第30話:襲来
疾風は全速力で凛を追っていたが、意外に凛の足は速く中々その差が縮めることが出来ずにいた。
そして、何度か見失いそうになりながらも風精の力を借りて追い続けた。そして、凛が道を曲がったのが見えた。
「・・・・・しめた!そこは行き止まりだ」
疾風は、風精から送られてきた周囲の地図を思いだし、喜ぶ。
「凛。もう追いかけっこは終わり・・・・・・・・」
疾風は道を曲がり、そこに居るはずの凛に叫ぶ。が、しかしそこに凛の姿は無かった。まるで煙のように姿を消してしまっている。
「何だよ、どうなってんだ?」
疾風が困惑していると後方から気配がした。こんな時に外にいる住人はいないはず。
(・・・・・・・・・やべぇ、誰だ?仕方ない少しおどかすか)
疾風は、近づいてくる気配を感じ取りながら集中を高め、やって来るであろう気配に力の照準を合わせる。
「誰だ!?」
疾風は、手の平に風を集め後ろから来た何かに突風を投げつける。
「キャーッ」
聞こえてきた声に疾風は驚き、急いで風を緩める。
「雪!?何してるんだ!」
雪は、何とか自分の周りに障壁を作り、風をやり過ごす。2、3歩、後ろに飛ばされたが何とか尻餅をつくことだけは免れる。
「何しているはこっちのセリフよ!普通、何も分らない妹を置き去りにする?」
雪の剣幕に押された疾風はすぐに謝る。
「悪かったよ、とにかくここから離れるぞ」
「うん」
雪の肩を押し、元来た道を戻ろうとした時だった。
ドクン!!
この間と同じ異様な気があたりに充満し始めたのを感じる。
とっさに、雪を背中に庇い、周囲に風の障壁を作り出す。
「はっ、疾風。もしかしてこれが・・・・・・」
雪も遅れてだが、その異様な気に気がつく。が、その気に圧倒されガタガタと震えとっさに疾風の服を掴む。
「大丈夫か?俺の周りから離れるなよ」
疾風の言葉に雪はコクリと頷く。
疾風は大きく一つ深呼吸をして目を閉じる。そして風精にその気の持ち主を探索させ、距離をはかる。
(あと50、いや30ってとこか。・・・・・・・・・来る!!)




