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第43話:立場

 晶と別れた雪は、青嵐の一族のフロアへと向かっていた。

 (こんな風に各一族で別れてたら、自分達の一族だけって言われても仕方ないのかも)

 雪は、青嵐と書かれたガラスの扉を押し開ける。

 そこは、普通の会社と変わりないオフィスのようだった。

 とりあえず、誰か知っている顔がいないか探す、しかし見当たらない。

 「どうかされましたか?」

 入口近くにいた女性が雪に声をかけてくる。

 (どうしよう、誰かいたかな。あっ!涼君)

 雪は、この春から東京支部に配属された幼馴染を思い出す。

 「藤堂と申しますが、青山 涼さんはいらっしゃいますか?」

 「青山は、今会議中でしてあと30分くらいで戻る予定ですが」

 「そうですか、ではまた後でまいります」

 「それでしたら、3階のカフェでお待ちください。あとお名前をフルネームでいただけますか?」

 「藤堂 雪と申します」

 「・・・・・・・姫様!?」

 雪が名前を告げるとそれまで落ち着いた対応をしていた女性が大声を上げる。

 その声にフロアの人間がざわつく。

 ―――――――姫様?何で姫様が?

 ―――――――初めてお顔を拝見したわ。

 様々な人々の声と好奇の目線にさらされた雪は内心怯えていた。

 (・・・・・・どうしよう)

 雪がどう対処するべきか迷っていると後ろから聞きなれた声が聞こえた。

 「雪?どうしたの?こんな所で」

 その声の主は、涼だった。腕に資料を抱えた涼は、雪の出現にとても驚いているようだ。

 「涼君!!良かった、話があって来たのだけれど」

 ―――――――あいつ新人だよな。何だよ、あの馴れ馴れしい態度は。

 周囲の冷たい目線と声に涼は苦笑すると態度を改めた。

 「話とはいったい何でしょうか?姫様の御用の手助けが私に出来ますか?」

 「・・・・・・・ええ。話が聞きたい件があります。これは天牙衆の仕事に関わる事、話を聞かせていただけて?」

 「では、こちらへ」

 涼は恭しくお辞儀をすると雪を案内する。

 フロアから退室しかけた雪は振り向き女性へと声をかける。

 「仕事の邪魔をしました。それではごきげんよう」

 「いえ、こちらこそ失礼致しました」

 雪は、内心とても不機嫌だったがそれをきれいに隠し、微笑んで去って行った。

 

 


お姫様みたいな口調を思いつくのが難しく、かなり変に思われるかもしれせんがご容赦を。

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