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第2話 王都へ [前編]

評価頂きありがとうございます~(*^O^*)

ブックマークありがとうございます~(*^O^*)

チラ見大歓迎です~(*^O^*)


今後予定

【第3話 宿屋の娘さんフラグはヤバいですか?】

宿屋の娘セシリちゃん登場です。

【第4話 運命の出会いなの?】

タブレットのサツキサンが登場します。

【第5話 伝説の冒険者 爆(笑)誕】

ライトが冒険者になります。

【第6話 サイドチェンジ1 大好きだよ 《姫川彩月》】

クラス委員長の彩月さん恋話です。

【第7話 黒猫探しミッション】

ライトが冒険者初ミッションします。

【第8話 お姫様救出作戦】

ライトがワールドビジョンを修得します。

【第9話 魔人国侵攻阻止作戦】

ライトが特務機関ナイトウイングスの団長に就任します。

【第10話 サイドチェンジ2 『灯火』 《アルフィーナ王女》】

アルフィーナ王女の恋話です。

 第2話 王都へ



 高い空に白い鱗雲が見える。俺達が跳ばされた世界は、冒険者やエルフ、ドワーフが住まう異世界だった。

 此の世界も秋なんだな~とか思い、俺はキャラバンの馬車の荷台から見える空を眺めていた。

 結局俺は両手両足を縄で縛られ、馬車の荷台に押し込まれた。山賊の仲間の可能性があるって言われたけど、違います!

「ふわ~」

 こんな時でもアクビが出る。馬車に揺られ半日。まだ昼間だが現世との時差を考えると体内時計は夜中だ。うつらうつらと俺は寝てしまった。


 目が覚めると夜になっていた。馬車は止まっている。炎の揺めきの影が見える。キャラバンは夜営しているようだった。

 意識を集中して辺りの気配を探る。

 炎の周りには5人。俺が乗っている馬車の御者台に1人。後ろの馬車には4人いるのが分かった。

 こんな気配感知みたいな感覚は現世では持っていない。此方(こちら)の世界に来た時に与えられた力って事?ラノベヒーローは凄いチートスキルとかだよね?気配感知ってハズレスキル?確実に無双系スキルじゃ無いね。サブかモブ確定?(涙) でも此の力で俺は生き延びたんだから、まぁ良しとする……のか?


「クラスのみんなは!」

 俺は意識を遠くに向ける。いないか、いないか、いないか…いない……。キャラバンの人と護衛の冒険者達以外に人の気配は見当たらなかった。しかし俺は禍々しい妙な気配を見つけた。距離にして2、300m離れた位置。数は7。人でも獣でもない気配。しかも近付いて来ている!

「スミマセーン!」

 俺は声を出して護衛の人を呼んだ。

「どうした?便所か?」

 戦士の人が来てくれた。

「何かヤバいものが近付いて来てます」

「はっ?」

 紫色のオーラを強め、俺は睨まれた。

「ホントです!」

「適当な事言って逃げるつもりか」

「違います!」


 俺達の問答を聞いてミミアさんがやって来た。

「どうしたん?」

「こいつが変な事を言い出して」

「ホントに邪気が近付いて来てるんです。数は7。距離は……200mぐらい」

 ミミアさんがやはり紫のオーラを強くして俺を睨む。見るんだ、あの目を!俺は逃げずに其の目を直視する。

 僅かな時間だけどミミアさんとの睨み合いが続く。ふとミミアさんのオーラが緑色に変わった。

「よし!少年を信じよう!」

「ミミア、いいのか?」

「嘘なら切ればいい。で少年、どっちから来るんだ?」

 そう言ってミミアさんはゴッツイ剣で俺の縄を切ってくれた。俺は馬車の荷台から降りて左手側の森を指差した。

「もう200mをきっていると思います」


 騒ぎを聞きつけ他の3人もやって来た。

「どうしました?」

 カレンさんの問いにミミアさんが答えた。

「少年が怪しい気配をあの森に感じると言っている」

 エルフのお姉さんが両耳に手をあて気配を探る。

「確かに森がざわついているわ」

「100mをきりました」

「しゃあねえ。戦闘態勢だ。馬車を守れよ!」

 馬車を背にして中央に戦士、右にエルフのお姉さんに僧侶。左側はミミアさん、カレンさん。俺は其の後ろで気配を探る。

「50m…40m…30…20…10……」

 みんなも気配に気が付き戦闘態勢だ。

「……止まりました」

 怪しい気配は、約8m程度の距離で茂みから動かない。しかし俺には強い殺気のオーラが見えていた。

「カレンさん。あの枝の下のブッシュに1匹いますよ」

 カレンさんは俺の声に頷きクロスボウの矢を放った。

「ギャギュワ!」

 ドサッと倒れる音がし、森の中がざわつく。

「来るぞ!」

 戦士がみんなに警戒を促す。カレンさんは新しい矢を(つが)え、ミミアさんは右手に持った剣を体の後ろに構え、出てくる相手を一刀するかの様に構えた。


 森の中から2つの影が跳ねた。1体はカレンさんに飛び掛かろうとする。カレンさんはスッと身を引き、阿吽の呼吸でミミアさんとスイッチした。

 月明かりが襲撃者を照らす。狂犬の顔を持つ獣人コボルト。禍々しい殺気を纏い、スイッチしたミミアさんに手に持ったショートソードで斬りかかる。

 ブン!

 ミミアさんが極太の剣を振り回しコボルトを一刀両断した。

 戦士の方に飛び掛かったコボルトも倒されていた。残りは4匹。

 正面の茂みがガサガサと揺れ、みんなの視線がそちらを注視するが…。

「木の上に2匹!」

 俺には手前の木と1つ奥の木の上に1匹づつ隠れているコボルトを、彼らのオーラで確認出来た。俺の声にエルフのお姉さんが反応し矢を射る。ドサッと木から落ちる音がした。

 もう1匹をカレンさんが狙うが、見定めきれていない。俺が後ろからクロスボウの射軸を覗き込み位置を合わせる。

此処(ここ)です」

 俺の合図を信じてカレンさんがトリガーを引いた。木の上で飛び掛かろうとするコボルトに命中。ドサッ。もう1匹も片付いた。残り2匹だ。


 茂みの奥から物凄い殺気を感じる。その殺気が茂みから飛び出す。5匹?其の数に全員が驚愕した。違う!殺気のオーラを放つ本当の1匹が俺には見えた。

 しかし、其の虚実を含む5匹が戦士を襲う。不意を突かれ、コボルトの剣が戦士の首をかすめた。コボルトはヒット&アウェイで茂みに隠れた。


「痛えじゃねえか!此の野郎!」

「幻惑香を焚かれたわ!奥にいるもう1匹のコボルトはドルイドよ!私達は幻を見せられているわ」

 全員が茂みを警戒する。

 ガサッ!

 また5匹のコボルトが茂みを飛び出す。狙われたのはカレンさんだ。

 警戒していたカレンさんは後方にバックステップし、憶測を見誤ったコボルトの剣は空を切った。

 ミミアさんが速攻で詰めてコボルトを切るが、其れは虚ろであった。コボルトはまた後方の茂みに飛び込み姿を消す。


 後方に来たカレンさんに俺は駆け寄り耳打ちする。俺は石を1つ拾い握り締めた。

 ガサガサ!

 茂みが揺れて虚実とり混ざるコボルト5匹が、茂みから跳び上がり再々度アタックに来た。

「お前の事は丸っと全部見えてるんだよ!」

 本物の放つオーラが見える俺は、其れに向かって石を投げた。その方向を見てカレンさんがクロスボウを射掛ける。

「ギャガワヴ!」

 コボルトの頬にカレンさんの弓が刺ささり、着地のバランスを崩すと、ミミアさんの極太の剣が一閃し、コボルトの首を切断した。

 ガサガサ!

 森の中の最後の1匹は背中を向け薮の中を駆け出していた。

 ヒュン!

 エルフのお姉さんが放った矢が、逃げるコボルトの背中に刺さり、戦いの終わりを告げた。


「少年!少しは役に立つじゃないか!(笑顔)」

 ミミアさんが俺を褒めてくれてるみたいだ。

「少しじゃ無いですよ。どうして本物が分かったんですか?」

「え~と…」

 俺は頭をポリポリかきながら、

「どうも気配が見えるようです」

「あたしだって気配は分かるさ!でも、ああも密集してたら見分けつかないぞ!」

「ミミアさん。違いますよ。彼は『見える』と言っているのです」

「?」

 クエスチョン顔のミミアさんに俺が補足する。

陽炎(かげろう)の様なものがボヤーと見えるんです。ミミアさんやカレンさんからもモヤモヤって見えてますよ」

「ヘェ~。少年は変わった特技を持っているんだな。何はともあれ少年が良い人だって事が分かった。縄はもう必要無いだろう。晴れて自由の身だ。何処へ成りとも行くがよい」

 ミミアさんは胸を突き出しエッヘン宜しく言い切ったよ?

「あ、いえ、此処で見捨てられても困るんですけど…(汗)」

「そうですよミミアさん。何言っちゃってるんですか?」

「え?少年は何がしたいんだ?」

 其処(そこ)にエルフのお姉さんが会話に参加してきた。

「まったく此れだからドワーフは脳筋なのよね」

「何を~!文句が有るなら胸をもっとデカクしてから言って欲しいな!」

 ズンと胸を突き出しミミアさんが言った。

「相変わらず胸の話ししか出来ないのかしら(引き攣り笑顔)」

「悔しいか、胸無しエルフ~(ニカ~)」

「ムカ~!此の脳筋胸だけドワーフ!(怒目)」

 なるほど!此れがエルドワの仲ってやつか。ファンタジー界のお約束を見れて俺は満足しちゃいました。


 何はともあれ、俺は馬車の荷台から御者台の席に出世した。

 其の後は特に何もなく、翌日の昼前に馬車はこの国の王都に到着した。


「此れが王都か~」

 左右に遠く迄続いている。青空に映える高い壁を俺は見上げてた。




【予告 第2話 王都へ 後編】

ラグナドラグーン国の王都に着いたキャラバン一行とライト。しかし入都には身分証明が必要だった。身分証明が出来ずに入都出来ずにいたライトは、またまた怪しい気配を感じていた。


「死にましたね(涙)」

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