4.最後の模擬戦
ダンさんに教えられて、1年が過ぎた。
いつもの朝の打ち合いを終え、その後にダンさんより話があった。
「明日で、訓練は終了だ。」
「どういう事です。」
当然の終了発言に驚きながらもそう返した。
「もう、教えることが、無いからね。訓練はおしまいってこと。」
「そうですか。」
「だから、明日最後の模擬戦をしたいと思う。だから、今日の昼あとの実践訓練もなしだよ。」
そう言い、父さんに話があるみたいで、ダンさんは戻って行った。
明日で、最後か… 長いようで短かったな。
そういえば、この1年ダンさんと打ち合いを続けて来たけど、結局一撃も当てれてないんだよなぁ。
明日こそ、一撃加えてみせようと、部屋に戻り、策を練ることにした。
「アインはどうだね?」
「この1年でかなり、成長したと思うよ。」
「そうか。ダン、お前から見て、アインは冒険者としてやっていけそうか?」
「はっきり言うが、実力で言うなら、たぶんCいや、B級冒険者としてやっていけるだろうね。」
「お前が、そんなに評価するなんて珍しいな。」
「事実を言っているまでだ。」
「そうか。明日模擬戦が終わったら、また挑戦するのか?」
「まぁな。一応、傷が治るまでの約束だっただろ?仲間の傷ももう癒えた。明日の模擬戦が終われば、すぐに、出発するさ。」
「そうだが…いや何でもない。生きて帰ってこいよ。」
「言われるまでもない。」
自分の部屋に、戻った俺は、明日について考える。
明日は、どうやって一撃を当てようか。
自分の中のステータスを確認しながら、考え込む。
名前:アイン・フォン・シルベール
種族:人間
性別:男
年齢:9
レベル:40
体力:3650/3650
魔力:2700/2700
攻撃力:550
防御力:380
俊敏力:260
魔法攻撃力:210
魔法防御力:210
スキル:盗神Lv2 剣術Lv4 盗神眼Lv- 身体強化Lv3 体術Lv2
称号:伯爵家の次男 転生者
新たに、身体強化と体術を覚えた。
基本、ゴブリンばかり相手にしていたが、たまに現れた、ゴブリンナイトやゴブリンファイターを倒すことで、身体強化や体術スキルを覚えたり、剣術スキルのレベル上げをすることが出来た。
称号のおかげで、レベルもだいぶ上がったのだが、やはり、ダンさんにはまだ遠く及ばない。また、経験の差もあるので、策を練ないと厳しい。
その後も、策を練っていたが、結局何も思い浮かばずに、次の日になった。
「さて、今日で最後の模擬戦になる。これまで培ってきたことを、出しきってほしい。」
「分かりました。今日こそは、一撃当てて見せます。」
「そのいきだよ。こちらも、そう簡単には、いかせないからね。」
共に、木剣を構え、合図もなく始まる。
俺は、フェイントを加えながら、攻撃を仕掛けるが、いつものように、受け流されてしまう。
また、隙あらば、ダンさんからも、攻撃が飛んでくる。
それを、なんとか避けつつ、攻撃を行う。
そんなことを繰り返しながら、時間は刻一刻と過ぎていく。
もうそろそろ、いつも終わるくらいの時がたとうとしている。
いまだ、一撃も当てれてない。
俺は、ダンさんから、距離をとる。次で最後の攻撃になるだろう。それが分かっているのか、ダンさんは、攻撃を受け止める体制に入っている。
俺は、ダンさん目掛け全力で駆け出す。
すると、いつもより、力がみなぎってきており、素早さもいつもより、速い。
そのまま、攻撃を仕掛ける。
ダンさんも、俺の素早さや力が上がってることに、気づいたのか、少し、驚いた顔をしている。
その隙をつき、持っている木剣を弾き飛ばし、のど元に剣を突きつける。
ダンさんは、両手を上げ、
「降参。良く頑張ったね。」
俺は、そのまま、倒れ、呼吸を整える。
「ハァ…ハァ…ありがとう…ございます。」
最後の最後で一撃あたえることが出来た。