3話 生
長い息抜きですねww
なんとなくはまりつつある今作であります。
「君には異世界に転生してほしいんだ」
「は、はぁ…え?はああぁぁ?!」
僕が…異世界転生だとぉ!
異世界転生、ラノベやアニメなどが好きだった僕には聴き馴染みのある言葉だが、それを実際にしてくれと言われると…どうしていいか分からない。それにこういう時の転生先は決まって…
「あの、僕が転生する世界ってどんな世界なんですか?」
「えっと、わかりやすく言うなら能力者達の世界と言ったとこか。」
おや?ちょっとイメージと違う。想像していたのは魔法に魔物や魔王、勇者などがいる世界だった。しかし、能力者?魔法とは違うのだろうか。
「詳しく言うと…火や水、風とか木なんかを操る力を持った者達を能力者って言うんだけど、そんな能力者達が能力を使って戦争をしたりする世界…かな?」
「魔物とかがいる訳では無いんだ…」
「魔物?あぁ、そういうのがいる世界もあったな。そっちが良かったか?けど、君が行く世界も似たようなのはいるぞ、怪人とか怪物って呼ばれているがな」
なるほど、生活の安全面から考えるなら、そういう存在は別に居なくてもいいのだが…まぁ居た方が楽しめそうではある。だが…どっちかと言えば文明的で危険の少ない日本みたいな所に転生したかったなぁ…という僕の願望が顔に出てたのだろう。神は…
「まぁ危険な世界ではあるが、そこまで悪い世界ではないから安心してくれ」
と言ってくれた。が、それでも不安は残る。
「はぁ…あのもう少し詳しくその世界のこと教えてくれませんか?」
「え、あぁ…まずはーー」
神が言うには、その世界の名前はビルマートと言うらしく、能力者が9割を占めているが、能力を持たない者が1割いるという。そのような者達は1つの街に集まっており、その街に対しては国も兵を貸し出したりという支援をしているという。ビルマートには人族と怪人、怪物と地球にもいる動物達くらいしか生命体がおらず、定番のエルフとかドワーフとかはいないらしい。ただ、異世界の定番、竜種はいるらしい。竜種は怪物認定ではあるものの、人族に特に被害をもたらすことは無いため、そんなに危険視されていない。しかし、敵となると最強の存在として人族の脅威となるそうだ。滅多に無いらしいがな。ビルマートには3つの大陸が存在しており、その内2つは人族が主となるいくつかの国が占めており、残りの1つは怪人と怪物が支配しているらしい。だからといって、人族の大陸に怪人や怪物が居ないわけではなく、森の奥地や洞窟の内部などでひっそりとくらす怪人や怪物がいたり、友好的で人族に有益な情報や物資等を提供したりして、仲良くしようとする怪人がいたり、無害な怪物が人に懐いて、愛玩生物として一緒に暮らしたりする者もいるようだ。つまり竜種の様に、全てが全て人族に害を及ぼすという訳では無いということだ。
それから、転生すると赤ちゃんから始めることになるらしい…面倒この上ないな。そして僕が転生する場所、能力の使い方などは現地で確認してくれだそうだ。
「それくらい教えてくれても…」
「いや悪いが、使い方は教えてはいけないって決まってんだわ。転生する場所なんかは神にも把握できないしな」
「神にもわかんないことあったんですね」
その言葉に神が苦笑しながら答えた
「おうよ、まぁ神っても万能ではないからな」
「ん?でも現れたとき全知全能の神って言ってませんでした?」
「それは勝手に言われてるだけ。全知全能の神として崇められてはいるが、私はそんな素晴らしいものじゃないよ」
なるほど…まぁ見た目からも全知全能感ゼロだしな
「…なんか失礼なこと考えてないか?」
「ほぇ!?な、ないですよ!」
意外と鋭い人…神だな、変な声出しちゃったよ…恥ずかし・・・
「そ、そんなことより!転生ってどうやるんですか?」
「あぁ…えっと、転生方法はこの門を抜けてもだけだ。」
若干怪しみながらも、転生方法を教えてくる。神の指さした方を見ると、いつの間にか光り輝く神々しいオーラを放つ門があった。
「こんなんあったっけ…」
「いや無かったぜ。これはさっき私がさっき出したものだ」
「いつの間に…」
こういうのを見ると本当に神なんだなぁと実感させられる。
「じゃあ、行きますね」
「ああ、頑張っていよ。たまにだが、ここから見守ってるからな」
たまにかよ…まぁ、うれしい…けど、な。さてそろそろ…不安だが、怖くはない…むしろ楽しみだ。どんな人生が待ってるのだろうか…では行くぞ!
「じゃあな!」
「ああ!ありがとうございました!」
神にお礼を言って、門の中に入っていった。中に入ると、体が光に包まれだんだんと意識が薄れてきた。完全に意識を失いしばらくして、僕は意識を取り戻した…のだが――
目!目が開かない!なんで!?なんか意思とは関係なく泣きわめいちゃってるし…あっそうか、赤ちゃんになってるんだっけか。これは…どうしたものか。ちゃんと転生はできたようだが、こう実際にするとどうしていいものか困るな…赤ちゃんだろ?…むっちゃ暇やんけ…何したらいいの?はぁ…
困っている僕の耳に男女の声が届いた。
「あなた、見て?私たちの子ども…可愛いわね、ふふ」
「ああ、可愛いな。しっかり泣いてるし、元気そうだな。よかった」
私達の子どもってことは、この声の主がこの世界の僕の両親ってことか。…とりあえず心の中だけでも挨拶しとくか、暇だしな。どうも、春川傑と申します…ってこの世界だと違うのかな…とにかくよろしくお願いいたします!
心の中で両親らしき人物に挨拶をした直後、眠気が襲ってきて耐えることができず…というか耐える理由もないので素直に眠りについた。
「おや、眠りそうだね」
「そうみたいね、おやすみ傑」
そんな両親の声を聴きながら…
僕ってこの世界でも傑なんだな――
誤字・脱字等あれば、教えていただければ助かります
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