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春風戦争 外伝 ~王太子誘拐事件~  作者: ゆうはん
~無色王子~

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40/51

第0部 5章 2節 40話 番外:少年リュカ

~Kikipedia より~


少年リュカ。

生没年不詳。

惑星ワニィに建てられた等身大の少年像。

リュカとは石像のモデルの少年の名前であると言われている。

ワニィ星の観光スポットとして有名であり

ここを訪れる観光客は多い。


王太子誘拐事件、更には同時に起きたノーデル星事件について、

当事者の多くが口をつぐみ、真相は語られてはいない。

公式記録としては、王太子誘拐事件がグランベリー海賊団の手によって起こり、

その過程で、ノーデル星マラッサが壊滅したことを記するのみである。

少年リュカに至っては、その存在さえも疑う歴史家も少なくない。


少年リュカが公式に名前を残すのは、ウルスが42歳の時に

実施したノーデル事件慰霊祭にて、建設された石像「少年リュカ像」の

存在のみである。

左手を身体前方に突き上げ、未来に導くような少年像で

建設されたワニィ星の観光スポットとして、

またウルスファンの聖地として知られている。


少年リュカ像の建設に当たっても、ウルスは詳細を述べず、

ただ、「未来に希望を感じる少年像を制作してくれ」と指示したのみであったが、

少年リュカ像に刻まれた文字が

「僕らの未来」

という言葉であり、ウルスにとって特別な存在であることは

疑いようがなくなかった。

だが、その真意は不明であり、後世の作家たちに

多くの創作の機会を与えることとなった。


王太子誘拐事件とそれに続くノーデル事件が

ウルスの無色王子と揶揄された存在から

王道を進む王子へと成長する分岐点となったことは

多くの歴史家が認めることであり、少年の成長の過程に

リュカという少年が関わっているだろうとの推測は

多くの賛同者を得、ウルス王の原点と言われる所以となる。

それもあって少年リュカは、

ウルスが求める王のモデルであると言われている。


しかし、一般的に広まっている認識としては、

セカンドラーンの小説「ノーデルの王」の

リュカ像である。

「ノーデルの王」では、リュカはそもそも少年ではなく、

グランベリーの配下の青年海賊として登場する。

海賊リュカは誘拐したウルスと意気投合し、

グランベリーを裏切り、ウルスを救出した男として描かれた。

この斬新な歴史解釈は、映画の評価の高さも相まって、

幅広い国民に知られるところとなるが、

フィクションのリュカと言われ、

歴史愛好家からは評価は低い。


ウルス伝記の第一人者、ホーリーは

二次資料であるノーデル事件の生存者 ギャブの証言

「リュカはウルスの友達であり、僕らは仲間だった」

の言を重視し、炎上するノーデル星からの脱出行における

ウルスとリュカのパートナー関係を提唱している。

ここでのリュカはノーデル星に住む少年リュカとして認知されており、

ワニィ星の少年リュカ像のモデルと合致するため、

歴史愛好家たちの支持は厚いが、

物語としては魅力がなく、またウルスが王道に目覚める話との関連性も薄いため

一般受けすることなく、ノンフィクションのリュカと言われている。


しかし、その実在するかわからない少年という存在が、

多くの人を魅了しているのは事実であり、

ウルスという人間の、しいては春風戦争の

重要なキーパーソンであることは

多くの歴史家の共通認識であった。


春風戦争を題材にしたゲームにおいても、

その能力値は総じて高く設定されている。

ただし、ノーデル事件が起きたのが星暦986年に対して、

多くのゲーム作品が星歴995年以降を

モチーフにしているため、リュカはウルス配下の人材ではなく、

在野の士、隠しキャラ的な存在として扱われる事が多い。

そのような理由もあって、誰もが知っている隠しキャラという

矛盾した性質を持つ。


このように少年リュカのイメージは一人歩きしており、

実際の彼がどんな性格だったのか、どんな人物であったのかは

二の次となっている。


星暦1282年にリュカの子孫であるという人物が名乗りをあげたが、

証拠は何もなく、信憑性に欠けたため

公式に認知されることはなかった。

彼が言うには、リュカはウルスを救出しノーデル星を脱出した後、

名を変え、ピュッセル海賊団に加入したという。

その縁で、ウルスとピュッセル海賊団の繋がりが出来たと主張しており、

長年謎であったウルスとピュッセル海賊団の関係性に一石を投じた。


だが、それが事実であるならば、ウルス陣営にピュッセル海賊団が

組み込まれた際に、リュカは重要なポストに付いていなければおかしい。

歴史に名を残す元ピュッセル海賊団のメンバーで、

彼がリュカだと思われるメンバーがいないため、

リュカ=ピュッセル海賊団員という主張は現在では否定されている。


いずれにせよ不明点の多い少年リュカ像であるが、

その人気や神秘性も伴って、

「石像未来」ということわざが生まれた。

石像に刻まれた言葉から派生したことわざである。

石像未来とは「他人と約束した事柄を、未来においても守り続ける」

という意味で使われる。

使用例としては、母親が子どもに

「嘘はついちゃダメよ。石像未来によろしくね。」

などである。

また自ら使う場合は、

「わかった。石像未来に誓うよ。」

など、誓いをたてる場面で使われるが、この使い方は

映画やドラマなどフィクションで多く、日常ではあまり使われてはいない。




次は4/3(土)更新予定です

( ゜д゜)ノ

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