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第4話 やっぱり制服は可愛い方が良いですね。

職業安定所の隣に職業訓練施設がある。

この施設は異世界転職用に新たに建設された施設で充実した装備を誇っている。

数多くの転職者が今までここで学んだそうだ。

私もその1人になる。

今の会社には退職届を出してきた。

上司には国から予め私が転職に同意して契約書にサインした事は連絡が来たらしく、国の対応の速さに驚いた。

上司と相談して有給の残りを全て消費して、一年しか働いていないが少しばかりの退職金が異世界転職者には支給されると言われた。

会社も異世界転職に協力した事で国から何らかの補助が受けられるそうだ。

社会とは上手く出来ているものだ。


訓練所にはまだ誰も来ていない。

今日は一番乗りだ。

昨日は最後だったから何と無く輪に入りづらかったが、今日は迎える側なので少し気が楽だ。


「おはようございます。」

見知らぬ女性が入ってきた。

年齢の頃は40代位、肩まで伸びた髪型がよく似合っている眼鏡美人だ。

私はいつも背中までストレートのロングヘアーでいる事が多いが今日はポニーテールにして来た。

身体を動かす事も予想して、動き易い髪型にした。


「おはようございます。」

知らない人だったので少しビックリしたが、彼女が微笑むので私も釣られて微笑んだ。


「早いわね。

私は貴方達の教官を努めます、前澤聡美と言います。

よろしくね。」


「あ、はい。

私は如月朋美と言います。

よろしくお願いします。」

教官の前澤さんは丁寧に頭を下げて挨拶をしてくれた。

私はその様子に緊張してしまい、少し声が上擦ってしまって恥ずかしい声になっていた。


「緊張しなくて良いのよ。

それにしても、如月さんは可愛いわね。

間違い無くギルドの受付嬢になったら人気者になるわね。」


「え?あ、そんな事ないです。」

とても恥ずかしい。

顔も赤くなって居るに違い無い。


「あ!そうだ。

制服試着してみたら、採寸だけでも終わらせたら少し楽よ。」


「はい。」

制服はずっと気になっていた。

マネキンが置かれていて、私の名前が書かれたマネキンが着ているからだ。

本当に可愛い。

マネキンは5体ある。

私のマネキンはMサイズの服を着ていて、それを脱がすと、それを持って更衣室に入ると着てみた。

上着は夏なので夏服の半袖ブラウスとベスト。

スカートはプリーツスカートで膝上15センチ位と比較的ミニ丈になっている。

ブーツは踝より10センチ位長めで、姿見の鏡で見てみると、白の半袖ブラウスに赤いベストに黒と金のラインとギルドの紋章が入って、恐らくネームも刺繍が入りそうだ。

スカートは赤色で裾には金と黒のラインが入り、腰あたりにギルドの紋章が入っている。

全体的に豪華な作りでブーツも黒の革靴になっている。


鏡でチェックして更衣室を出た。

外では前澤さんが私が出て来るのを待っていたのか、入り口の近くで待っていた。


「あら、凄く可愛い。

やっぱりよく似合うわね。」


「はい。

ありがとうございます。

とても可愛い制服ですね。」

まだ慣れないし、前澤さんに見られると恥ずかしい。


「可愛いわよね。

評判もすごく良いのよ。

受付嬢は見習い期間が終わるとブロンズアドバイザーの資格を取得出来るの。

制服の色やデザインが資格のランクで変わるのよ。

その制服はブロンズアドバイザーなんだけど、シルバーアドバイザーに昇進すると服の色がグレーになって、金と赤のラインと刺繍に変わるのよ。

そして、ゴールドアドバイザーになると、青色の制服で金と銀のラインと刺繍に変わるの。

そして、最上位のプラチナアドバイザーになるとデザインが変わって、蒼白のジャケットになって大きな襟がつくの、そこにはプラチナアドバイザーの刺繍と紋章と赤、黒、金、銀のラインが入るの。

スカートにも同じラインと刺繍が入るわ。

腰の部分にはプラチナアドバイザーの紋章が入って全身が綺麗な蒼白に統一されるのよ。」


話しを聞いているだけでも期待に胸が膨らんできた。

先ずはこの制服で頑張って昇格できる様に勉強しないと。


前澤さんからいろいろ話しを聞いていると、悠美さん、智恵美さん、麻美さん、里穂さんと部屋に入ってきた。

4人は申し合わせた様に同時に入ってきた。


「あら〜、朋美さん可愛い。」

4人が声を揃えて集まってきた。


「あ、ありがとうございます。」

そして、4人も更衣室に入ると制服に着替えてでてきた。

予め身長などで大体のサイズは出されていたのかも知れない。

それなりにピッタリのサイズ感だ。


「ちょっとスカート短く無いかな?」

智恵美さんはスカートの長さが気になるみたいだ。

私は可愛い長さだと思うけど。

感想は人それぞれだ。


前澤さんと全員が挨拶を交わした。

それぞれ着慣れない制服に戸惑いつつ、今日は慣れる為にも制服のままで良いと言われた。

私は嬉しかったが、皆んなはどうなんだろう?


「では、今日は皆さん可愛い制服のまま勉強しましょう。

護身術は明日以降から組まれるので、今日はその制服に馴染んでもらうのと、受付嬢としての仕事の仕方について教えます。

実際にやって貰いますので、制服の方が雰囲気出るでしょ。

やりましょう。」

本番さながらの制服のまま練習なんてドキドキする。


挨拶の仕方、実際に使う道具や端末も使った本格的な実習を行った。

モバイルエディッターと言うデータ端末を頭に装着する。

脳に直接アクセスするシステムで付属の操作端末と連結している。

いろいろな情報が頭の中に入ってくる事が可能だ。


名残惜しいが制服を試着しての実習が終わった。

今日の勉強内容が書かれた資料を貰ったので帰ってから復習をして少しでも早く自分のものにしたい。


採寸も終わったので、数日後には制服が届くので楽しみだ。

明日は昼から覚醒促進剤を注射する事になっている。

どんなジョブやスキルになるのか気になるところではある。


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