。私は常に一緒にいているので。お互いがどういう事を言いたいかわかる」

「二人の受け答えがわかるなんて。姉さんもすごいね」

「そうかな。一緒にいているとわかるようになるよ」

「そういうものかな」

「そういうもの」

「四人のテーブルに料理が届けられた」

「ううん。おいしそう。アンガスビーフの鉄板焼き。それも一口大に切ってある。これはサラが考えたの?」

「高齢の方や子供でも頂けるように考えてみたの。でもお子様はお皿になるけど」

「いい考えだと思うよ。」

「よかったほめてもらえて」

==

「姉さん。これってアンガスビーフ?」

「そうだけど。どうかした?」

「私。初めて頂くけど。大丈夫なの?」

「大丈夫。シャルティア。そういう所は母さんに似たのかな?」

「そうかな?」

「シャルティア。温かいうちに頂きましょう」

「はい。頂きます。うん。おいしい。カットしているけど。食べた時の肉汁感がすごい。ものすごく幸せな気分」

「うん。おいしいお嬢様に感謝」


==

 ヒロも一口大のお肉を頂いたら。(おいしい)と言った。サラは嬉しそうに。(このメニュー明日から始めるの)とヒロに伝えた。四人が食べ終わると、デザートが出てきたモンブランケーキだが白くてクリームに細かい粒が混ざっている。

「サラ。このモンブラン白いですね」

「食べてのお楽しみ」

「頂きます!洋ナシのモンブラン?」

「ヒロ。わかりました?」

「この粒は洋ナシの果肉。味はバランスが良くてなかなかおいしいです」

「マーガレット。シャルティアさん。どうですか?」

「お嬢様おいしいです。初めての触感です」

「洋ナシのモンブラン頂けるなんて嬉しいです。写真撮っておこう」

 シャルティアは洋ナシのモンブランの写真を撮った。サラはうれしい反面ほっとしていた。

「皆においしいと言ってもらえてよかった。エバートンさんに無理言って作ってもらったからほんとよかった」

「サラ。ほんとおいしいよ」

「ありがとう」

 四人は食事を終え。ヒロがお会計をして、驚いた」

「シャルローズさん。お会計間違えていませんか?」

「いいえ。間違えていませんけど」

「サラ。どういう事?」

「エバートンさんの焼き方がよかったから。ヒロは。気付かなかったみたいね」

「もしかして。アンガス牛に秘密があるの?」

「コスト下げるのに。余ったいろいろな部位を一口大に切って。焼いていただいたの」

「サラ。恐れ入りました。まさかアンガス牛でミックス焼肉を提案するなんて大胆だね」

「ヒロ。それってほめているの?」

「当然。ほめていますよ。主力メニューになるといいね」

「うん。そうなってくれた嬉しいけど。明日。早いし帰りましょうか」

「はい」

 四人は。シーズカルナスを出て。それぞれ家とお屋敷に戻った。

 ヒロとサラは家に帰るとお風呂に入ってから。明日の準備の確認をしてから床に就いた」

 

==

  マーレットとシャルティアはお屋敷に戻り。シャワーを浴びて床に就いた。シャルティアは。床に就く前に自分のインスタに洋ナシのモンブランを載せた。


二〇五六年二月一日五時

 ヒロとサラは起きて。旅行に行く用意をし。車に荷物を載せてお屋敷に向かった。

お屋敷についたらマーガレット。シャルティアが待っていた。ヒロは車を降り。車にマーガレット達の荷物を載せた。サラはその間にお屋敷に入り。クレマに(行ってきます)と伝えてから、戻ってきた。

「サラ。クレマ様。何か言っていましたか?」

「気を付けて行ってらっしゃいと言われたのと。ヒロにわがまま言いすぎないように。くぎを刺されました」

「…………。出発しますね」

 ヒロは車を走らせシャルム空港に向かった。高速を使い。二十分程で空港に到着した。

四人は。国際線出発ロビーに行き。搭乗手続き行い。空港のカフェに入り朝食を頂くことにした。

「思ったより早く着いたので。七時三十分出発までちょうど一時間あるから、ゆっくりできるね!サラどうかした?もしかしてクレマ様の伝えられた事。気にしている」

「ううん。気にしていないと言えば。嘘になるけどそこまでは考えていないですけど。でもなにか体が重い感じがします」

「朝が早かったし。飛行機で眠るといいよ」

「うん。そうする」

 四人は朝食を頂き。飛行機に搭乗した。コペルニクス最新鋭のジェット機。KP三一二。全長三十二メートル。幅三十五メートル。両翼には新型の小型ジェットエンジン二基ずつ搭載。最高速度マッハ一・五、席数一八〇席、コペルニクスーイギリシア間を主要空港の五時間で結ぶ。

定刻の七時三十分に動き出した。

「姉さん。浮いた感じなのだけど?」

「シャルティアは。飛行機初めてだったね。最新のジェット機は。タイヤで滑走路を走るのではなく。少し浮いた状態で滑走路に入り。そこから浮力を付けて飛ぶようになっているの」

「着陸する時はどうするの?」

「着陸時は。長い羽根を生かしてハングライダーみたいな感じで降りる」

「よくわからないけど。ゆっくり降りていく感じ?」

「そんな感じかな」


==

 サラは。頭をヒロの肩に乗せ目を閉じた。ヒロは手持ちの鞄の上に置いたコートをサラにかけた。サラは。(ありがとう)と言って。眠りについた。途中。キャビンアテンダントがドリンクを運んでいたので。ヒロは自分のコーラと。サラのフルーツジュースをもらった。

 サラは。一度起きて。ヒロがもらってくれたフルーツジュースを飲み。再び眠りについた。飛行機は順調に飛行し。イギリシアの主要空港のローデシアン空港にほぼ定刻通りに到着した。

「サラ。着いたよ」

「ううん。よく寝た」

 サラはすっきりした顔をしていた。

「寝てすっきりしたみたいだね」

「うん。なんかすがすがしい感じ」

「よかった。調子がいいみたいで」

「ヒロ。心配してくれていたの?ありがとう」

「当然だろう。僕の奥さんだから」

「うふ。それもそうですね」

 サラは。ヒロに奥さんと言われて嬉しそうだった。


==

 イギリシア王国。国土世界第二位。人口世界第三位。で皇室がほぼすべての実権を握る。

 ガルガンティア国王。セルリアン王妃。シュナイザー皇太子夫妻。モデリスタ殿下、ユリセレ王女の一家を五十の皇族が支える。


==

 ヒロとサラは入国手続きを終え。一度。宿泊先のロイヤルリーガスタホテルに荷物を預けた。

「マーガレット。これからどうされます」

「お嬢様。どういうことでしょうか?」

「サラ。もしかしてマーガレットさんに。この旅行の事。執事としてではなく。お礼旅行と言う事を伝えなかった?」

「あっ。忘れていました」

「お嬢様?」

「マーガレット。今日からの四日間。私達とは別行動で自由に行動してください。それとこのスマートフォンを渡しておきますので。イギリシアの支払いは。ここのQRコードを表示して。端末に翳してもらえればいいですので」

「?お嬢様。私。まだ理解できませんが」

「マーガレットさん。シャルティアさんと二人で出発までの四日間。自由に楽しんでください。この国では。このスマートフォンを使用してください」

「ヒロ様。私。どう伝えればいいのでしょうか?」

「僕たちの事は。何も考えずに二人でゆっくりしてください。でも。今すぐに行くところといっても困ると思いますので。とりあえず。四人でランドループ美術館に行きましょうか?」

「はい。わかりました」

 四人はタクシーでランドループ美術館に向かった。

「お客様。イギリシアは初めてですか?」

「はい。観光は初めてです」

 ヒロとサラは交流会などでは来たことあったが観光は初めてだった」

「お客様は、どこの国から来られましたか?」

「コペルニクス王国です」

「コペルニクス王国ですか?その国はどのあたりにありますか?」

「イギリシアの南にある。ローランス半島の先端にある。小さな国です」

「そうですか。説明を頂きありがとうございます」

「運転手さん。美術館の近くでおすすめのレストランありますか?」

「おすすめかどうかわかりませんが。美術館の裏に従業員の人が利用するオムライス専門店はあります」

「お店の名前わかりますか」

「レストランカレンジアと言います」

「運転手さん。助かります。有難うございます」

「ヒロ。昼食カレンジアのオムライスでいいですか?」

「はい。いいですよ」

「マーガレットさんとシャルティアも一緒に行かれますか?」

「私たちは。別な場所で昼食をとりますので」

「わかりました」

 四人はタクシーで美術館まで行き。マーガレットとシャルティアはそのまま美術館に入り。ヒロとサラは歩いてレストランカレンジアに向かった。店内に入ると。三十人程。入れるくらいの。小さなレストランだが、シックな感じで中世を意識させるような作りになっている。二人が入り口で立っていると。女性の店員さんがテーブル席まで案内してくれた。

「お客様。ご注文が決まりましたらベルを鳴らして下さい」

「わかりました」

 サラは。メニュー表を見て悩んでいた。

「サラ。食べたいオムライス二つ注文したらいいよ」

 サラは。にこりと笑い。

「いつもわがまま聞いてもらってごめんなさいね」

「いいよ。注文決まった。」

「うん。アンデラス豚とほうれん草のクリームオムライスとシャレット海老とムール貝のトマトソースオムライスですけどいいですか?」

「うん。どちらもおいしそうだね」

 ヒロは。ベルを鳴らし店員さんを呼んで二つのオムライスを注文した。しばらくして、サラのスマートフォンに、ルビアスさんから、今日の食事会のお迎えホテルに十八時に行きますとの連絡が入った。サラは(十八時にホテルでお待ちしています)と返事を送った。

「サラ。夜の食事会も楽しみだね」

「そうですね。楽しみですけど。国王様も御一緒されるそうなので、緊張するかも」

「えっ。サラでも緊張することあるのですね」

「はい。私は泰然自若ではありませんので」

「失礼しました。料理が来たみたいですね」

 二人の前に二種類のオムライスが置かれた。

「うわ。おいしそう。頂きます」

 二人はオムライスを頂き、絶賛した。

「ヒロ。アンデラス豚とシャレット海老ってコペルニクスで手に入る」

「僕は見たことがないな。もしかしたらコペルニクスでは。流通していないかも」

「そうか。でも扱ってみたいな?」

「シーズカルナスで使ってみたいの?」

「うん。少しは新しいものを入れていかないとは思っているのですが」

「そう。新しいものを入れるのは賛成だけど。営業に関しては。エバートンさんに任せているのだから。あまり介入しないように」

「どうしても。だめですか?」

「そうですね。でも期間限定とかで入れるのもいいかも。あとは原価との相談かな」

「ヒロ頼んでもいいですか?」

「わかりました。奥様の希望をかなえられるようエバートンさんと相談しながらやってみましょう」

「よろしくお願いします」

 二人は昼食を頂き。ランドプール美術館に向かった。ランドプール美術館一九八〇年に建築されたが。老朽化の為。昨年立て替えられ近代的な美術館に変わっている。中世。近代画家たちの展示物はもとより。プロジェクションマッピングによる映像も楽しめ、自分で一分間のプロジェクションマッピングを作れ、来館客に見てもらえる場所もあり、二人は記念にと作って来館客に診てもらった。お客様の反応がよく二人は喜んだ。二人の映像のデーターの入ったUMメモリーをもらった。パソコンで同じ映像が見ることが出来るそうだ。

 二人は。美術館を後にして夜の会食の為にホテルに戻り。フロントで宿泊の手続きをしていると。隣で三人の子供を連れた家族がフロントの人ともめている感じだった。そこにサラが話に割って入った。

「どうかなさいましたか?」

「トリプルルームを予約したのにダブルの部屋になっていて子供入れて五人なので困っています」

 サラは。フロントに人にトリプルルームの空きがないか来てみたが。(本日はホテルが満室になっているそうで空室はない)との事だった。

「すいませんが。お部屋の予約今日だけでしょうか?」

「そうですが?」

「ヒロ。今日だけ部屋を変わってあげてもいいですか?」

 ヒロ少し考えた。

「………サラがよかったら。僕は別に構いませんが」

「ヒロ。ありがとう」

 サラは。ヒロにお礼を言ってフロントの人に話しかけた。

「では今日だけ。この方と部屋を交換してもよろしいでしょうか?」

「当ホテルは構いませんが。お客様。ほんとによろしいのですか?」

「はい」

 サラはフロントの人に。五人家族を自分たちの予約してある部屋に。案内してもらうように伝えた。フロントの人から料金等の話をされたが。そのままで。自分たちが朝起きてフロントに荷物を預けますので。夕方に自分たちで荷物を取りに来て。本来予約している部屋に行きますと説明した。ヒロが一〇〇五号室のカードキーを渡し。サラはフロントの人から三一八号室のカードキーをもらった。五人家族のお父さんが感謝したうえで名前を(アンドリュー)と名乗った。

二人は三一八号室に入り。正装に着替えた十八時まで十五分しかなかったので、少し急いで着替えた。

「ヒロごめん。ファスナーあげてくれる」

「はい。これでいい」

「ありがとう。ヒロは準備できた?」

「できたよ」

「わたし。少しお化粧するから。会食用に持ってきたピンクのハンドバックをキャリーバッグから出してもらえます」

「はい。わかりました」

 内線の電話が鳴った。フロントからお迎えの車が到着したとの事だった。

 二人は片付けも程々にして部屋を出ていった。フロントに行くとシュナイザー皇太子のお迎えの人が来ていて二人を車に案内した。フロントの人達は。先程とはまったく雰囲気の違う二人を見て。唖然としていた。


==

 アンドリュー一家は一〇〇五号室に入って驚いた。子供たちは広い部屋で喜んではしゃいでいたが、夫婦は。申し訳なことをした気持ちでいた。ヒロとサラが予約していたのはスイートルームで最大。大人六人が泊まれる部屋になっていたのだ。夫婦は少し考えて。ヒロ達の部屋に電話したが通じなかったので。フロントに電話をしてみたが。二人は出かけていないですが。お連れ様は食事されているとの事だったので。二人は子供を連れてホテルのレストランに出かけた。


==

 食事をしていた。マーガレットのスマートフォンにサラからメールが入った。(隣にアンドリューさんという五人家族が座ると思います。部屋を譲ってあげて食事も招待したので。たぶん驚かれてくると思います。あと私の身分を聞かれたら。エンジニアの奥さんとでも伝えておいてください)との事だった。

マーガレットは(わかりました。もし返事に困ったらメールを入れます)と返事をした。

「姉さん。王女様から?」

「シャルティア。旅行中。王女様と言わずにティフォリアさんと言ってくださいね。あとヒロさんの仕事はエンジニアでお願いします」

「わかりました」


==

 アンドリュー一家がフロントで聞いた。ホテル直営のレストランに着いて。名前を受付で伝えると席に案内された。アンドリュー夫妻は訳も分から案内されたので戸惑っているとマーガレットが声を掛けた。

「初めまして。私。マーガレット・クリサンセマムと言います。ティフォリア様から。話を伺っております。バイキング料理も楽しんでもらってくださいと伝えられておりますのでごゆっくりしてください」

アンドリュー夫妻は戸惑っていたが。子供たちは初めてのバイキングに興奮しているようだった。

「すいません。私達。部屋を変わって頂いたことでお話があってきたのに。逆にバイキングの夕食を用意して貰うことはできません」

「申し訳ございませんが。それはティフォリア様がご用意した事ですので。私にはその質問にお答えはできませんので」

「そうですか。どうすれば連絡取れますか?」

「連絡はとれないことはないのですが。連絡しても何も変わらないと思いますが。ここはティフォリア様に甘えてもらうのがいい解決策だと思いますが」

「そうですか」

 アンドリュー夫妻は考えたが。連絡しても何も変わらないという事を言われ上。子供たちが喜んでいるのを見て。甘えさせてもらうことにした。

「本当にすいません。お言葉に甘えさせていただきます」

「そうしてください。ごゆっくりどうぞ」

「ティフォリア様にお礼を伝えたいのですが。どうすれば。お会いできるのでしょうか?」

「申し訳ありませんが。私では。お礼を伝えるだけしかできません」

「そうですか」

 アンドリュー夫妻は。マーガレットにお礼を伝えてもらうようにお願いして。子供たちとバイキング料理を楽しんだ。マーレットとシャルティアは食事を終えて部屋に戻った。

「姉さん。普通にイギリシア語を話していましたが。いつ習ったのですか?」

「習ったというか。ティフォリア様のメイドをしていると。時々海外の交流会に出席なさるので。一緒に行くので自然と覚えていて。だから。ヒロ様は。イギリシア語を話せるか。私には聞かずにシャルティアだけに聞いたの」

「それでか。納得しました。でも。ティフォリア様すごいですね。見ず知らずの家族に予約してある部屋をお譲りするなんて。私では考えられない」

「そうですね。以前のサラ様でしたら。部屋を変わっていなかったと思いますが。ヒロ様と知り合ってから。そこが以前と変わられたところかな」

「そうなのですね」


==

 ヒロとサラは。シュナイダー家のお屋敷に到着した。シュナイザー皇太子夫妻が笑顔でお出迎えをしてくれた。

「ヒロ君。サラ王女。よく来てくれました。来て頂いて光栄です」

「こちらこそお呼びいただき光栄です」

 二人はお屋敷の中に入り。大広間に通された。そこには国王様。王妃。殿下。王女の四人が待っていた。

「初めまして。コペルニクス王国。第一王女のサラ・ティフォリアと申します」

「こちらは主人のヒロ・アガパンサスと言います」

「初めまして。ご紹介にあずかりました。ヒロ・アガパンサスと言いますと申します。今後ともお見知りおきをお願い申します」

「二人とも。そんなにかしこまらなくていいので。気楽にしてくれ」

「国王様。ありがとうございます」

 ヒロとサラはシュナイダー家の夕食会を楽しんだ。帰り際に明日のオーガレスタ研究所にはマイクさんが。ユーラシアン共和国に外交訪問するので。シルビアス皇太子妃が一緒についていくことになった。二人はホテルに戻り。シャワーを浴びベッドに横になった。

 サラは一言謝罪した」。

「ヒロ。ごめんね。部屋を交換して」

 ヒロは。不思議そうな顔をした。

「?何故。僕に謝るの?」

「スイートルーム予約してゆっくりするつもりでいたのに」

「サラ。最近気にしすぎだと思うけど。クレマ様に。僕に迷惑かけたらだめと言われているからかもしれないけれど。僕自身何度も言うようだけど迷惑と思っていないから。逆にそのことがサラのストレスにならないか心配になるよ」

「ありがとう。私の思う通りにしていいの」

「いいよ。ちゃんとダメな時はダメというので」

「はい。わかりました。」

 サラはヒロと言って抱きついた。

「サラ。寝ようか?」

「!うん。いいけど?」

「何もしないからどうしたのかなと思っているだろう?」

「うん。思っている」

「サラも気になるだろう。だから前回で当分お預けだったよね」

「うん。ありがとう」

 サラはうれしくてキスした。ヒロが少し照れたので。サラはクスッと笑った。

ヒロに腕枕してもらい。寄り添って眠りについた。ヒロもサラが眠ったのを確認してから床に就いた。



二〇五六年二月二日七時

 ヒロとサラは。起床し着替えてから荷物をまとめてから。フロントに荷物を預け。朝食を頂きにレストランに向かった。受付して席に案内してもらってから。二人でバイキング形式になっている料理を取りに行った。

「サラ。ドリンクはミックスジュースでいい?」

「はい。お願いします」

 サラはベーコンエッグ・サラダ・コーンスープ・トースト。ヒロはトマトパスタ・ミニオムレツ・厚切りベーコン・サラダ・かぼちゃのポタージュ・トーストを選んだ。

「そういえばヒロ。今日はコーラではないのですね?」

「うん。たまには。ミックジュースを飲んでみようかなと思って」

「ヒロがミックスジュース飲んでいるの。違和感がある」

「そうかな?でもコーラのイメージが強いから仕方ないか」

「おはようございます」

「おはようございます」

「おはようございます。マーガレットさん早いですね?」

「シャルティアがお二人に聞きたいことがあるというので。私は聞かないほうがいいですよと言ったのですが。どうしても聞きたいというのでお二人の予定に合わせてきました」

「シャルティアさん。お聞きたい事って何ですか?」

「昨日。お二人が知らない家族に部屋を譲ってあげた件で」

「何故?シャルティアさんが僕たちの行動に対して疑問をお持ちですか?」

「私には理解できないので」

「僕たちは。人が困っていたし。僕たちは昨日。寝るだけでしたので。だから部屋を譲ってあげただけ」

「それがわからないのです。この旅行は。新婚旅行はないのですか?」

 ヒロは怪訝そうな顔をした。

「シャルティアさん。その考えでは僕たちの事は理解できないと思います」

 サラが。ヒロの言葉に対して反応した。

「ヒロ。そこまで言ってあげたら可哀そうよ」

「僕はそう思いませんが」

「ヒロったら。わかりました。私が説明しますけど。シャルティアさん。自分と私たちを同じようにとらえないようにしてください。私達も考えて行動していますので」

「わかりました」

「では説明しますね。昨日の会食は。出発の一か月前から決まっていたことで。美術館からホテルに戻ると。フロントで家族連れが。予約した部屋と違うという話をしていて。フロントの人ともめていたの。それで今日は会食の後はシャワーを浴びて寝るだけの予定だったので、ヒロと相談して部屋を交換してあげたの。新婚旅行なのにと言っておられましたけど。たぶん本当の新婚旅行ならあなた方も呼んでいませんし。会食の予定や研究所の見学も入れていません。

 今回の旅行は。半分。私達の基盤を作るための旅行であってバカンスではないの。コペルニクスは小国だけど技術に関しては優れている。でも生産力となると大国には勝てない。それで仲のいいシュナイザー皇太子夫婦にお願いして研究所の見学ができるようにしてもらったの。正直。ヒロも私もイギリシアは。初めてではないのですが。研修会・会議・セレモニー等で来ているだけなので。ヒロに私が行っていない場所に連れて行ってもらう。そのぐらいしか考えていなかったので。部屋を交換するのも別に気にしなかったのです。理解していただけたでしょうか?」

「理解はできませんが、納得はしました」

「そうですか」

「シャルティア。朝食取りに行こう」

「はい。姉さん」

「ヒロ。シャルティアさんに。もう少し優しく話してあげないとだめですよ」

「はい。すいません。気を付けます」


==

「シャルティア。ヒロ様に厳しいこと言われたけど大丈夫?」

「大丈夫です。ヒロ様とサラ様。考えた方は似ているのですね。姉さんが聞かないほうがいいと思うといった意味が分かりました。私達と考え方が違うのですね。」

「そう。考え方のキャパが違いすぎるもの」

「でもその二人と会話が出来る姉さんもすごいね」

「そうですね。でもね。二人と一緒にいると考え方が変わってくるわよ」

「そう思う。そういえば姉さん。サラ様。新婚旅行でしたら。あなた達を連れてこなかったと言っていましたよね」

「シャルティア。気がつきましたか?」

「姉さん。この旅行の意味知っていたのですか?」

「はい。知っていましたよ。普通。王女様と同じ日程で旅行に行けると思いますか?」

「確かにそうですよね」

「初めから私を連れて行くつもりでいたと思いますよ。でも。周りの目があるので。公務を入れ。そして。私を執事として連れて行く形になされたのだと思います」

「王女様にもなるといろいろ大変なのですね」

「そうですよ。近くで見ているから。よくわかるの」

 マーガレットとシャルティアは、料理をお皿に乗せテーブルに戻ってきたら、ヒロがシャルティアに先程の件で謝罪をした。シャルティアも、個人的なことに口出ししたことを謝罪した。ヒロとサラは食事を終え。フロントに行き。タクシーを呼んでもらいオーガレスタ研究所に向かい。三十分程で研究所に到着した。研究所の入り口にはバルドリス所長・シルビア皇太子妃・ユリセレ王女の三人がお出迎えに来ていた。

「バルドリス所長。お久しぶりです」

「アガパンサス君。久しぶりだね。ユーラシア国で行われた。国際技術会合以来かな?」

「はい。その節はお世話になりました」

「ハーデス教授はお元気かな?」

「はい。お元気です。今。三月からの制作に向けて奮闘しています」

「三月からの制作?何を作るのかね?」

「申し訳ありませんが。バルドリス所長にでもお教えすることはできません」

「そうか。まだ水面下の状態ですか?」

「はい。申し訳ありません」

「仕方ないさ。でも。できれば公表は一番に私の所にお願いしておこうかな?」

「わかりました。その旨は。ハーデス教授に伝えておきます」

「よろしく頼むよ」

「ヒロ君。バルドリス所長と知り合いだったのですね」

「はい。私の通よっている。ハイドランジア工科大学のハーデス教授が昔からのお知り合いで。ユーラシア国で行われた国際技術会合でハーデス教授と同行させて頂き。紹介していただきました」

「そうだったのですか?」

「ところでアガパンサス君。隣のきれいな女性は?」

「初めまして。コペルニクス王国第一王女サラ・ティフォリアと申します」

「初めまして。バルドリス・ゴーディアと申します。よろしくお願いします」

「お願いします」

「はい。僕の妻のサラ・ティフォリアです」

 バルドリス所長は。目を見開いて驚いた。

「!えっ。アガパンサス君。王女様と結婚したのかい?」

「そうですが」

「君まだ学生だよね。はい。妻も学生ですが?」

「私は。ついていけない」

 クスッとシルビアスさんが笑った。

「シルビアス皇太子妃おかしいでしょうか?」

「所長が思っておられるイメージが違いすぎて」

「どういうことでしょうか?」

「私か知っているお二人は。ほんと普通の学生さんですよ」

「シルビアス皇太子妃は以前からお二人とはお知り合いなのですか?」

「はい。昨年の八月にバカンス旅行でコペルニクスに寄った時。意気投合しまして。それ以来。サラさんとは。定期的に連絡を取り合っている中です」

「そんなに親しい間柄とは思いもよりませんでした」

「シルビアス王妃。そろそろ研究所の見学を始めませんとお時間が」

「そうですね。ユリセレ王女ありがとう」

「いいえ」

 ヒロとサラは。シルビアス皇太子妃の説明の後。バルドリス所長の案内で研究所の見学を行った。

「本来は。国家機密にしている部分があり見学はできないのですが。今回は国王様の許可が下りたのと。監視役として私とユリセレ王女に立ち会ってもらうことになりましたので。見学が実現しました。お分かりだと思いますが。動画。撮影等は禁止ですのでよろしくお願いします」

「分かりました」

「バルドリス所長。ご案内お願いします」

「はい。かしこまりました」

 研究所の見学を終えたら。研究所の食堂で昼食が用意されていた。

「ヒロ君。我が国の研究所はどうでしたでしょうか?」

「大国だけあり。人材。設備。育成教育。多くの方が働かれておられ。コペルニクスとは比較にはならないですし。到底まねができないと思います。本当に素晴らしいです」

「サラさんは。感想はどうでしたか?」

「私は。コペルニクスの発展の為。技術提携も考えたほうがいいかと思いました」

「技術提携ですか?マイクも同じことを言っていました」

「マイクさんも同じ事を?」

「はい。コペルニクスは小国だが技術力は世界トップクラス。防衛力を見ればわかると思うと」

「では。もしよろしければ。今月の十五日に。コペルニクスで行われる。国際交流フォーラムの時に事務レベルでの話し合いはどうでしょうか?」

「事務レベルでの話し合いですか?わかりました。国王様に提案してみます」

「よろしくお願いします」

「ユリセレ王女。どうでしたお二人と御一緒に行動されて」

「はい。とても私より。四歳若いお二人の考え方に。とても刺激を受けました。今日。モデリスタお兄様に、案内を変わって頂いたかいがありました」

「ティフォリア様。アガパンサス様。これからもよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします。もしよろしければ、十五日からの国際交流フォーラムに特別にご招待いたしましょうか?」

「!よろしいのですか?」

「ユリセレ王女様の御日程さえあえば。こちらはチケットとホテルを予約するだけですので

「ユリセレ王女どうなさいますか?」

「シルビアス皇太子妃。私。御一緒させてもらってもよろしいですか?」

「御一緒というよりも。サラさんからの招待ですので。ご自分でお決めになられてください」

 ユリセレ王女は。少し考えた。

「はい。ご招待お受けさせていただきます」

「決まりね。サラさん。気を使ってもらってごめんなさいね」

「いいえ。今はコペルニクス王国の事。一人でも多くの人に知って頂きたので」

「サラさんらしいですね。ヒロ君も自分の事を行いながら。王女様のフォロー大変ですけど頑張ってください」

「はい。頑張ります」

「ところで。シルビアスさん。出産のご予定日はいつですか?」

「伝えていませんでした?」

「はい。お聞きしてもお答えして頂きましたので」

「ごめんなさい。今回は安定期に。入るまでは。公表を避けていたので」

「今回?」

「サラ」ヒロは首を振った。

「サラさんは六月でしたよね」

「はい。六月十四日が予定日です」

「私は。六月十五日です」

「!えっ。同じ月で一日違いですか?」

「そうですよ。どういうわけかほぼ同時期なのですね」

 サラとシルビアスは二人で笑った。ヒロもユリセレも二人が笑っている意味が分からなかった。ヒロとサラは食事を終え。マーデイシャス博物館に向かった。


 マーデイシャス博物館の歴史は古く。一八六八年建造された。戦争などで一部破損などがあったが修復しながら昔のままの姿で立っている。貯蔵物は三十万点を数え。世界最大ともいわれる。二人はゆっくりと博物館を見て回った。

「ヒロ。この建物もうすぐ、百九十年が来るよ。すごいね」

「凄いと思う。コペルニクスで。これだけの建造物ないからね」

「どうしたら。これだけ長い時がたっても。建っていられるのかしら」

「それは昔の人の技術力が優れているから。」

「そう考えると昔の人って凄いですよね。」

 二人は。初めて見るものばかりで感動した。アンモナイト・恐竜の化石・マンモスのはく製・生きている化石シーラカンス・紀元前から現代への道具の進化など二人してそれぞれを見入っていた。

「ヒロ。そういえばコペルニクスに博物館ありました?」

「二〇〇〇年ぐらいまではあったと聞いていますが。今はないです」

「そうですか。残念ですね」

「博物館は。なかなか作れませんからね」

「そうですね。これだけの展示物。揃えられませんね」

「寄贈してもらえば。揃わないことはないと思いますが。なかなか難しいと思います」

「難しいですか。でも少しでもチャンスがあれば。博物館作っても大丈夫ですかね」

「そうですね。作れるチャンスが出来たら。作ればいいと思う。僕は。いろんな意味でいい考えだと思うけど」

「ありがとう。その時が来たら協力してください」

「わかりました」

 二人は博物館のテラスにある売店で。ミックスジュースの飲み比べセットが販売されていたので、飲んでみることにした。

「ヒロ。この二つのジュース。何故こんなに違うの?」

「片方は野路ものの果物で。片方が工場のLEDで栽培された果物だと思うけど。売店の人に確認してみる」

 ヒロは。売店の女性の人に確認してみた。

「すいません。この二つのジュースの違いは何ですか?」

「この二つのジュース。一つは工場で生産されている果物で作ったジュースで。もう片方が山で育てた果実を使用しています。お客様はどちらが工場のかわかりましたか?」

「多分。さっぱりとしているほうが工場のだと思います」

「正解です。」

「どうしてこのようなことをしているのですか?」

「はい。私たちは。飲み比べてもらうことにより、工場で作った果物と自然でそだった果物はこれだけ違いますよ。自然で。できた果実も食べましょう。を伝えるために行っています」

「分かりました。説明していただきありがとうございました」

「いいえ。どういたしまして」

 ヒロは。サラの所へ戻り説明をした。サラは説明を受け。納得した。二人は博物館を出て。ホテルに戻った。フロントに行くと(アンドリュー夫妻がお礼を言われていました)と伝えられた。部屋に入いると。サラはベッドに座り。ふんわりしていたので横になった。

「サラ。夕食何時にしますか?」

「…………」

「サラ?」

 サラは疲れたのか熟睡していた。ヒロは。お腹が冷えるとまずいなと思い。サラの体制をなおしてベッドに寝かせ。掛ふとんを掛けた。ヒロは。昨日できなかった荷物の整理をしてくつろいだ。しばらくしてから、のどが渇いたので。廊下の一階のロビーまでジュースを買いに行った。


==

 サラは目を覚まし。ベッド寝ている自分が不思議だった。

「ヒロ?」

「…………」

 ヒロの名前を呼んでも返事がなく。広いスートルームに自分一人だけがいることに不安なった。しばらくしてドアを開ける音がした。ヒロが部屋に戻ってきた。

「ヒロ?」

「サラ起きた」

 ヒロが。サラの寝ているベッドの縁に座ると。サラが不安そうな顔しながら。しがみついてきた。

「サラ。どうかした?」

 サラは。涙目でヒロを見つめた。

「ごめんなさい。起きてヒロが居なかったから。不安で。不安で」

「ごめんね。一人にして」

 ヒロはサラを抱きしめてあげ。しばらくそのままでいた。

「サラ。落ち着いた」

「うん。ごめんね」

「ううん。僕が一人にしたから。そうだ。お腹すいていたら。夕食に行くけど?」

「はい。行きます」

 二人は夕食を頂きに。ホテルのレストランに向かった。レストランに着くとサラの不安そうな表情は消え。元のサラに戻った。

「ヒロ。明日何時に出る予定?」

「九時ぐらいに出発する予定でいますけど」

「と言う事は。七時ぐらいに起床ですか?」

「そのつもりでいます」

「今日。寝る前に。ラウンジに行かない」

「いいですけど。アルコールはダメですよ?」

「少しでもダメでしょうか?」

「僕の考えの中では。できればアルコール系は、胎児に影響するかもしれないので摂取してほしくはないですね」

「やっぱり駄目ですか?」

「そうですね。僕の希望としては」

「仕方ないかな。今回は諦めます」

「ラウンジは行かないのですか?」

「!ラウンジは行ってもいいのですか?」

「最上階から夜景を見たいのでしょう」

「うん」

「一緒にご一緒させていただきます」

「ありがとう」

 二人は。夕食のバイキング料理を堪能して部屋に戻り。二十一時ごろ。最上階のラウンジに向かった。ラウンジに着くと。店員さんに窓際の席に案内された。

「わあ〜。きれい」

 窓からは。首都ローデシアンの街並みの夜景が飛び込んできた」

「来てよかったね」

「うん。来てよかった」

 ヒロは店員さんに一番アルコール度数の少ないカクテルを二つ注文した。

「ヒロ?カクテル飲んでもいいの?」

「うん。飲んでもいいよ。その代わり一杯だけだよ」

「分かった。約束する」

 しばらくして。グラスにオレンジ色の液体にチェリーと黄色い果肉のような粒が入った

カクテルが運ばれてきた。

「ヒロ。これ何というカクテル?」

「オレンジヒューリーズ」

「オレンジ女神の復讐?」

「そういう名前になるかな」

 二人は。乾杯をして恐る恐る飲んでみた。

「おいしい。この口当たり。黄色い果肉がオレンジカクテルにマッチして何とも言えない」

「ほんとおいしい。よかったはずれでなくて」

「ヒロ。失礼ですよ。ホテルのラウンジではずれはないと思いますが」

「それもそうだね」

 二人で笑った。

「ヒロ。……やっぱりやめとく」

「サラちゃん。お代わりですか?」

 サラが渋い顔をした。

「ヒロ。サラちゃんは言わないでください」

「ごめん。でも一度言ってみたかった。やっぱり抵抗ある」

「あります。すごく恥ずかしいです」

 ヒロは、店員さんを呼んで、カクテルを注文した。

「ヒロ。ほんとにいいの?」

「でもこれで終わりにして。飲み終わったら部屋に戻ろうね」

「はい。わかりました。無理言ってごめんなさい」

「ううん。今日はお腹の子もいいよって言ってくれていると思うよ」

「うん。今日はママのわがまま許してね」

 サラは自分のお腹をさすった

 二人は、カクテルを飲みながら。出会って半年感の事を話した。カクテルを飲み終えると部屋に戻り、シャワーを浴びて、サラは先に床に就いた。ヒロは、明日の予定を再確認してから床に就いた。


二〇五六年二月三日七時

ヒロとサラは。起床し朝食を頂きに、ホテルのレストランに向かった。途中でマーガレットさん達と会い一緒に朝食を頂いた。

「ヒロ様。サラ様と今日はどちらにお出かけですか?」

「今日は。マリオブライス湖に行ってきます」

「そうですか。私達は。昨日。行ってまいりまして素晴らしい景色に感動しました」

「マーガレット。そんなに素晴らしい景色でしたか?」

「はい。とても素晴らしかったです」

「楽しみ」

 ヒロとサラは朝食を頂き。マーガレット達と別れ。一度部屋に戻ってからフロントに行き予約していた車のキーをもらって出発した。

「ヒロ?この車自動運転の装置付いていないの?」

「この車はついていません」

「そうなのですね」

「国が大きくなると普及に時間がかかるし。僕らの国みたいに国で管理できないので」

「そうなのですね。国が大きいから何でもできそうに思ったけど」

「逆に国が大きいと。人口も多いし。領土も広いから。なかなか大変だと思います」

「私たちの国とでは。政策の方針が違うのですね」

「そうですね。例えば、今から乗る高速道路。コペルニクスだと片側二車線ですが。イギリシアは。首都高速と言って幹線になる高速道路は。片側三車線でそのほかの高速は片側二車線になっている」

「そうかそれだけ車の量が多いという事ですか」

「そう。それに高速道路もコペルニクスの三倍から四倍の工事費。工事期間がかかる。だから国が運営するのでなく。民間の企業が運営する形になっている」

「やっぱり。いろいろな国に行って勉強しないといけないですね」

「そうです。どこの国もそうやって諸外国を訪問して。自国でできることを模索して国の運営を行っている」

 二人を乗せた車は首都ローデシアンから首都高速に乗り南東にある、第三の都市、カルガルータを通過してマリオブライス湖のあるオブライスシティに向かった。途中。サービスエリアで休憩をして。ヒロはレモンサワー、サラはオレンジサワーを飲んだ。売店でアンデラス豚のハンバーガーが売っていたので二人で半分にして食べた。

「ヒロ。そいえばイギリシアに来て。コーラ飲んでいませんよね?」

「ばれましたか?」

「もしかして。イギリシアのコーラ。ヒロの口に合いませんか?」

「はい。おっしゃる通りです」

「コーラ好きのヒロが。ミックスジュースとか。コーラ以外の炭酸飲料を飲んでいたので。不思議に思っていたのですが。そういうことでしたか?」

「サラ。興味あれば。一度飲んでみます?」

「もともと。コーラは飲めないのでお気になさらずに」

「はい。わかりました」

 二人を乗せた車は。オブライスシティに入った。ここからは国道に入りマリオブライス国立公園に向かった。オブライスシティから三十分。ローデシアンから三時間かけてマリオブライス湖の駐車所についた。

 サラが。少し不安そうな顔をしてヒロに話しかけた。

「ヒロ。湖見えないのですが?」

 ヒロは。少し困った顔をして答えた。

「ここから。十五分程。森の小道を歩かないといけないのですが?」

「わかりました。ヒロ。手をつないでもらえます?」

「はい。わかりました」

 ヒロは。サラと手をつなぎ湖に向けて歩いた。しばらく歩くと森がひらけ。目の前にコバルトブルーの湖が見えてきた。太陽が湖面を照らしきらきらとしている。太陽の光のせいかローデシアンより暖かく感じた。

「サラ。ボートに乗りますか?」

 サラは少し困った顔をしながらヒロに答える。

「ううん。乗りたいですけど。私。ボート乗ったことがないので何もできないですけど?」

「大丈夫。二人乗りのボート借りて。一緒に乗って僕が漕ぎますので」

「それでしたら乗ります」

 二人はボート乗り場に行き。ボートを借りた。

「僕が先に乗るね」

「サラ。僕につかまって乗って」

「揺れる。怖い」

「大丈夫。落ち着いて。ゆっくり乗って」

「うん。こんな感じ?」

「そうそう。いい感じ。乗れたね。僕が持っているから。ゆっくり座って」

「ふっ。座れた」

 ヒロも。ボートに座り漕ぎだした。

「気持ちいい。あっそうだ。はい。ヒロ。ポーズ」

 サラはスマートフォンでヒロが漕いでいる。写真を数枚とった。ヒロも漕ぐのをやめて、スマートフォンで。サラの写真を撮った。二人は寒い中。景色を堪能しながら非日常を楽しんだ。ボートから降りると、湖畔にあるレストランで昼食をとった。

「ヒロ。ここにいると何か心が安らぐね」

「うん。そうだね。非日常って感じ」

「そんなこと言ったら。コペルニクスに帰りたくなくなるよ」

「それは困るよ。帰ってやらないといけないことが。山積みなのに」

「ヒロ。せっかく非日常を満喫しているのに。現実に戻さない」

「すいません」

「ところで。明日の予定はどうなっています」

「十六時発の便で帰ることしか決まっていませんが」少し買い物はしようと思います」

「そうですね。お父様に渡すワインも買わないといけないので」

「ワインと言えば。この近くにワイン工房があるらしいので帰りに寄ってみますか?」

「ワイン工房ですか。私は試飲したらダメですよね」

「はい。基本はダメです。けど最終決定の時は、試飲してもらうかもしれません」

「分かりました」

 サラのスマートフォンが鳴った。クレマ様からのメールだった。

(お楽しみの所ごめんなさい。取り急ぎの用がありメールしました。五日の日に財務局を交えて来年度の予算会議があるのですが。財務局からの質問事項に。ヒロ君の公務費用の日当についての項目があって。サラと同じ金額でいいか聞こうと思いメールを入れました。できれば。十七時までに返事ください)と送られてきていた。

「クレマ様。何かあったの?」

「ううん。そうでなく。ヒロの公務手当をどうするというメールです」

「僕の公務手当?」

「うん。例えば十五日の親睦会のパーティーに出席するでしょう。その手当」

「うん〜。いまいち。よくわからないのですが。皇室のシステムどうなっているのですか?」

「あっ。そうか私一度も。皇室のシステムの話したことなかったよね」

「うん。僕は国王様が全部決めていると思っていた」

「コペルニクスは一番上がお父様。次にお母様と十人の皇族。そして十に分けられている州の知事になっていて。別で財務局と総務局があって、毎年前年の国の収益に合わせて二十の皇族。十の州に分配される仕組みになっているの」

「そうだったのだ。僕はてっきり。それぞれの給与が決まっているものだと思っていた」

「昔は。ヒロの言う通り給与が決まっていたらしいのだけど。疫病が蔓延して。経済が落ち込んで国民の生活水準が下がったのに。皇族や官僚の給与が少なくならないことに。国民の暴動が起きて。それを鎮めるために。祖父が今のシステムに変更して暴動が治まったの」

「コペルニクスにもそんな歴史があったのだ」

「そうなの。それで毎年。二月に予算編成会議があって。今回私と結婚したヒロも皇族になるので。予算がつけられるのだけど」

「僕は。給与はいらないよ。公務もボランティアでいいよ」

「実はそうはいかないの」

「えっ。どういう事ですか?」

「公務を行う方は。私達だけではないので」

「そういうことですか。それでサラの公務費用は?」

「来年度の公務費は日当で一万ペルを予定しています。ちなみに今期の。公務費の日当は三万ペルになっています。ですから十五日の親睦会のパーティーに出席するヒロには三万ペルの公費が支払われます」

「僕はいりませんと言ってもだめなのですね」

「はい。でも返納はできます。けどそれをすると他の皇族の方からクレームが来るかもしれませんのでお勧めできかねます」

「分かりました。では僕もサラと同条件で構いません」

「ありがとう。お母様に同等でと伝えておきます」

「よろしくお願いします」

 サラは。クレマにヒロの公務費の件とイギリシアとの技術提携の事務レベルでの話を手配してもらう件をラインで送った。(わかりました)との返事がおくられてきた。しばらくして二人はレストランを出て。オブライスシティの市街地の中にあるワイン工房を尋ねた。ワイン工房に着いて車を降りるとワインのほのかな香りがしてきた。

「ううん。いい香り。ワインが飲みたくなってきた」

「ダメです」

「そうですよね。ワインはアルコール度数。程々ありますものね」

「サラ様。よくご存じで」

「はい。ワインは好きですから」

 二人はワイン工房に入り、見学をさせてもらった。昔ながら木の樽で保管しているワイン。最新の真空樽で保管しているワインと二種類のワインがあり。やはり木の樽のワインが美味しいとの事だった。サラは、十年物のオブライスワインの赤・白・ロゼの三本セットを購入した。

「サラ試飲しなくていいの?」

「うん。三種類も味見できないでしょう?」

「そうですね。サラの分も買っておく?」

「いいのですか?」

「いいですよ。飲むのは。来年になるかもしれませんが」

「うん。ありがとう。飲めるようになるまで。大事に置いておく」

 ヒロはサラに三本セットのワインを購入してあげた。その後二人は。近くのカフェでお茶をしてからホテルに戻った。ホテルに戻るとサラは横になり少し眠った。しばらくしてサラが目を覚ますとヒロの姿が見えないので読んでみた。

「ヒロ!」

 奥の部屋から声がした。

「サラ目を覚ました」

「うん。奥の部屋で何していたの?」

「明日。帰るから。荷物の整理していた」

「あっ。私も手伝う」

「いいよ。夕食までまだ時間があるから。ゆっくりしているといいよ」

「ありがとう。お言葉に甘えてもひと眠りする」

「うん。そうするといいよ」

 サラは。夕食の時間までひと眠りすることにした。しばらくして。ヒロが起こしてくれた。

「サラ起きて。そろそろ夕食に行くよ」

「うん。わかりました」

 サラはゆっくりと起きた。

「大丈夫?」

「うん。少し寝すぎたかな?ちょと。ぼ〜としている」

「落ち着いてから夕食に行こうか?」

 ヒロはサラの横に座った。

「はい」

 サラは。ヒロに頭をもたれさせた。しばらくしてサラが声を掛けた。

「ヒロ。落ち着いたので。夕食行きましょうか?」

「はい。行きましょうか?」

 二人は夕食を頂きにレストランに向かい。旅行最後の夕食を頂いた。

「明日の予定は決まりましたか?」

「一応。決まりました。荷物をホテルに預けて十時ごろ出て。免税店で買い物と昼食は隣のレストラン街の日本料理屋さんのお寿司を頂き。十四時にホテルを出て、ローデシアン空港十六時発のKP三一二にのって帰ります」

「昼食のお寿司どんな食べ物ですか?」

「僕も初めてなので説明はできませんが。この食べ物です」

 ヒロはスマートフォンでお寿司の写真をさらに見せた。

「ご飯の上に生魚が乗っているのですか」

「そんな感じだと思いますが。御飯はお酢が混ざっているそうです」

「まったく。想像がつきませんが。食べてみたいです」

「僕も食べたことがないので。少し楽しみにしているのです」

「そうだ。マーガレットとシャルティアも呼んでいいですかね?」

「いいですけど」

「ヒロ。あまり乗り気がしないみたいですね」

「…………」

「シャルティアですか?悪気が合って言ったわけではないので許してあげてもらえませんか?」

「サラにはかてないな。わかりました。シャルティアさんの事は。納得はしていませんけどなかったことにします」

「ありがとう。マーガレットにメールを入れておきます」

「はい。わかりました」

 サラはマーガレットにメールを入れた。

「ヒロ」

「何?」

「なんでもないです」

「そうですか?サラよかったら。この後ラウンジ行きますか?」

「!ラウンジですか?」

「はい」

「ヒロ。私に甘くなっていません」

「そんなことはないですよ。ラウンジ行っても、昨日のカクテルぐらいのアルコール度数で二杯まででしたら。いいかなと思っているので」

「分かりました。連れて行っていただけるのでしたらお供します」

 二人は食事を終え。最上階のラウンジに向かった。途中。マーガレットから(会って話がしたい)とメールがきていたので。ラウンジに来てもらうことにした。

「ヒロ。昨日と同じカクテルにするの?」

「今日はね。スノークイーン」

「サラはオレンジヒューリーズでいいですね」

「はい」

 ヒロはカクテルを注文した。しばらくしてマーガレットがシャルティアを連れてラウンジに来た。

「お二人でお楽しみの所すいません」

「マーガレット。お話ししたいことは何でしょうか?」

 マーガレットが。困った顔をしながらサラに話しかけた。

「シャルティアが。明日。お食事行くのにいままの気持ちではいけないから。謝りたいというもので」

「そうですか?」

「シャルティア」

 シャルティアが。すまなそうな顔をして返事をしサラとヒロに謝罪した。

「はい。ティフォリア様。アガパンサス様。先日は。大変。失礼な発言申し訳ありませんでした」

「はい。ヒロも。悪気が合って言ったことではないのは。わかっていますので大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」

 ヒロとサラの注文したカクテルが届いた。

「ヒロの注文したカクテル。真っ白だね」

「少し飲んでみる」

「いいの。」

「少しならいいでしょう」

 サラは、真っ白なカクテルを少し頂いた。

「うん。おいしい。ホワイトサワーにウオッカが入っている感じかな?」

 ヒロも飲んでみた。

「サラの言った感じ。わかるような気がする。マーガレットさんシャルティアさんも一緒に飲まれますか?」

 マーガレットは驚いた顔をした。

「!ヒロ様よろしいのですか」

「ヒロが誘っているのだから遠慮しないで」

「お言葉に甘えて頂きます」

「ねえさん。私。部屋に戻っている。」

 サラが叫んだ。

「ダメです。それは許可しません」

 シャルティアが困った声を上げた。

「ティフォリア様」

「もしカクテルを飲んだことがないのであれば。ワインでもいいですよ。アルコールがダメでしたら私の飲んでいるオレンジヒューリーズにしますか?」

「……わかりました。ティフォリア様と同じカクテルを頂きます」

「私は。ストロベリーナイトにします」

 ヒロは店員さんを呼び。カクテルを注文した。四人の前にカクテルが揃った時。サラが乾杯をしてそれぞれのカクテルを飲んだ。四人で旅行中の話をして最後の夜を楽しんだ。二時間程。話をしてそれぞれの部屋に戻った。

「ヒロ。何杯飲んだの?」

「三杯かな」

「あれ。そのぐらいしか飲んでなかったの?」

「奥様に辛抱してもらっているのに。旦那が何倍も飲めませんよ」

「そうですよね。あとが怖いですからね」

「はい。おっしゃる通りです」

 二人は。荷物の整理をしてバスタブにお湯を張り。一人ずつ入った。

サラが先に入り。ヒロが後で入った。ヒロがベッドに入ったら。サラが体を寄せて来た。

「サラ。起きていたの?」

「うん。少しヒロと話がしたくて」

「何?」

「今日は。私の顔を立ててくれてありがとう」

「シャルティアさんの件?」

「そう。とっても嬉しかった」

「サラ。そんなに気にしてくれていたのだね」

「うん。せっかくの旅行なのに。気まずいままではお互い困るかなと思って」

「ありがとう。サラ。僕のお嫁さんになってくれてありがとう。愛しているよ」

「もう。改まって言われると恥ずかしいかです」

二人は。床に就いた。



二〇五六年二月四日八時

ヒロとサラは、着替えて、朝食を頂きにレストランに向かった。

「今日は軽めにとるかな?」

「昼食のために?」

「はい」

「私は。普通に頂こうかな?」

「うん。やっぱり僕も。普通に頂くことにしよう」

「珍しく。迷っていますね」

「そう。昼食が初めて食べるものだから迷っています」

「ヒロでも初めてのものは不安なのですね」

「はい。一応。僕も人間ですので」

「ヒロが。私の前で。弱音に近い発言。珍しいですね」

「そうですね。今回ばかりはちょっと不安で」

「何故。そんなに不安なのにお寿司を食べるのですか?」

「異国の食べ物って興味があるでしょう」

「確かに興味はあります。でもお寿司を不安がっている理由がわからないのですが?」

「実は。酢飯が苦手でだから不安なのです」

「そういうことですか?うふふ。ヒロにも苦手な食べ物があるのですね。新しい発見」

「サラ。食事作る時。酢飯は勘弁してください」

「はい。わかりました」

 二人は朝食を頂き。部屋に戻り荷物の整理をして、フロントに行き清算を済ませてから、荷物を預けショッピングに出かけ、アキレア・ティモル・マリー・クレマ・フローレンス・リリーのお土産を購入した。そして自分たちの分のお土産として置物を二つ購入した。

あとお菓子を十箱程購入した。必要な買い物が終わり、昼食を予定している、日本料理の店に向かった。店の前に行くとマーガレットとシャルティアが待っていた。

「マーガレット。店に入いりましょうか?」

「はい」

 回転寿司店の中に入ると、商品の写真がレーンに流れていてそれぞれに番号が打ってあった。店員さんに席に案内してもらいカウンター席に座り。説明を受けた。

テーブルの写真の番号を。手元にありますボタンで入力しますとその横にある扉から商品が出てきますおひとり様。三皿まで注文できます食べ終えられたお皿は。こちらにおかれますと自動的に回収され自動集計されます。金額を知りながら食事をされる方でしたらそのままで、もし金額は見たくない方でしたら、所持されている横の緑のボタンを押していただければ表示は出ません。赤のボタンを押せば再び表示されます。何科わからないことがあれば河花林までお申し付けください。四人は各々チュモンした。ボタンを押したら約三十秒から一分で商品が出てきた。その速さに全員が驚いた。

「ヒロ。この機械。どういう仕組みになっているの?」

「ごめんなさい。僕にもわからないです。今度調べておきます」

「よろしくお願いします」

 四人はそれぞれ注文した商品を恐る恐る頂いた?

「うん。おいしい」

「おいしいですね」

「あれ。ヒロ。酢飯だめではなかったのではないですか?」

「うん。これは大丈夫です」

「そうなのですね。残念」

「何か企んでいました?」

「何も企んでいませんけど。ただ。大丈夫なのかなと。思っていただけです」

「そうですか。でもこれはおいしいです」

「マーガレット。シャルティアどうですか?

「おいしいです」

「とてもおいしいです」

「よかった。連れてきておいしくなかったらどうしようかと思っていたので」

「いいえ。連れてきてもらい感謝しています」

 サラは結局四人でトップの十五皿。ヒロ十四皿、シャルティア十一皿、マーガレット十皿の順だった。

「サラ。それだけ食べて大丈夫?」

「大丈夫ですけど」

「ほんと最近よく食べるようになったね」

「そうですね。二人分だからですかね」

「そうかもしれないけど。気を付けないと妊娠中毒になるかもしれないよ」

「はい。そうならないように。気を付けるようにします」

「では。お開きにして。コペルニクスに帰りますか?」

「はい」

 四人は一度ホテルに戻り。預けてあった荷物を引き取ってから、タクシーで空港に向かった。搭乗手続きして。十六時発のKP三一二で帰路についた。行きと違いサラはマーガレット、シャルティアと三時間女子会をしていた。ヒロは横でパソコンを開き。調べ物をしていた。KP三一二は定刻より十五分遅れの十九時三十分にシャルム国際空港に到着した。

「ヒロ。マーガレットとシャルティアをお屋敷に運んでからヒロの家にお願いします」

「分かりました。でも今日はお屋敷に戻らないのですか?」

「今日までマーガレットとシャルティアに部屋を貸しているので」

「そういうことですか。わかりました」

 ヒロは、マーガレットとシャルティアをお屋敷に送り。自宅に戻った。自宅に戻り。荷物の整理をした。

「私の化粧品ポーチ知りませんか?」

「化粧ポーチ。いらないと思ったので。スーツケースの中になおしたけど」

「はい。スーツケースの中ね。あった。ん。この四角い箱は何ですか?」

「あ〜それ。写真立て。ホテルの売店でいいなと思ったので買いました」

「開けてみていい」

「いいよ」

「うあ〜。化石のモチーフの外枠。なんか神秘的。私がもらっていいの?」

 ヒロは少し困った顔をして話した。

「いいけど」

「ありがとう。大事にするね」

 二人で会話しながら荷物の整理をしていると。マリーがドアの横から顔を出した。

「マリーちゃんどうかした?お土産は明日あげますので」

「ううん。そうではなくて。二人の会話が聞こえたのですが。旅行前と話し方が変わっているので」

「変わったかな」

「変わってないと思うけど」

「そこが変わったの」

「!ん。僕にはわからないけど。何が変わった?」

「名前を言わなくなった」

「そう言えばそうですね。いつから言わなくなったかな?」

「いつだろう。でも別に違和感ないから気にしなくてもいいか」

「そうですね。マリーちゃんごめんね。気付いてくれたのに」

「いいえ。お邪魔しました」

「明日。お土産。楽しみにしておいてください」

「はーい。」

 マリーは部屋を出て行き。再び二人は荷物の整理を始めた。

「洗濯物どうしようかな?母さんに頼みにくいな。」

「自分たちでしましょう。教えてくださいね」

「あっ。そうでしたね。洗濯したことなかったですね」

「はい。ティモルさんが夜勤の時。御飯は作りましたが。洗濯は夜勤の仕事が終わって帰って来られてからしていましたので。私は。洗濯物を干すだけでしたので」

「では。明日。二人で洗濯しますか?」

「はい。でもワンピースはクリーニングに出してもいいですか?」

「いいですよ。僕もスーツを出しますので」

「よかった」

「ヒロ。サラさん夕食用意したけど」

「ありがとうございます。今から行きます。夕食いただきましょう」

「うん。そうしようか」

 二人は一階に降りてリビングで夕食を頂いた。

「ティモルさんの味。おいしい」

「ほんと母さんの味。すごくおいしい」

「二人ともおだてても何も出ませんから。そう言えば洗濯もの出しといてね」

「その件ですが。明日。洗うことにしましたので」

「母さん。僕達の旅行の分は自分ですることにしたので」

「ヒロ。大丈夫かい」

「大丈夫。量が多いから母さんに任せるのは悪いし。サラも勉強したいと言っているので」

「わかりました。私はゆっくりさせてもらいます」

「はい」

「私は。お風呂に入るから。あとはよろしく」

「はい。わかりました」

 二人は夕食を頂き片付けて。二階に戻り荷物の整理の続きをした。しばらくしてマリーがお風呂どうぞと言ってきたので二人で一緒に入った。

「やっぱり。このお風呂が一番。すごく落ち着く」

「うん。自分ちのお風呂が一番」

「もし家を建てたら。このお風呂まねてもいいかな?」

「いいと思うし。そうしてくれたら僕としてもうれしい」

「では決定ですね」

「はい。異議ありません」

 二人は。お風呂から上がると、すぐに床に就いた。

「おやすみなさい」

「おやすみ」


二〇五六年二月五日八時

 ヒロとサラは。起床してティモルが用意してくれた朝食を頂き。片付けをしてから。洗濯をしながら荷物の整理をした。マリーにダブルオープンハートのゴールドネックレスとガーデンアイスへのお土産のお菓子を渡した。

「お土産のネックレス。ありがとうございます。こんなおしゃれなもの大学に行ってからつけようかな?」

「マリーちゃん。私は。今つけても。大丈夫だと思うけど?」

「そうですか?つけてみます」

マリーは部屋に戻り。ネックレスを付けて戻ってきた。

「サラお姉さん。どうですか?」

「わっ。とても似合っている。少し大人の感じになる」

「確かに。ネックレス一つでこんなに変わるものなのか」

「お兄ちゃん。ほめても何も出ませんので」

「大丈夫。何も取ろうと思っていませんので」

「今日。アルバイトの時付けて。行こうかな?」

「それはやめといたほうがいいと思うけど」

「私も。アルバイトの時に付けていくの。やめといたほうがいいと思う」

「二人に言われたら。仕方ないし置いていきます」

「ごめんね。みんなに。見せたかっただろうけど。もしもの時。みんながいい気持ちしないから」

「そうですね。ご忠告。有難うございます。アルバイトに行ってきます」

「行ってらっしゃい」

「ふぅ。終わった。サラはどんな感じ」

「もう少しで終わる」

「このワンピースはクリーニングですよね?」

「はい。全部で三着です」

「僕のスーツが二着とワンピース三着。手提げ袋に入れておくね。

「はい」

 洗濯が終わり。乾燥室に洗濯物を干した。

「洗濯も終わったし、クリーニング店に寄ってから。お土産を配りますか?」

「そうですね。昼食はホワイトッパーのパスタランチでいいですか?」

「はい。仰せの通りで結構です」

「では。出かけましょうか?」

「はい」


==

シャルム城会議室

「ただいまより二〇五六年度予算会議を行います。初めに財務部より二〇五五年度の収支報告をします。歳入二兆六千億ペル。歳出二兆七千五百億ペルで一千五百億ペルの赤字になります。ですので、二〇五六年度予算は二兆四千五百億ペルになります。ここから皆様方からお預かりした予算額の配布になります。」

「では。州の申請額及び本年度予算額を発表します」

「サノバラ州・申請額千八百億ペル・予算額千八百億ペル」

「ロンジアリーム州・マケドレイル州・ハルソレラン州・申請額千二百億ペル・予算額千二百億」

「ノークウエスト州・ノークイースト州・申請額一千億ペル・予算額一千億ペル」

「シャガールディア州・申請額二千六百億ペル・予算額二千六百億ペル」

「マークレイバー州・申請額二千六百億ペル・予算額二千五百億ペル」

「ミレーソシル州・申請額二千八百億ペル・予算額二千七百億ペル」

「最後にオーランダー州・申請額三千二百億ペル・予算額三千二百億以上になります」

「続きまして各皇室の分担金の申請額・本年度予算額を発表します」

「ブリストリア家・申請額四千八百万ペル」

「ビアンス家・申請額五千万ペル・予算額五千万ペル」

「ミルセリア家・申請額五千六百万ペル・予算額五千五百万ペル」

「ファレストロング家・申請額六千万ペル・予算額五千八百ペル」

「シンシアンド家・申請額六千万ペル・予算額六千万ペル」

「カリオリア家・申請額六千二百万ペル・予算額六千万ペル」

「モーンダルド家・申請額六千二百万ペル・予算額六千二百万ペル」

「アスクレピアス家・申請額六千三百万ペル・予算額六千二百万ペル」

「マレイドア家・申請額七千万ペル・予算額六千三百万ペル」

「シルバイヤ家・申請額六千五百万ペル・予算額六千五百万ペル」

「最後にドレントス家・申請額六千八百万ペル・予算額六千八百万ペル以上になります」

「議長。ティフォリア家はどういう配分になっているのだ」

「私はお聞きにならないほうが良いかと思われますが」

「どういううことだ」

「皆様がお聞きになりたいというのであれば説明をしますが。私達。財務課もバランスが崩れるかも知らないので申請を行うよう促したのですが。国王様やここにおられるクレマ様の御意志が固く今回の予算になりました。

「じゃ。ティフォリア家は申請をしていないという事か?」

「その通りでございます」

「では。公務費はどうなっているのだ?」

「はい。ティフォリア家は一万ペルの申請で、後払いになっております」

「馬鹿な。財務課はそれでいいのか?」

「私共は国のお金を管理する身。申請額より多く出すことはございません」

「公務費の最大は五万ペルを請求されている皇族もおられます」

「私共は。妥当と判断している案件については満額お支払いいたします。たとえ。ティフォリア家は。一万ペルでも他家が五万ペルの申請をすれば五万ペルをお支払いいたします。それに対して私共が異議を唱えることはしませんので」

 一時。場内は騒然としたが、議長の話で静かになった。

 次に防衛費・申請額五千六百億ペル・予算額五千六百億ペル」

 最後に管理部・総務部各二億五千億ペルで予備費として八千二百四十九万ペルを計上します。」

「議長。私の計算上。百万ペルはどこに分配されるのですか?」

「一応。今月の十五日に交流パーティーと会議があります。その中でイギリシア王国との技術提携に向けた事務レベルの会合を開くことになり。今年度分より予算を百万ペルとることにしました。余った分に関しては来年度分に繰り越しいたします」

「イギリシアと技術提携?夢みたいな話。誰が持ってきたのだ」

「それはサラ王女と御主人のヒロ様ですが。何か問題でもありますか?」

「ありえん。クレマ様。経緯を説明してほしいのだが」

「はい。経緯を説明したほうがよろしいようなので説明させていただきますが。

議長。説明を行ってもよろしいでしょうか?」

「はい。構いませんので。説明お願いします」

「はい。説明いたします。アガパンサスさんとサラ王女は。昨年の八月にサノバラの農場見学に来られたイギリシアのシュナイザー皇太子夫妻と意気投合されまして。連絡を取り合う中になり。お二人は。昨日までイギリシアに旅行に行かれていました。二月一日に皇太子夫妻のお誘いでシュナイダー家の晩さん会に呼ばれて出席して。翌日。イギリシアの技術研究所の見学に行き。技術提携の話を頂いたそうです。サラは。十五日に皇太子夫妻が。コペルニクスに来られるので。その時に事務レベルの協議をという事で話をまとめましたと。報告があり。すぐに手配をしました。以上が経緯です」

 議会に出席している全員がクレマの話を聞いて声も出なかった。それもそのはず自分達。誰一人として話すらしたことのない。イギリシア王国。シュナイダー家の晩さん会に呼ばれ。話をしたというだけで。凄い事なのに技術提携の話まで進めているので沈黙した。

「議長。質疑がなければお開きでよろしいですか」

「はい。皆さん。質疑がなければお開きにいたしますので」

「ないようですので。閉会します。お疲れ様でした」


==

 ヒロとサラは、クリーニング店に行き。ワンピースとスーツを預け、モントブレスコンビニエンスストアに向かった。

「店長さん。ご無沙汰しています」

「サラさん。ヒロ。旅行どうだった」

「楽しかったです。今度行く時は一週間ぐらいかけて行こうと思っています」

「そんなに楽しかったの?」

「あっ。シーナさん。来られていたのですね」

「一応。今月の二十日までは。勤務するつもり」

「そうなのですか?」

「店長。これお土産のお菓子です。皆さんで食べてください」

「ありがとう。頂くよ」

「サラ。次行こうか?」

「はい」

「店長。明日から頑張りますので」

「よろしく。頼む」

 ヒロとサラは。オーシャンビッグショッピングセンターの五階にあるホワイトペッパーに向かい、入店した。

「あら。お二人さんいらっしゃい。ティモルと待ち合わせ?」

「いいえ。待ち合わせはしていませんけど。来て頂ければ助かりますけど。でも今日は。昼食でパスタランチを食べに来たので」

「そうなの。席に案内するね」

「はい。これ旅行のお土産のお菓子です皆さんでどうぞ」

「気を使ってもらって。ありがとう」

 ヒロとサラは。席に案内され。ヒロは。サーモンクリームパスタセットを。サラはマグロとキノコのトマトパスタセットを注文した。しばらくしてティモルが来店し、二人を見つけびっくりしていた。

「二人とも。どうしてここに?」

「ホワイトペッパーで昼食をとった後。母さんの病院に寄るつもりだったけど。母さんが来てくれたので。お土産のお菓子渡して置きます」

「そんなわざわざ来なくても。明日持って行くのに」

「今日中に全員に渡そうと思っているので」

「サラさん。身重だから。あまり無理しないようにね」

「はい。無理せずゆっくり回わっています」

「それならいいけど。ヒロ。サポートをしっかりしてあげてね。」

「はい。わかりました」

 ヒロとサラは昼食を頂いたら、国王様のいるノーザントリア保養所に向かった。

「お父様。ただいま」

 サラは国王に抱きついた。

「サラ。お帰り。旅行楽しかったかい」

「はい。とても楽しかったです」

「サラを見ているとよくわかるわ」

「お父様。御注文のワインのお土産です」

「おっ。ありがとう。今晩。早速頂かせてもらうよ」

「はい。楽しみながら飲んでください」

「うむ。楽しみながら頂かせてもらうよ」

「ヒロ君。サラとうまくやっているみたいだね」

「はい。おかげさまで。サラが。僕によくついてきてくれていると思います」

「そうか。サラが君にね」

「お父様。それはどういう事ですか?」

「失礼。わしは。逆だと思っていたから」

「お父様。せっかくヒロが私を立てているのに台無しです」

「あっ。そういう事だったか。それは失礼した」

「ほんと。お父様ったら。お父様。も少しゆっくり話していたいのですが。知り合いの場所回っているところなのでこの辺で失礼します」

「わかった。またゆっくりおいで」

「はい」

「国王様。失礼します」

「ヒロ君も頑張ってくれ」

「はい。ありがとうございます」

 ヒロとサラは。ティフォリア家に向かった。皇族の居住地に入った時。サラがある家の前で止める用のお願いした。サラが。車を降りて。チャイムを押し話しすると中からヒロの知っている女の子が出てきた。(あれ?ミーナさん?)サラは。ミーナに少し話をして。お土産を渡し車に戻ってきた。ミーナさんがヒロに挨拶をしたのでヒロも挨拶をした。

「ミーナさんって。ここなの?」

「そうだけど。あっ。そう言えばヒロにはきちんと紹介してなかったよね」

「もしかしてサラの友達三人とも皇族の人?」

「はい。正解です」

「だから。サラとみんな。普通に話していていたのですね。全然気づかなかった」

「はいそうです。次はサツキの家に行きますので」

「はい。わかりました」

 ヒロはサラの指示された道を進み。ビアントス家に寄り。サツキにお土産を渡した。

「サラ。一つ聞いていい」

「何でしょうか?」

「今日は。なぜ全員この時間家に居るのですか?」

「いい質問ですね」

「いい質問?」

「はい。今日は。予算会議があり。各当主が予算額を申請して。財務局がその額が妥当かどうか判断をして。来期の予算が各家に言い渡される。その額をもとに各家の分担金を決めるので。今日は全員家に居て。話し合いをします」

「皇族の人はその分担金で生活しているのですか?」

「いいえ。あとはそれぞれ事業をしているので。その事業の収益の半分を使用できます」

「半分ですか?」

「はい半分は、財務局へ行きます。来年度の予算として」

「?そういった。仕組みになっているのですね」

「そうです。私達もそのうちの一人ですので」

 ヒロとサラは。お屋敷に到着するとお屋敷に入り、大広間に向かった。大広間では、

全員が集められ。クレマの帰りを待っていた。しばらくして。クレマが帰って来られ。ティフォリア家は来期の予算は辞退したとの話から始まり。事業の収益だけでやりくりすることにし、家族を除き、全員現状維持の給与とは発表された。家族に関しては。後程。話をしますとの事で。解散になった。クレマはヒロ・サラ・フローレンスをリビングに集めた。

「サラ。来期の予算くんでいませんけどよろしかったでしょうか?」

「はい。お母様。自分の分は自分で何とかしますのが。お屋敷にはいくら入れたらよろしいでしょうか?」

「そうですね。お二人ともまだ学生ですのでその話は来年しましょう」

「クレマ様。それでよろしいでしょうか」

「ヒロさん。あなたには。違う意味でお世話になっているので。サラが。お屋敷にいる時は当家で負担いたしますので」

「わかりました。来年就職したら、正式に負担額についてお話しいたしますので。今年はお言葉に甘えさせて頂きます。」

「はい。今年は二人とも。親になりますので。自分勝手な行動・言動は慎んでください」

「はい。わかりました」

「フローレンスは。大学生になりますので。月々。サラと同額の三万ペルでよろしいでしょうか?」

「はい。異議はありません」

「では。今年度の分担金の話は終わります。サラ。夕食はどうされます」

「夕食は。シーズカルナスに予約を入れていますので」

「そうですか。私も久しぶりに行ってみましょうかね」

「お母様。来られるのでしたら。予約入れますけど」

「そうね。フローレンス。あなたも行かれますか?」

「はい。行きます」

「では四人分の席の予約お願いします」

「分かりました」

 サラは。シーズカルナスに電話を入れ。別で四人分の席を予約した。サラはヒロと予約の時間の十九時まで時間があるので、サラは自分の部屋に入った。部屋に入ると、机の上に、シャルティアからお礼の手紙が置いてあった。サラは手が身を読むと、作園引き出しに直した。

「サラ。時間までひと眠りしたらどうですか?」

「はい。そうさせていただきます」

 サラは。ベッドに横になり。眠りについた。ヒロは。パソコンを開き。自分の研究をした。

 十八時二十分になり。ヒロはサラを起こした。サラは。すっと起き行きましょうかと言った。ヒロとサラはクレマより。一足先にシーズカルナスへ向かった。シーズカルナスへ行くと駐車場がほぼいっぱいだったので、裏の従業員用の駐車場に止めた。サラは。店内に入りシャルローズに席に案内してもらい、椅子に座る前に、お土産を渡した。

「シャルローズさん繁盛していますね」

「はい。サラ様。インスタグラムに新しいメニューの写真載せましたでしょうか?」

「私は載せていませんけど。ヒロ。載せました?」

「僕でもありません」

「ということは。マーガレットかシャルティア?」

「そう言うことになりますね」

「後で。マーガレットに聞いてみます」

「サラ様。本日は。何をご用意しましょう」

「アンガスビーフのロース。ミディアムウェルダンであとパンとスープとサラダのセット」

「僕も同じのでお願いします」

「分かりました。しばらくお待ちくださいませ」

ヒロとサラが注文して、しばらくするとクレマがフローレンス・マーガレット・リリーを連れて店内に入ってきた。サラたちの横を通った時、(大変繁盛していますね)と言われた。

「マーガレット。このインスタ知らない」

「あっ。それシャルティアです。ここのイニシャルS・Kでわかりました。あの子いつもペンネームではなくイニシャルで載せるのです。その写真がご迷惑をお掛けしたでしょうか?」

「いいえ。その逆でシーズカルナスの宣伝になりました」

「そうなのですか?」

「はい。何かして差し上げないといけませんね」

「そんなよろしいです。旅行の時はご迷惑かけましたし」

「旅行の件と。この件は別ですので」

「あっ。はい」

「マーガレットさん。あとで住所を教えてください。」

「ヒロ様。ほんとによろしいですのに」

「遠慮しなくてもいいですよ。僕達が渡すのは宣伝料ですので」

「はい。あとでシャルティアに伝えておきます」

「マーガレット。シャルティアには内緒にしておいてください」

「!内緒に。でしょうか?」

「はい」

「サラ。それはいいかもしれませんね」

「よかった。ヒロも賛成してくれているので。内緒でお願いします」

「はい。わかりました」

「お待たせしました」

ヒロたちのテーブルに料理が運ばれてきた。

「おいしそう。ヒロ。頂きましょうか?」

「はい。頂きます」

 クレマは、サラ達が頂いている料理を見て、シャルローズに同じメニューを注文した。

クレマのテーブルに料理が運ばれた時、サラがシャルローズに小声で何かを注文した。

ヒロとサラは。料理を食べ終えると。食後のコーヒーを頂き、クレマに挨拶をして、店を出て行った。

「お母様。お姉様。いろいろと忙しそうですね」

「そうですね。たぶん動けるうちにやれることをしようとしていると思います」

「動けるうちに。ですか?」

「そうあと二か月もしたら、動きたくても、思ったほど動けなくなるので。そのうち。フローレンスも経験するので、その時わかりますよ。料理頂きましょう」

「はい」

 四人で、料理を頂いた。クレマは焼き加減が。絶妙だったがミディアムでもなくウェルダンでもないので、シャルローズを呼んで聞いてみた。

「シャルローズ。このお肉の焼き加減は何というのですか?」

「はい。ミディアムウェルダンと言います」

「シャルローズ。ありがとう」

 クレマ達が食事を終えた頃。シャルローズがサラ様からと言い。洋ナシのモンブランを提供した。クレマは少し驚いたが、洋ナシのモンブランを頂いて、これはおいしいと絶賛した。


==

 ヒロとサラは、車でヒロの自宅に向かっていた。

「ヒロ。食事代。私達が。出したの。怒っているかな?」

「そんなことはないと思うよ」

「どうして?」

「僕達。普段からみんなの驚くことしているから。やられました。としか思わないと僕は思いますが」

「そうですね。人が驚くの。好きですから」

「はい。ところでシャルティアさんへのお礼ですが。時計を送ってはと思いますが」

「そうですね。誕生石のネックレスを考えていたのですが?」

「誕生石のネックレスですか?それもいいですね」

「今度。ヒロがお休みの日に。両方見に行きましょうか?」

「そうですね。そうしましょうか?」


==

「シャルローズさん。お会計お願いします」

「すいません。クレマ様。お会計終わられているのですが?」

「サラが支払っていかれましたか?」

「はい」

「そうですか。ではお屋敷に戻りますか?」

「はい。お母様」

クレマはお屋敷に戻ってから、サラに(ごちそうさまでした)とラインで送った。



==

 サラは、ヒロの部屋でくつろいでいる時に、クレマから(ごちそうさまでした)のラインを受け取り。(私達には。お母様にできることはこのぐらいしかできませんので)と返信した。

クレマから(ありがとう。おやすみなさい)の返信が来て、(おやすみなさい)と返信した。

「サラ誰からだったの?」

「お母様」

「怒られた?」

「ううん。ごちそうさまですとお礼言われた」

「支払ったかいがあったね」

「うん。よかった」

「お風呂入る?」

「はい。入ります」

 ヒロはサラとお風呂に入りくつろぎながらこれからの話をした。

「そういえば。大学いつまで通う予定」

「一応。四月いっぱいかなと思っているけど。そのぐらいになると。様子見ながら通学しよう思います」

「お腹の子。だいぶ動くようになったね」

「そうね。ところでベビーベッドだけど。買わないことにしようかなと思っているの」

「どうして?」

「最初から大きいベッドに寝かせるようにして慣れさせようかなと思って」

「そっか。ティフォリア家は。それが当たり前にしているのだね」

「はい。でもヒロは。どう思いますか?」

「僕は別にいいと思います。この部屋にベッドを二個置くのは無理だけど。子供が出来たらサラは一緒に寝てあげたらいいし。僕は。フローリングに布団を敷いて寝るので」

「わがまま聞いてもらってありがとう」

「僕はわがままと思わないけど」

「でも私の意見を尊重してくれているでしょう」

「それは。それでもいいと思ったので」

「はい。あっ。しまった。お母様にお土産を。渡すの。忘れた」

「あっ。僕も両親に渡してない。お互い明日渡しますか?」

「そうですね。」

 ヒロとサラは。お風呂から上がるとそのままベッドに入り床に就いた。

「おやすみなさい」

「おやすみ」






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