第52話:邪に堕ちる時
現場に着き、疾風達は二手に別れることにした。
疾風・薫組、晶・涯・雪組に別れての行動となった。この組み合わせにしたのはいざという時に風で情報を交換する可能性があるからだ。
疾風は、現場から公園までの道のりを探ることにした。その黒衣の少女が凛ならば、3度会った公園までの道で出会えるような気がしたからだ。
しかし、予想に反して気配は無く、あっという間に公園まで辿りついてしまった。
「おかしいな・・・・・・・。あれ?あの人は」
疾風は見知った人物を発見し、そばに近寄る。
「上野さん?」
「あれ、君はあの時の。疾風君だっけ、どうしたんだいまた迷ったのかい?」
「いえ、探し物がてら付近の探索です。上野さんこそ何してるんですか?」
「私は探している子がいてね。君と同じくらいの黒いワンピースの子」
(もしかして!?)
「上野さん、その子に何か言われましたか?」
「どうしたんだい?急に?」
「お前は、焔の者だな」
今まで姿を消していた薫が目の前に現れ、上野は目を見張る。
「君はもしかして一族の?」
「はい。青嵐の一族の人間です。上野さんは焔の方ですか?」
「元焔の一族だよ」
「元?」
「ああ、十年前に当主一家が亡くなられてから一族はもめた。それが嫌になり一族を抜けた者は多い」
「そうだったんですか」
「我々は今任務で黒衣の少女を探している。何を言われた?」
「もう近づいてはならないと」
「どこにですか?」
「この世の始めの炎が宿る場所。・・・・・・・そこに近づいては・・・・・・うっ」
「上野さん!?」
それまで普通に話していた上野が急に胸を押さえて苦しみだす。
疾風は、癒しの力を送るが効き目が無い。
「薫!駄目だ、全然効かない」
その時だった、上野の体から禍禍しい気が一気に噴出す。
「疾風!!」
薫はとっさに疾風の腕を掴み、疾風を抱えると風の力を使い飛び上がり上野から離れる。
その光景を見て、疾風は叫ぶ。
「何なんだよ!!これは!!」
お知らせです。
今までホームページは、パソコンだけでしたが、このたび急ごしらえですが携帯用も作成しました。
アドレスは、作者紹介のページに載せてあるのと、携帯からの小説ページからの戻り先にリンクしました。
まだまだ、寂しい感じですが、ゆっくりと改良したいと思いますので遊びに来てやってください。
ホームページ名は、狭間の図書庫・分室になります。