青の小瓶
どんなに言葉を交わしても
どんなに願っても
ボクとキミは同じカタストロフに至る
思えばあの日木漏れ日の下で出会った時から
この結末は必然だったのかもしれない
キミは後悔しているだろうか
ボクのことを恨んでいるだろうか
ボクらは出会わなければ
違う昨日があったのかもしれない
亜麻色の美しい髪に触れなければ
幼子の様な小さな手に触れなければ
甘さだけを残す唇に触れさえしなければ
やめよう
ただただ愚かしい
過程の話など滑稽で無意味だ
そしてキミへの冒涜でしかない
これはボクの弱さだ
聖者になりたかったわけではない
ただ
キミの止まり木でありたかった
それだけなのに
少女のままのキミと
少女のやめたボク
違いはどこにあったのだろう
割れたリンゴと
朽ちたリンゴ
どちらも食べれない
永遠を願っても
永遠に至れず
刹那の祈りは
寄る辺なく終わりを告げる
さようならをキミへ
いつの日かまた逢おう
そしてありがとう
キミの指から落ちた小瓶が
鈴の音を立てる
青の薬はボクらを連れていく
もうキミの熱すら感じやしない
目の前にいるキミが映らない
永遠に至れず
永遠に至らず
願わくば
少女のままで……
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