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第14話 同期の友情は永遠です。

討伐クエストは無事に終了した。

後日ギルドからクエスト報酬を受け取った。

ガザルさんとミハルさんには報酬金額を当分して、アイテムは私がギラティスの角を貰って残りは2人で分けて貰った。


この世界は日本と同じ時間軸の生活となっている。

不思議な事だ。

異世界なのに日曜から土曜日まである。

そして、仕事はシフト制なので、土曜日や日曜日にも仕事がある。

一般的には土曜と日曜日が休みなのも同じだ。


今週末には配属先が決まって一旦は別々の場所で頑張る事になる。


今日はシフトの関係上昼から休みとなった。

仕事終わりでも良かったのだが、どうしてもやらなければならない事があるので、冒険者ギルドのクエスト募集から一つのクエストを受注した。

素材交換クエストと言うものがある。

クエストには大きく分けて3種類あって、討伐クエスト、採取クエスト、アイテムや素材を交換する交換クエストがある。

自分達では手に入りにくい素材を自分が持ってる素材やアイテムと交換できる。

私が受注したクエストはギラティスの角と琥珀色の魔晶石の交換が完了条件だ。


交換クエストの場合はクエスト発注者の最寄りのギルド支部などで行われる。

トラブルを防ぐ為必ず立会人が入る。

大抵はギルドで行われる為、アドバイザーが立ち会う事が多い。


今回はラドと言う町のギルド支部で行われる。

電車で1時間ほど揺られてのんびりと移動した。

街の規模は比較的大きな街だ。

ギルド支部はステータスボードにナビ機能があるので利用して移動する事にした。


ギルド支部に到着するとカウンターのアドバイザーに声を掛けた。


「交換クエストの素材を持って来たのですが、相手と14時で待ち合わせになってます。

もういらっしゃってますか?」

カウンターのアドバイザーはシルバーアドバイザーの制服だ。

私も早くシルバーの制服を着たいものだ。


「いらっしゃってますよ。

5番テーブルです。

どうぞこちらへ。」

カウンターからアドバイザーが出て来ると5番テーブルに案内された。


「交換クエストの立ち合いは私、シルバーアドバイザーのミラトが努めます。」


テーブルには初老のお爺さんが座っていた。

「こんにちは。

よろしくお願いします。」

お爺さんは立ち上がると丁寧に頭を下げて挨拶された。


「こちらこそ。

よろしくお願いします。」

私も深く頭を下げて挨拶をした。


そして、テーブルで向かい合う様に座って、アドバイザーは私達の間でテーブルの横に立っている。


「それでは交換アイテムを出して下さい。」


アドバイザーは私達に手を広げてアイテムの掲示を促した。

私は収納魔法が使えるので、空間からギラティスの角を取り出すた、角は大きいので少し大きめのテーブルだが、他の物を置くスペースが無くなってしまった。


「あははは、すいません。

大きい物だから。」

それでもお爺さんはビックリしている訳ではなく初めて見るのか、じっと角を見ている。


お爺さんは手に持っているバッグから巾着を取り出すと、机の上に琥珀色の魔晶石を取り出した。

私は神眼で魔晶石を見ると凄まじい魔力を秘めている。

これは本物だ。


私と同じ様にアドバイザーのミラトさんも。

「私の鑑定眼で、それぞれ本物だと判定出来ました。

交換してクエストは完了とさせて頂きます。

宜しいですか?」


私はお爺さんから巾着ごと琥珀色の魔晶石を受け取った。

ギラティスの角は流石に持って帰れないのでギルドが預かって後日ご家族が取りに来るそうだ。


私は貰った魔晶石を自室に持ち帰た。


琥珀色の魔晶石の使い道はアクセサリーを作る為だ。

魔晶石を再練金と技巧スキルで指輪を作る。

手に乗せて魔晶石に魔力を注入していく。

一定の魔力を注入しないと作りたいものが出来ない。

そして、技巧スキルで指輪は創っていく。


掌は光り輝いて5個の指輪を造った。

琥珀色の魔晶石をアダマンタイト鉱石の土台にして挟み込んである。

リングの部分には魔法印を刻んである。

効果は装備者が即死や死亡に至った時一度だけリングか身代わりとなってくれる。

魔晶石の魔力を大量に使う為、一度しか効果はないが再び必要量の魔力を蓄積出来れば効果は復活する。


その日の夜、私は休みだったので夕飯を作る事にした。

料理は得意だが、こうして皆んなに料理を作れるのもあと僅か。


料理を作っていると皆が次々と帰ってきた。

どうやら皆んなで一緒に帰ってきたようだ。


「ただいま。」


「おかえり。」

一番早く入ってきたのは、里穂だ。

最近仕事にも慣れてきたのか、明るくなった。


「朋美。

ただいま。」

次々と入って来る。


「おかえり。

ご飯もうすぐ出来るからシャワー浴びて来たら?」

皆んな自室に戻っていった。


料理はほぼ出来たので私はリビングでソファに座ってテレビを見ている。

最近のニュースは魔物の被害が増えた事が多い。

冒険者も人員不足気味で特にSランク以上の冒険者は多忙な毎日を送っている。


「朋美。

何してるの?」

現れたのは悠美で、シャワーを浴びたのだろう髪をタオルで拭きながら私の隣に座った。


「ニュース、見てたのよ。

魔物が活性化してるそうよ。」


「最近クエストも増えてるよね。

冒険者も人員不足だし、クエストの見直しで今日も班長はパンク寸前だったよ。」

クエストは毎日見直しがされる。

調査班のレポートと照らし合わせて他のクエストに危険が無いか常に更新されている。

特に新人冒険者が受注するクエストは注意が必要なのだ。


悠美と話していると全員が集まって来た。

テーブルに座ると料理を食べる事にした。

皆んな仕事の不満や不安、今日の出来事や上司、先輩達の不満。

共感のポイントは同じだ。


「ちょっと話があるんだけど。」

私は食事を食べ終わると頃合いを見て話しかけた。


「なに?」

皆んなが同時に私の方を見た。


「今週末には此処も出て行って其々配属先も違うでしょ。

皆んなに感謝を込めて、記念に指輪を造ったの。」

私は琥珀色の魔晶石で造った指輪をテーブルの上に並べた。


「うわ〜、綺麗!」

皆んなは指輪を手に取って眺めている。


サイズは微調整をして、全員で着けてみた。


「可愛いデザインに出来たと思ってるんだけど。

お揃い嫌じゃなければ身につけて欲しいなぁって思います。」

魔晶石自体がかなり高価な鉱石なので、お金に困ったら売ってしまっても良い買取価格なはず。

指輪の効果は敢えて伝えないでおこう。


「朋美。

良いの?

こんなに高価な物貰って?」

皆んなで指輪を右の薬指に着けて、里穂は申し訳なさそうに微笑んでいる。


「良いよ。」


その晩はお酒を飲みながら過ごした。

魔晶石は永遠石とも呼ばれている。

千年もの昔に魔物が死に、その魔力が結晶化したものが魔晶石になる。

この石のように私達の友情も永遠でありたい。

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