表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/61

第33話:警察署?

 現場から数十メートル離れた場所に車を止めた青年は、車に搭載された通信機を使い、沙紀と連絡を取っていた。

 疾風は、その様子を後ろで見物しながらこれからどうするべきか思案していた。そして隣に座る雪と相談する。

 「やっぱ、まずいよな。警察に世話になるのは」

 「当然よ。でも、逃亡という選択は無理。よけい立場を悪くするもの」

 疾風と雪は小声で相談をし始める、それを見た薫は力を使いこちらの声が青年に聞こえないように細工をほどこす。

 「じたばたしてもしょうがない。頭領に連絡すればいいだろう」

 「そうなんだけどさ・・・・・・。何か借りを作るようでさ」

 「一応、頭領という任についている男だ。形式的にはお前達が下なんだから、下の不始末をどうにかするのは当たり前だろ。これくらいで借りとは思わないだろうさ」

 薫の言葉に疾風は、かなり嫌そうな顔をしながらも結局は頷いた。

 「はい、はい、了解です」

 「どうやら、向こうも話が終わったみたいだな」

 薫は、細工をとき青年の様子をうかがう。

 「お待たせしました。皆さんをこれから本部へと連行させてもらいます。と言っても犯人はあの男ですから調書だけ取らせていただくということで夕方までには終わると思います」

 そう言って青年はにっこりと笑うと再びエンジンをかけ車を発車させる。

 疾風は、腹をくくり車の窓から見える風景に見入った。

 (あれ?)

 先ほどのコンビニの前を通った時、凛が立っていた気がした。

 (何で??)

 疾風は、混乱し始める。消え去った少女の姿を再び同じ場所で見るなんてこと有得るのだろうか?

 (もしかしてあの子、幽霊とか?いやー、まさかな・・・・・・)


 そこは、どこにでもある古ぼけたビルだった。

 「ここが・・・・・・警察なの?」

 雪は、ポカンと目の前にある建物に見入っている。

 「さぁ、どうぞ」

 前を行く青年に促され建物に入るとまず始めに二階へと続く階段が目に付く。

 その階段を上り、上に行くのかと思いきや青年は、階段の前で立ち止まってしまう。

 「どうしたんですか?」

 疾風は、青年に問い掛けると青年は、困ったように頭をかいている。

 「いや・・・・・・・・ちょっとね。取調室ってあったかここ・・・・・・・・」

 後半は独り言のようでボソッと呟いただけだったが、耳の良い3人には聞こえてしまう。

 大丈夫なのか?この人・・・・・・・。

 それはここにいる3人の共通の思いだった。

 青年がブツブツと呟いていた時、青年にとっては救いの手、いや救いの声が舞い降りる。

 「大祐。なにやってんだ?」

 「田丸さん!!あのですねぇ・・・・・・・」

 声をかけてきた男に近寄り、青年は耳打ちする。すると男は、大きな声で笑い出す。

 「会議室だよ。うちは取調室はないから、こういう場合は会議室を代用するんだよ」

 「助かりました。じゃあ、皆さんこちらへどうぞ」

 青年は気を取り直し、3人を上へと案内する。そして3階の会議室へと通すとここで待つように言い残し去って行く。



雪の疑問をそのままサブタイトルに。

彼は、大丈夫なんでしょうか(笑)

きっと、沙紀がいたならするどいつっこみがあったでしょう、きっと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ランキング

HONなび
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ