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雑用騎士ジルと魔法のお使い  作者: 黒森 冬炎
第四章・死の平原を越えろ
93/110

三班構成で進む

微かな血の雨。

閲覧注意つけるの忘れてました。

すみません。


 狭い壁の上を駆け抜けるヴォルフガングとティルの速度は、絶え間なく遅い来る鳥や虫の魔獣をものともしない。


 ヴォルフガングとティルの切り裂く鳥魔獣や虫魔獣が、後に続くゲルハルト・コールを直撃しないで済むのも、ジンニーナが施す守りの壁あってこそ。

 千切れた毒足や、血に濡れた羽の残骸は、守りの壁を滑って地表へと落ちる。


 水空籠すいくうろうに備え付けられた、自動投石器から魔法を乗せた礫を繰り出せるのは、山賊みたいな髭男、毛むくじゃらのゲルハルトだけだ。先に行く2人が打ち漏らした魔獣に向けて、次々と礫を放つ。

 他の隊員達は、魔法無しで礫を発射するだけ。それでも、何もしないよりは、格段に便利なのだが。



 次に、別の水空籠(すいくうろう)に乗る2人が続く。ヨハン・レーベンが巧みに振るう棍は、今回操縦担当の為に背中から動かさない。その代わり、籠の縁に固定した自作の鳥笛で烏や雀や鳩を操り、飛ぶ魔獣を撹乱する。


 同乗のマックス・“裁縫屋”・ラインラントは、得意の吹き矢で小さな小針蚊すらも正確に射抜く。

 ゲルハルト、ヨハン、マックスの3人は、壁登りの2人が上まで登りきると、斜めに移動しながら、走る2人に追い付く。ゆっくりと上昇し2人の高さに並ぶと、そのまま併走した。



 この先頭集団に続いて、水空籠に分乗した5人が、壁の中程を行く。この班は、ひび割れに巣食う魔獣を退治しつつ進む。

 そして、最後に近接攻撃を得意とするグループが街を後にした。

 実を言うと、この第三班が一番攻撃力も防御力も高い。


 先ずは籠手遣いのヴィルヘルム・フッサール。副隊長である。続いて、丸太を重ねたような巨漢ゲオルク・カント。剛剣遣いの俊足だ。殿(しんがり)を努めるのは、ジルベルト・タンツ銀紐隊長その人である。


 間に挟まる2名は、刺突剣遣いのカール・ヘーゲルと、体術遣いジークフリート・エルンストだ。

 カールは、治癒魔法が使える。ジークフリートは、通信員だ。

 彼等第三班は、地上を進む。



 今回、もう一人の副隊長フリードリヒ・ブレンターノは、水空籠に乗っている。壁の中程を担当する第二班だ。

 妻アイニ製作の薬品噴霧器を駆使して、壁全体に魔獣避けを散布して行く。


 今回の薬品そのものも、夫婦の合作だ。

 今頃アイニは、ジンニーナと協力して、街中にこの魔獣避け薬品を散布して回っているに違いない。


 上空から散布される薬品は、人体に無害である。むしろ、人体に直接吹き掛けても、魔獣避け効果を発揮する優秀な薬品だ。

 地表を駆ける第三班は、薬品の恩恵に預かりつつ、突進してくる小型の魔獣を蹴散らす。

お読み下さりありがとうございます

次回もよろしくお願い致します

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