優しくて強い
兵団長が去り、ひとまずダイヤのデートは免れた。兵団長始め、軍人達はここのホールスタッフにベタ惚れである。軍人には、アイルやシルク、ダイヤのようなタイプは滅多にいないのだ。
「ハイド、ありがとう。」
ダイヤが久々にハイドに声を掛けた。ハイドは頭をかいた。
「ねえ、どうして言わなかったの?ダイヤさんは俺の恋人だ、デートなんてダメだって。」
レインが近づいて来て言った。
「だって、それを今言ったら、作戦を変更してくれなくなっちゃうかもしれないでしょ?」
ハイドがさらりと言う。
「へえ。あんた、頭が良いんだか、悪いんだか・・・。」
レインがそう言って苦笑いした。
「今後、デートの話をしてきたら、その時には言ってやりますよ。ダイヤさんは俺のものだって。」
ハイドは胸を張ってそう言った。そして、
「それにしても、ダイヤさんは優しいね。それに、強い。俺、惚れ直しちゃったかも。」
そうダイヤに向かって言い、笑った。
「えっ。」
ダイヤが頬を染める。
「あ、そうだ。」
レインが言った。
「もしかして、ダイヤは僕とハイドが仲良くしてるから怒ってたの?そんなの、全然気にする事ないよ?僕はロッキーの事を愛してるんだからね。」
レインはそう言ってウインクすると、厨房へ戻って行った。
「あ・・・。僕は別に、レインさんとの事だけを怒ってたわけじゃないからね!でも・・・ハイドはやっぱり、カッコイイ。」
ダイヤはそう言うと、ハイドに抱きついた。その瞬間、カフェ内がざわめいた。ハイドはいつもカフェの中にはいないので、ダイヤとハイドの間柄を知る者は少ない。今、やたらとワイルドでかっこいい若者が、どうやらダイヤと仲が良さそうだと知って、ダイヤファンの胸中は穏やかではないのであった。いやそれどころか、波風が立ってザワザワしているのであった。




