第59話:宣戦布告
「そう言うことにしておきましょう。それで、光輝の当主殿が一体何の御用か?」
「私は天牙衆の頭領として彼等を労いに来ただけだ。まさか、闇珠の精霊とその主に出くわすとは思いもよらなかったが」
聖は、ジャングルジムの前に向かい下から上を見上げる。
「私どもは呼ばれたから現れたに過ぎません」
「疾風」
凛の問いかけに疾風は見つめ返す。
「答えは出た?」
「君達の言い分はもっともだと思う。でも、だからって他者を巻き込んでいいとは思わない!!」
疾風の言葉を半ば予期していたかのように凛は、答えた。
「そう、なら私達の道は決まった。私は扉の守護の為に他の一族を、光輝の者達の粛清を宣言する」
「!?」
思いがけない凛の言葉に皆言葉を失う。
(光輝の一族の粛清?何でそんなことを・・・・・・)
「今回は、挨拶ということで・・・・・・・光輝の当主殿。貴方には悪いけれど今のままの貴方達でいるのなら粛清は続くわ。それが私に課せられた義務だから」
「義務?何で凛がそんなことしなくちゃいけないんだよ!!」
「それが今は亡き両親の願い。当主殿、これは忠告よ。身内に巣食う毒虫に気をつけることね。でなければ、近いうちに足元をすくわれるわよ」
「粛清を宣言した一族の当主に忠告とはどういうことだ?」
薫の問いかけに凛は、答えを返す。
「これもまた両親の願い。それでは失礼するわ」
凛は、そう言うなり再び闇精を呼び集めその闇の中に姿を消したのだった。